自分に合った転職先の探し方をプロが解説|エンジニアの転職市場とは?
IT業務の中でも、特に転職率の高い職種がエンジニアです。転職理由は、残業が多い、激務であるなどの不満から、今よりも大きな職場で力を試してみたいといった前向きなことまで、人それぞれにあります。今回は、上記のような悩みを解決する失敗しない転職方法や職場の選び方について説明していきます。
目次
現在のエンジニアの転職市場
まず最初に、現在のエンジニアの転職市場についてご紹介します。
結論から言いますとIT業界全般における雇用状況は、若干の売り手市場傾向にあると言われています。
マイナンバー制度の導入によりエンジニアの仕事が急増したことで大幅な技術者不足となりましたが、2015年にひと段落ついたことにより現在に至ります。
しかし、そのような世間的な動向とは別に、IT企業を対象に行ったアンケート結果によると、全体の2割が「大幅な人材不足」、6割強の企業が「やや不足している」と答えています。
つまり、人材不足だと感じているIT企業は8割にのぼるということです。
現時点でのエンジニアの転職市場には十分需要があるため、エンジニア経験者は前向きに行って問題ないと言えるでしょう。
AIなどの先進技術においてもエンジニアが不足している
企業におけるエンジニアの人材不足を分野別で見ると、以下のようになります。
①システムコンサルタント、システム監査など:約4割が不足と回答
②システム受託開発など:約4割が不足と回答
③ビッグデータ、AI関連、IoTなど:3割強が不足と回答
システムコンサルタントや受託開発など以前からある分野では慢性的にエンジニアが不足するなかで、特に注目したいのが③です。
AIやIoTなどの近年注目を集めている職種が、4割に迫る勢いで人材が足りていないと訴えています。
これらは特に今後さらなる発展が期待される事業なだけに、将来性も含めると転職の注目株と言えそうです。
転職先の探し方のコツ① 転職の動機を明確にする
転職市場が分かったところで、自分に適した転職先の探し方のコツをご紹介します。
1つ目は、まず転職するにあたって「なぜ退職したのか」「どういう理由で転職したいのか」という動機を明確にすることです。
この軸がしっかりと定まっていなければ、満足のいく企業から内定がもらえない可能性が大いにありえます。
エンジニアが転職を決意する理由は、主に以下のようなものがあります。
就業時間の問題
エンジニアの転職理由として多いのが「労働時間の不規則さ」や「労働時間の長さ」です。
いまだに就業時間に規律があやふやな企業も珍しくはありません。
特にネットワークなどインフラを扱う業務では就業時間に関係なく仕事が発生することも多いため、それを理由に転職を考える人も多いようです。
給料面の問題
エンジニアは「給料面の問題」も多く抱えています。
「給料が上がらない」「ボーナス査定が低い」など、技術力や労働時間に対しての正当な評価がされていないケースもあるようです。
スキルアップしたい
エンジニアとして経験を積んでいくことで、将来的には上流工程やプロジェクトマネージャーを目指すことも選択肢として出てくることでしょう。
エンジニアの主なキャリアパスとしては、「技術を極めてスペシャリストになる」「プロジェクトを管轄するマネジメントに特化する」といったケースが多いようです。
妥協できることとできないことを線引きする
転職の理由を洗い出したら、それらの理由を基準として求人の内容を見ていきましょう。
給与もやりがいも将来性もある仕事ともなると、そうは簡単に見つからないかもしれません。転職の理由に優先度をつけるようにすれば応募の裾野は広がります。
妥協できることとできないことをしっかりと線引きしたうえで、転職活動を進めるのがおすすめです。
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転職先の探し方のコツ② 自己分析をする
転職における希望条件をはっきりさせたら、次に自己分析を行いましょう。
自分に合った仕事を見つけるためには、自分でも意識していなかった部分を知ることが重要です。
自分の強みを見つける
自分の強みを見つけることで2つのメリットがあります。
1つ目は、自分の強みを活かした仕事を探すことで業務上でのミスマッチをなくすことができます。
2つ目は、自分で自分の強みをしっかり把握することで応募先企業に的確なアピールができるようになることです。
自己分析では弱みも含めて自分の経歴や実績を書き出し、今までの人生、仕事の中で自分はどんな強みがあるのかを見つけ出しましょう。
転職の軸や応募先の希望条件をまとめる
転職の動機や、自分の自信の強みが明確になったら、転職の軸や応募先の希望条件を決めましょう。
風土や働き方、福利厚生や給与などの条件に優先順位をつけると、どの企業に応募するかの判断がより明確になっていきます。
希望をふまえて自分に合った仕事を見つける
