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エンタープライズとは?IT業界での意味や対義語、機能について分かりやすく解説

IT業界におけるエンタープライズ(=Enterprise)とは、市場規模や製品カテゴリーを指すことが多くターゲットである顧客を区別する際に使用する言葉です。今回は エンタープライズの意味や機能、企業についてIT転職のプロが解説します。

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エンタープライズという言葉の意味とは

 

 

エンタープライズは「法人」という意味をもつ言葉です。

具体的には、大企業・中堅企業・官公庁といった公的機関を表します。

もしも会社でWindows OSを利用していれば、「Windows enterprise」という言葉を一度は見たことがあるのではないでしょうか。

これは「企業向けのWindows」という意味になります。

「簡単な意味だけ把握しておきたい」という場合はまずこの意味だけ覚えておくと良いでしょう。

 

エンタープライズは二つの意味をもつ

 

 

エンタープライズという言葉が持つもう一つの意味について紹介します。

 

対象がモノか人かで変わる

 

エンタープライズという言葉には「高品質・高単価」という意味もあります。

これはモノ・製品に対して使われる場合です。

顧客に対して「エンタープライズ」と使うのであれば先ほどの法人を指すのが一般的です。

 

エンタープライズについて整理

 

エンタープライズという言葉は以下のようにまとめられます。

 

・使う対象によって意味が変わる
・顧客に対して使う時は「法人」
・製品に対して使う時は「高品質・高単価」

 

IT業界においては、「規模が大きな法人向けの市場や製品」というひとつのカテゴリーとしての意味合いを持つことをおさえておきましょう。

市場規模を指す場合もあり、顧客を区分する目的で用いられる言葉です。

 

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エンタープライズの派生語からわかる具体的な仕事内容とは

 

 

「エンタープライズ」という言葉が指すのは主に「規模の大きい法人」向けで、「高品質かつ高単価」な商品であることがわかっていただけたかと思います。

では、具体的にどのような商品を「規模の大きい組織」に向けて提供しているのでしょうか。

エンタープライズの派生語を知ることで、IT業界ではエンタープライズ向けにどのような商品を取り扱っているのかがわかります。

ここでは3つの派生語を紹介します。

 

①エンタープライズサーチ(Enterprise Search)

 

これは簡単にいうと、法人版Googleと呼称される存在です。

別名でエンタープライズインフォメーションポータル(Enterprise Information Portal) とも呼ばれ、組織内の情報を統合し検索できるシステムを指す言葉です。

今まで紙で記録していた情報をデータ化する動きは既に広がっており、「ビッグデータ」という言葉を耳にする機会も増えました。

例えば勤務歴の長い社員が長年の経験から得た情報を全社に共有し、他の社員がその情報をエンタープライズサーチの仕組みを介して自分の仕事に活かすといった活用法です。

こうした事例が増えれば企業の売り上げUPや大事な社内情報の継承に繋がります。

ビッグデータ時代の到来から増加した社内のデータ類を全て統合し、さらに社外の情報も含めて検索できるようにしたシステムを「エンタープライズサーチ」と呼びます。

 

②エンタープライズシステム(Enterprise System)

 

これは直訳すると「企業の情報システム」という意味です。

わかりやすく表現すると、企業全体で利用している業務システム・情報システムを指します。

企業全体で活用するシステムの基盤を担うので「安全性」「信頼性」「長期間使用」「安定性」といった要素が重視されます。

安全性・信頼性とは個人情報が外に漏れないようセキュリティが堅牢で信頼がおけるかどうかです。

長期間使用とは長く使えるものかどうかを意味します。導入コストと期間がかかるものであるため、頻繁に入れ替えできないからです。

安定性はサーバーダウン等を起こすことなく安定して使えるかどうかを指します。

エンタープライズ向けの商品を取り扱うIT企業は高いレベルを求められ、それに応えるように高品質なものを提供しなければなりません。

 

③エンタープライズアーキテクチャ(Enterprise Architecture)

 

アーキテクチャ(Architecture)は一般的に「建築」や「構造」を意味します。

IT業界ではその言葉から派生して「ソフトウェアやハードウェアの構築設計や構造」を表すようになりました。

それに法人という意味の「エンタープライズ」を加えてできるのがエンタープライズアーキテクチャです。

巨大な組織の複雑な業務手順や分散したリソース、部署毎の業務を見直しコスト削減や会社全体の最適化を図るために使われます。

大規模な組織ならではの複雑な業務の割り振りなどにエンタープライズアーキテクチャを用いることで、全体の生産性向上に繋がります。

これによって部署間のやりとりもスムーズに行うことができるでしょう。

 

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エンタープライズの対義語からわかる顧客の違い

 

 

言葉は常に「反対の意味(=対義語)」を持ちます。

エンタープライズの対義語は3つで、この対義語も「顧客」と「製品」で分かれています。

 

顧客におけるエンタープライズの対義語

 

まずは「顧客」つまり法人に対してのエンタープライズの対義語です。

 

1.「SMB(Small Medium Business)」
2.「SOHO(Small Office/Home Office)」

 

