RPAエンジニアやめとけと言われる理由は?将来性やキャリアパスを解説!
働き方改革には業務効率化が欠かせません。それを実現するため近年注目され始めている職種に、RPAエンジニアがあります。今回は作業を自動化する上で欠かせない存在、RPAエンジニアの仕事内容や年収・将来性など幅広くご紹介していきます。
目次
RPAエンジニアとは
一口にエンジニアといっても色々な分野がありますが、RPAエンジニアという職種には実は明確な定義がありません。
RPAとは、ルーティン化している事務作業などを自動化するロボットや技術を指し、業務負担の軽減に役立つ技術です。
このRPAロボットの構築から運用・保守までを手掛けるエンジニアを一般的にRPAエンジニアと呼びます。
膨大な事務作業を抱えている企業が、事務作業の業務効率化を求めRPAエンジニアに注目し始めています。
よって、今後の活躍がますます期待されています。
後ほどご説明いたしますが、RPAエンジニアは高収入も望める職種であり、注目されている「今」なるべき職種であると言えるでしょう。
RPAの市場規模
生産効率の向上や人的コスト削減のために、RPAツールを用いて各業務の自動化を図る企業は増えています。
ロボットが対応できる仕事の幅が広がっている事により、RPA市場はさらなる拡大が予想されているのです。
すでにRPA導入済の年商50億円以上の大・中規模企業では、コロナ渦によるテレワーク化においてもRPA活用部門や業務数が増加傾向にあります。
これは出社人数を減らした事によって、RPA活用が活発になった事が理由だと考えられます。
RPA導入率は2021年で全体の37%でしたが、2022年には50%にのぼると予想されるほどです。
年商50億円未満の中・小規模企業でもRPAの認知率が向上しており、導入検討中の企業が増加している事でさらなる普及が期待できるでしょう。
(出典:MM総研)
RPAエンジニアの主な仕事内容
まずは、RPAエンジニアの主な仕事内容をご説明していきます。
業務の分析・RPA適用作業の決定
業務を自動化するにあたり、その業務に要する時間・手間・課題など、クライアントや実際の作業者と密になって細かく分析します。
そして業務フローの課題を洗い出し、プロセスの見える化をしたうえで、作業者が抱える課題を正確に把握していきます。
さらに作業者の業務負担を可能な限り軽くするには、どのようにシステム化するべきかを検討しRPAを適用する作業を決定していく業務です。
すべての作業を自動化できるわけではないですし、RPAの導入にあたっての費用対効果についても十分に検討し進めていく必要があります。
開発
開発はRPAツールを使用します。
今まで作業者が行っていた手順と同じになるようにRPAシナリオを構築し、クライアントの要望に沿って開発をしていきます。
ですが、クライアントの要望をすべて叶えることが難しい場合もあり、ここでもクライアントとすり合わせしていく必要があります。
また、実際に業務の負担が軽減されるかどうかは、ここでのRPAシナリオをどのように構築するかが非常に重要になります。
保守
RPAの導入が完了したら終わりではなく、導入後はシステムの運用・保守が必要です。
構築したシステムにエラーが出た場合には、修正などの対応も行わなけらばならず、RPAのシステムを常に良好に保つ技術が求められます。
運用中に作業者からの問い合わせがあれば、クライアントに損失が出ないよう発生した問題を早急に解決しなければなりません。
また、時には大幅なシステムのメンテナンスが必要になることもあります。
RPAの導入事例
RPAエンジニアについて理解が深まってきたかと思いますが、実際どのような企業がRPAを導入しているのでしょうか。
NTTグループが開発した「WinActor®」と、UiPath株式会社が手掛ける「UiPath」という2つのRPAツールにフォーカスを当てお伝えします。
WinActor®の導入事例
株式会社エヌ・ティ・ティ・データの公式ホームページによると、インターネット広告事業の大手ヤフー株式会社もWinActor®を導入しています。
クライアントからのサービス申請受付・返金処理業務など、手作業で対応していた部分を業務自動化し業務効率を格段にあげています。
また、人気番組の企画・制作も手がけている讀賣テレビ放送株式会社も、WinActor®を導入している企業です。
同社では社内の事務作業にWinActor®を導入した結果、年換算で2,000時間以上の効率化を成功させました。
UiPathの導入事例
次にUiPathの導入事例です。株式会社の公式ホームページを覗くと、多くの有名企業がUiPathを導入していることが分かります。