自己分析を行い自分の強みを見つけたら、前述ではっきりさせた転職理由と併せて希望に合った仕事を探します。
やりたい仕事×自分の得意分野の仕事を探すことで、自分に合った『適職』を見つけることができるでしょう。
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転職先の探し方のコツ③ 業界・企業研究をする
希望条件、自己分析に続き、業界研究・企業研究を行います。
自分に合った転職先かどうかを判断する基準を解説します。
自己分析とマッチさせる
業界・企業研究の目的は、自己分析で明らかになった転職軸や譲れない希望条件、自分の強みとマッチしているかどうかを判断することです。
業界・職種未経験者にとっては、業界の特徴や将来性、仕事内容を知ることは欠かせません。
一方で経験者にとっても、現在の自身の市場価値を知るという意味でも業界研究は必須です。
企業研究をする際は、社風や理念を求人案件のほかにも、企業の公式ホームページや社員のブログ、社員のインタビュー記事などを通して知ることができます。
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キャリアプランとの共通点を見つける
企業研究を通して、企業の今後の展望も知っておくと良いでしょう。
自分が描く5年後、10年後の姿がその企業や業界で実現できるのかどうかを知っておくことでミスマッチを防ぐことができるからです。
また、企業が将来的に必要とする人物像を把握できれば、自分の将来性と照らし合わせてゴール設計をすることもできます。
そこから逆算して自分に足りないスキルを身に付ける努力目標を設定し、行動を始めれば、転職活動にも役立つはずです。
志望動機や自己PRを固める
自己分析と業界・企業研究で得た結果は志望動機と自己PRの軸にすることができます。
その業界のなかで企業独自の魅力だと感じる点が「志望動機」、業界で活かせる強みが「自己PR」を考えるうえでの軸です。
志望する企業で求められる人物像だと実感することができれば、中長期的な活躍イメージが描きやすく、前向きな気持ちで転職活動に臨むことができるでしょう。
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エンジニアの転職での求人の探し方とは?
エンジニアの転職にあたって、求人を探す方法は「求人サイトの活用」「転職エージェントの活用」「友人・知人の紹介」「SNSの活用」「ハローワークの活用」があげられます。
媒体によって求人の特色やサービス内容に違いがありますので、事前に理解しつつ活用するようにしましょう。
ただし、数多く利用すれば良いというわけではありませんので、ここだけは気をつけて下さい。転職支援のサービスを多用すると情報過多になりすぎるため、返って混乱の元となります。
3~4つの転職エージェントや求人サイトをチョイスして、募集内容を比較しながら探すようにしてください。
転職サイト
転職サイトは、垣根なくあらゆる業種を扱う大手からIT業界に特化したタイプまで、実にさまざまなサイトがあります。
その多くは条件を登録すれば、要望に合致する案件をメールで自動送信してくれたり、自身の公開プロフィールを見た企業からアプローチを受けられるなどのサービスがあります。
転職エージェント
転職サイトは求人を検索して自ら応募するなど、自分で動かなければならないことがたくさんあります。
一方、転職エージェントでしたら面談時の話し合いで出した要望に沿ったものを紹介してくれますので、転職にかかる時間や手間暇を大幅に軽減することができます。
さらに非公開求人という一般では公開されていない求人もあります。こういった穴場の求人をみつけられることも大きな魅力でしょう。
また、求人の紹介だけでなく転職全般の支援を行なっています。
担当者がついて職務経歴書の添削や相談などにも乗ってくれますので、転職に不安を抱えることなく活動に専念することができます。
特に時間に自由のない在職時に転職活動をしているのでしたら、ぜひ利用を考えてみましょう。
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知人に紹介してもらう
知人や家族に紹介してもらうのもエンジニア転職のひとつの方法です。
例えばスキルレベルや経験を把握している元同僚や、同業界の知人、人柄をよく知っている友人や家族からの紹介であればミスマッチが起きづらいでしょう。
紹介での転職は「リファラル採用」と呼ばれます。
個人的に知り合っている人であれば、転職の事情を理解したうえで紹介してくれる点もメリットです。
ただし入社は採用担当者の判断によるため、紹介されたからといって採用が確約されているわけではないことに注意が必要です。
SNSの活用
近年、SNSを活用して採用するSNS採用(ソーシャルリクルーティング)に力を入れる企業も増えています。