「SMB」は中小企業を表します。

中小企業は資金が潤沢にある大企業・中堅企業に比べ資金が少ない傾向にあり、 IT化が進んでいません。

これから大きな進展が期待できる市場と見込まれています。

「SOHO」は主に個人事業主・フリーランス・在宅ワーカーのことを指します。

昨今、フリーランスや在宅ワークが増えている状況が引き金となり、SOHO市場は大きくなりつつあります。

 

製品におけるエンタープライズの対義語

 

次に「製品」「コンシューマー」つまり高品質・高単価という意味でのエンタープライズの対義語です。

英語で直訳すると「消費者」という意味であり、IT業界では一般消費者や個人向け商品のことを意味します。

エンタープライズの大企業や公的機関といった従業員数の多い人へ向けた製品ではなく、個人向けで低価格な製品のことです。

 

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対義語からわかるIT業界のお客様の種類

 

 

IT業界では大企業や官公庁など規模の大きい顧客と関わる仕事と、SMBやSOHOなど規模の小さい顧客から受ける仕事の二つがあります。

以下、IT業界におけるクライアントの区分について解説します。

 

顧客の種類による優劣はない

 

規模の大きな顧客と小さな顧客、両者にはそれぞれの良い面があり、一概にどちらかが優れているとはいえません。

エンタープライズの顧客・製品を対象とする仕事であれば、高度なスキルが求められます。

その分案件一つ一つの金額が大きく、一度に多くの人のIT化を推進することができるのです。

SMBやSOHOであれば、案件一つ一つの金額は小さくなります。

お客様との距離が近い分目の前で改善されていく様子が見て取れ、やりがいを感じることもできるでしょう。

 

転職に際して考えておきたいこと

 

エンタープライズか、SMBやSOHOか、自身がどちらで働きたいか考えておきましょう。

これは転職活動を進めるうえでも重要なポイントになってきます。

「なんとなく大企業の方が良さそう」といった理由ではその会社で働きたい意志をはっきり伝えることができません。

今までの経験や自己分析の結果からどちらの市場で働きたいか、これを機に一度考えてみてください。

 

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エンタープライズサーチが普及した背景

 

 

法人版Googleであるエンタープライズサーチが普及した背景には、ある管理手法がありました。

 

ビッグデータ時代を迎えニーズが増した企業の管理手法とは

 

ナレッジマネジメントという企業の管理手法があります。

これまでは個人が持っていた感覚や、売り上げに大きく貢献したものの記録されていない情報を洗い出します。

その知識財産を企業内で共有することで、会社全体の生産性を向上させる管理手法がナレッジマネジメントです。

ビッグデータ時代からこの流れが特に大企業に広がりを見せました。

 

情報の共有方法

 

大企業は組織が大きい分、勤務歴の長い従業員の暗黙知や勘といった部分の集約が難しい側面を持ちます。

そのため全社で同様のクオリティのサービスを展開するためにも、全社間で情報の共有が必要でした。

全社でのクオリティの底上げを重要視した管理手法をナレッジマネジメントと呼び、そのニーズに応えるためにエンタープライズサーチは必要とされました。

 

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エンタープライズの略称とは?

 

 

エンタープライズは英語でEnterpriseと書き、この頭文字三つをとって「ENT」と略称されます。

以下に、本記事でご紹介したIT用語の略称を一覧にしてご紹介します。

 

ENT…大企業・中堅企業・公的機関(Enteprise)
SMB…中小企業(Small Medium Business)
SOHO…個人事業主・フリーランス・在宅ワーカー(SmallOfiice/HomeOffice)
EIP…エンタープライズインフォメーションポータル(Enterprise Information Portal)
ES…エンタープライズシステム(Enterprise System)
EA…エンタープライズアーキテクチャ(Enterprise Architeccture)

 

【あわせて読みたい】エンタープライスアジャイルの解説はこちらから⇓

 

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エンタープライズの意味を理解して転職に活かそう

 

 

「エンタープライズ」が本来持つ意味は「冒険」「企業」「事業」などです。

しかしIT業界においてはターゲット層を区分する際に「エンタープライズ」が用いられています。

IT業界での仕事は法人や個人のお客様の生産性向上にダイレクトに働きかけることができる、やりがいのある仕事です。

自身の適性が大企業・中堅企業・官公庁などを顧客に持つ企業向きなのか、それともSMBやSOHOのような比較的規模の小さな顧客を持つ企業向きなのか、まずは自分の適性を見極めてから転職活動をスタートさせることを推奨します。

なぜなら、自己分析やキャリアの棚卸し、業界研究・業界研究などを効率的に進めるためには、仕事をするうえでの価値観を見つけることが先決だからです。

 

IT・Web・ゲーム業界の転職に強い転職エージェントのGeekly(ギークリー)では、さまざまな規模の企業に関わる職種の情報を多数保有しています。

エンタープライズに関わる仕事に興味がある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修者

【国家資格保有】キャリアアドバイザー 小峰涼平

5年間インフラエンジニアとして新規顧客提案や既存顧客への提案〜運用保守業務を経験。業務を行う中で人材業界へ興味を持ち、22年1月国家資格キャリアコンサルタントを取得。現在、資格を活かしキャリアアドバイザーとしてエンジニアの転職支援を行っております。

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