大手保険会社のあいおいニッセイ同和損害保険は、災害対応プロセスにUiPathを導入しました。同社はサービス部門の様々な事務作業に100台以上のロボットをとりいれています。
そして、事故受付・保険金支払いなどの多大な事務業務時間を大幅に短縮しました。
このことにより、災害時などに膨大な作業が発生しても対応できる体制を整えることができたのです。
他にも、キヤノンブランドを手掛けるキヤノンマーケティングジャパン株式会社は、2016年から2019年の間に100件ものRPAを導入しています。
それにより決裁に必要な事務処理が膨大にありましたが、UiPathの導入でおよそ12,000時間もの工数を削減しました。
このように様々な業種でRPAを導入しており、業務効率化を次々に成功させています。
その裏ではRPAエンジニアが導入を支えており、活躍しているのです。
RPAエンジニアの年収相場と将来性
次に、RPAエンジニアの年収相場やその将来性についてご説明します。
RPAエンジニアの平均年収
求人を覗くと、RPAエンジニアの年収相場は400万〜1,200万円と幅があります。
これは主に未経験者と経験者の差になりますが、マネージャー候補ですと1,000万円をこえる求人が多々見受けられます。
RPAエンジニアへキャリアチェンジすることは、人材が不足している現段階では高い壁ではありません。
エンジニアの経験があれば後に年収1,000万も、文字通り夢ではなくなるということです。
IT人材年収診断を利用すれば、簡単に年収をどのくらい上げられるかを調べることができます。
RPAエンジニアとして年収アップを目指している方や、自分の適正年収と比較をしたい方はぜひ利用してみてください。
将来性
今や日本はかなり少子高齢化が進んでおり、労働人口が少なく人手不足が社会問題となっています。
また長時間労働や過労死も問題視されており、働き方改革が叫ばれている中で多くの企業は人手不足を補うことが課題となっています。
そのため、今後ますます業務効率化が求められることは間違いありません。
さらに現在、システムエンジニアなどと比べると圧倒的に求人数は少ないですが、RPAエンジニアの求人件数は今後増えていくことが予想されます。
なぜかというと、先ほども記述した通り少子高齢化による重大な人手不足や長時間労働の問題が理由として挙げられます。
これは年々深刻化していくと危惧されている問題であるため、業務効率化には欠かせない存在のRPAエンジニアは、企業からの需要が高く、将来性は非常に明るいことが分かります。
RPAエンジニアになるために必要なスキル
RPAエンジニアに明確な定義がないため、必要な資格はありません。
ですが、RPAエンジニアになるために持っていると有利な知識をご紹介いたします。
システム開発のスキル
やはりシステム開発の知識はエンジニアにとって重要なスキルです。
RPAロボットの構築・運用の流れは、一般的なシステム開発における流れと共通しています。
よって、システム開発の経験があればRPAエンジニアとしても十分に生かすことができます。
プログラミングの知識
RPAツールでロボットを構築する作業にはプログラミングと通ずるものがあり、基礎知識が必要になります。
よって、プログラミングの知識がない場合はRPAツールを使いこなすのは難しく、多くの時間を要する可能性が高いです。
逆に言うと、プログラミングの知識があればRPAツールを使用するのは比較的容易になります。
Access、Excel VBAの知識
これまではAccess、Excelのマクロを活用して作業の効率化を行うのが主流でしたので、これらの経験や知識はRPAでも活かすことができます。
よって、Access、Excel VBAの知識も重要視されますので、スキルとして培っておいて損はありません。
WinActor®・UiPathの知識
導入事例でもお伝えしましたが、日本の企業が取り入れ始めている大手RPAツールにWinActor®やUiPathが挙げられます。
これらの知識があれば即戦力になりますので、よりRPAエンジニアとして重宝されるでしょう。
RPAエンジニアの資格
RPAエンジニアの資格として、「RPA技術者検定」・「NTTデータ株式会社RPA技術者検定」があります。
これらは必須の資格ではありませんが、一定の知識の基準となるため持っていて損はありません。
RPAエンジニアに向いている人
業務効率化の観点が持てる人
まず第一に、あくまで目的は業務の効率化・自動化である事を理解している必要があります。
ロボットの構築が仕事であるためプログラミングで解決しようと考える方がいますが、実はこれは正しくありません。