エンジニアにとってSNSを活用するメリットは、トレンドや業界・企業の事情を知る情報収集だけではありません。
企業の経営者と直接コンタクトを取るチャンスがあるうえに、発信する力や独自にコネクションを築く力も養うことができます。
投稿を遡ることで気になる企業の職場や社員の雰囲気や、経営層の人となりを知ることができる一方で、自身の発言も見られていることには注意が必要です。
愚痴が多くなっていないか、情報漏洩はないかなど、日頃から配慮を怠らないようにしましょう。
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)も転職支援サービスの1つです。転職エージェント等と同じく、無料で利用できます。
しかし、転職エージェントとは違って企業側からのコストも抑えられるため、ハローワークにしかない求人もあるかもしれません。
地元の求人が豊富にあるので、地元で働きたいという方にはおすすめの転職方法です。
【あわせて読みたい】求人が多い時期や転職のベストタイミングはこちらから⇓
要注意!避けるべき求人の特徴
転職にあたってどうしても避けたいのが、転職理由を叶えられない企業です。
ここでは気を付けるべき会社の特徴について説明します。
実はそれら企業の募集要項には一定の法則や傾向がありますので、以下に目を通して気をつけてください。
求めるスキルが明記されていない
求人内容に「Webエンジニア募集」と書いてあるだけで、求めているスキルが明確化がされていないところは要注意です。
このような求人の意味するところは、フロントエンドもインフラも何もかもできるような人材を想定している場合が多く、エンジニア以外の雑用などを兼務することを求められる可能性もあります。
エンジニアとしての仕事を全うしたいのであれば、求人内容が詳細に書かれているかどうかも確認しましょう。
条件面のチェック項目
スキルの他にも、以下の項目は必ずチェックしておくことをおすすめします。
- ・賃金
- ・法定外福利
- ・年間休日
月給しか記載がなく、高い金額が提示されているケースあります。その場合ボーナスが含まれている可能性が考えられるため年収の確認が必須です。
法定外福利は通勤手当、住宅手当、各種お祝い金のような法律で定められている以外の福利厚生を指します。特に20代後半以降のこれからライフイベントが発生する予定があるエンジニアは確認しておくと良いでしょう。
労働基準法に則った一般的な企業における年間休日は105日です。土日祝日の他に、お盆休みや年末年始休暇などがある企業は年間休日120日程度が目安となります。
業務に関する専門用語に誤字脱字がある
「JavaScript」と「Java」の認識違いや、左記のような表記において大文字と小文字の書き分けができていない(「JAVA」と書いている)など、誤字脱字や記載ミスがあるような募集も危険です。
いうまでもなく技術に対しての理解がない、もしくは軽んじている可能性が高くあるからです。
志高く転職をするのでしたら、基本を外しているような企業は避けるようにして下さい。
精神論系の熟語が使われている
「根性」や「団結」を始めとする、募集者に対して精神論を投げかけている求人も注意してみるようにしましょう。
エンジニアの仕事は上記のようなこととは対局にある、ロジカルな仕事です。
そこに「根性」というような言葉が踊っているとなると、激務やハードな仕事内容が待ち受けている可能性は大きいと言えるでしょう。
業務内容が自分も求めるものに合っているかしっかりと確認してください。
常に募集している
求人票を見ていると、常に目にする企業に気づくこともあるでしょう。
常時求人情報を出しているということは、いつでも人が足りていない状況だと考えることができます。
事業拡大を続けていたり、急成長中の事業を主軸にしている、専門性の高い技術者を募集しているなどの特別な理由がない限り、人が定着しない企業なのかもしれません。
常に募集しなければならない背景が理解できるか、自身がマッチする人材であるかどうかの判断は慎重に行うのがおすすめです。
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まとめ
転職とは、待遇なり環境なりを今以上に良いところへ移したい気持ちから起こるものです。
「給料」や「スキル向上を目指す」などの目的意識をハッキリと持って、それに合致する応募先を見つけるようにしましょう。
絶対に譲れない部分だけは妥協せずに、それ以外については柔軟に対処していくことで、可能性が広がっていきます。
自分で考えても、判断に戸惑いや不安があるようでしたら、転職エージェントを利用してみてください。
転職のプロがキャリアプランを提案してくます。まずは登録してみると良いでしょう。
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