業務効率化の観点では、実装箇所の絞り込みが肝要です。
プログラミングはあくまで手段であり、それ自体が目的ではないのです。
そのためRPAの視点のみならず、要件定義・運用設計、業務自体の見直しなど俯瞰して考える事ができる人が向いていると言えます。
柔軟性がある人
現場によって大きく変わるのがRPAの開発方針です。
開発者に求められる働きは各現場によって千差万別なので、方針を正確に理解し適応していく能力が求められます。
RPA自体が日々進化していますので、何事も柔軟に考えられる人はRPAエンジニアとしての活躍が期待できます。
ヒアリング能力がある人
RPAエンジニアにもコミュニケーション能力は欠かせません。
ひとつの案件を一人で担当する事が多いという特性上、自らヒアリングを行い要件定義を進めます。
相手は実際に業務を行っている業務ユーザーですので、ITに詳しいとは限りません。
それでも解決が必要な課題を聞き出す、専門用語を使わず相手に伝えるといった能力は欠かせません。
RPAエンジニアに求められていること
RPAエンジニアは、新しい情報や技術に敏感でいることが大事です。
そしてさまざまな切り口から物事をとらえ、柔軟に業務を遂行する力が求められています。
また、RPAシナリオの構築はエラーや不具合はつきものですので、根気強さも非常に重要になります。
不具合が出たら分析して修正し動作確認をする、この繰り返しとなるため、忍耐強く業務にとりかかれる人材が好ましいです。
さらに、クライアントの業務を効率化させる場合、実際の作業者などとのやり取りが大変多くなります。
そのためコミュニケーション能力も非常に重要といえるでしょう。
RPAエンジニアやめとけと言われるのはなぜ?
RPAツールを使いこなすためには、プログラミング言語に関する知識が不可欠です。
しかし一部で「プログラミングの知識不要」と言われていることが「RPAエンジニアは不要」「やめとけ」と言われる理由になっているようです。
RPAによる自動化の需要は高まっており、使いこなすことができる人材の需要も高まると考えられます。
RPAエンジニアのキャリアパス
RPAコンサルタント
自社の業務にどのようなRPAを導入するか分からずにいる企業はたくさんあります。
そこで、サポートを求められるのがRPAコンサルタントです。
導入すべき業務を洗い出し、効果予測を行うRPAコンサルタントの仕事は、SEのシステム導入提案のようなものです。
経営に関係するため、上流工程のエンジニア経験がある場合は有利なキャリアパスと言えるでしょう。
プロジェクトリーダー・マネージャー
プロジェクトリーダー・マネージャー(PL・PM)もキャリアパスのひとつです。
ただしその場合、扱うのはRPAシステムだけではありません。
一般のシステム開発の経験・スキルも持ち合わせている必要があります。
ITコンサルタント
RPAエンジニアとしてスキルを磨き、業務の知識・経験を積む事で、システム開発全般に役立つ経験が得られるはずです。
RPAツールも日々進化しています。
新しい情報にも目を向け常に取り入れる事で、RPAコンサルタントの先、ITコンサルタントへのキャリアパスも可能になるでしょう。
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RPAエンジニアが重宝されている「今」が転職のねらい目
これまでRPAエンジニアについて幅広くご紹介してきましたが、転職するべきタイミングはまさに今といえます。
RPAエンジニアは新しい技術が要求されているため、今はまだ人材が不足している状況です。
また、RPAが注目を浴び始めていることや将来性があることからも、今後RPAを使えるエンジニアの価値がぐっと高くなるといえます。
今後価値のあるスキルを習得したい方や、高収入を目指したい方は是非チャレンジしてみてはいかかでしょうか。
RPAエンジニアにキャリアアップしよう
RPAエンジニアは、資格や経験がなくてもなれる職種ではありますが、プログラミングの知識や経験がある人材が求められることが多いです。
逆に言えば、これらの経験があれば堂々と挑戦できる職種であり、高収入も望めます。
また、どの企業においても業務効率化は日々課題となってるため、RPA技術の需要はとどまることを知りません。
よって、今キャリアアップするには格好の職種であるといえます。
是非、自分の能力に限界をつくらずキャリアアップに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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