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ナイル株式会社のビジネスモデル分析!マイカーの概念を変える事業に注目【モビリティ×IT企業への転職】

近年、日本でも交通機関や自動車会社が中心となって開発を進めている注目のテクノロジーMaaS(Mobility as a Service)。Maasとは、広義でいえば自動運転やカーシェアリング、配車サービスなどITを活用した「柔軟なモビリティ(交通)サービス」です。今回は多くのメディアも注目するモビリティ×ITのMaas事業「おトクにマイカー 定額カルモくん」を開発したナイル株式会社のモビリティサービス事業をご紹介します。

目次

ナイル株式会社について

 

ビルの外観

 

ナイル株式会社は、2007年に創業したSEO・UX/UI改善・データ分析に強みを持つデジタルマーケティングのスタートアップです。

最大の強みであるデジタルマーケティングを軸にメディアテクノロジー領域やモビリティ領域にも事業の幅を広げている、勢いのある会社です。

メインである集客支援×コンテンツ支援の他にもAppliveや定額カルモくんといった自社メディア事業も展開しています。

 

メディアテクノロジーサービス事業「Applive」

 

スマホやタブレットのアプリをレビューやおすすめランキングから見つけることができるアプリ発見メディアです。

現在は月間UU900万人にも達し、アプリ以外にもAppliveマンガやAppliveGamesなど、マンガやゲーム用のサービスも提供しています。

 

モビリティサービス事業「おトクにマイカー 定額カルモくん」

 

国産メーカーの全車種を月額固定額で利用できるカーリースサービスです。

2018年1月のサービス開始から僅か2年半で飛躍的に顧客数を伸ばしていることから多くのメディアからも注目されています。

2019年12月からは中古車版サービスも開始しました。

本記事では、マイカーの概念を変え、著しい急成長を遂げた定額カルモくんのサービスに着目します。

 

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定額カルモくんのビジネスモデル

 

スマホとパソコン

 

 

定額カルモくんが目指すのは「車は所有するもの」から「利用するもの」へ、マイカーの概念を変えること

誰もが自由に移動を楽しむ社会を作るという理念の元にリリースされました。

月額定額料金で新車・中古車を保有でき、頭金・初期費用・ボーナス払いなどは一切なく完全定額料金でサービスを提供しています。

そのビジネスの注目すべきポイントをまとめてみました。

 

サブスクリプションモデルの採用

 

サブスクリプションモデルを採用することで国産自動車全車種を格安(月額1万円〜)でリースすることを可能にしました。

これにより、「月定額で自動車を保有する」という新しいマイカーの概念を創出しています。

 

格安価格で自動車の提供を可能にするしくみ

 

実店舗を持たず、車種選定から審査申込みまで全てオンラインで完結させることによってコストを削減しています。

また、国内カーリース業界では初となる契約期間最長11年というプランを用意することで他社と比較して格安の料金での提供を可能にしました。

さらに業界大手のオリックス自動車と業務提携を行うことで国産車をリーズナブルな価格で提供するしくみを構築したのです。

 

ターゲットは地方部のファミリー層

 

首都圏在住者からは「高級外車を短期間で安く乗り換えたい」というニーズもありました。

しかし定額カルモくんが主なターゲットとしたのは地方部のファミリー層です。

交通網が発達した首都圏と異なり、マイカー中心の都市設計となっている地方部では、移動手段として自動車の保有は必須です。

そんな中、定額カルモくんは実店舗を持たないことで「気軽に車に乗りたい」という地方在住者のニーズに応えることを可能にしました。

現在では地方在住の一般的な家庭を持つ40〜50代がユーザーの多くを占めています。

 

デジタルマーケティングの強みを活かした集客戦略

 

ナイル株式会社は大手自動車金融事業会社と提携し、強みであるデジタルマーケティングを駆使しています。

そうすることで自動車の購入や買換えを検討している潜在顧客へリーチすることが可能になっています。

 

継続的なCX向上施策

 

自動車のサブスクリプションという新しい概念を伝えるため、ナイル株式会社は自社のメディアで漫画などの分かりやすいコンテンツを多用しています。

さらに一番トラブルが発生しやすい契約の確認については徹底してブラッシュアップを行い、セールス部隊のサービス説明の質も向上させました。

サービスローンチ後も継続的にユーザーの声の対応・分析を行い、98.77%という高い顧客満足度を達成しています。(2020年8月時点)

以上のような仕組みから、定額カルモくんは立ち上げから2年半という短期間で月間契約数千件以上の規模のサービスへと急成長を遂げました。

 

定額カルモくんの急成長を支えたシステム戦略

 

ソースコード

 

自動車のサブスクリプションという業界初となるサービスは、立ち上げ後も試行錯誤が繰り返されました。

これにより、立ち上げ当初Amazon EC2で動いていたシステムはサービス自体の変化に開発が追いつかなくなっていきました。

そして立ち上げて間もなく、ドラスティックな変更に耐え得る仕組みへの再構築が急務となったのです。

そこで採用されたのがAWSサーバーレス型サービス Lambdaです。

 

サーバーレス化により開発スピードを保持

 

キーボード

 

開発チームは、開発スピードを保つためにはシステムの堅牢さよりも柔軟性が重要であると判断しました。

そしてサービスローンチ後にAWS Lambdaを用いたサーバーレス構成への作り直しを決断し、3ヶ月という短期間でリニューアルを遂げたのです。

その結果、インフラ保守運用に割いていた工数が削減され、その分のリソースを開発へ割けるようになりました。

 

AWSサーバーレスの利用で生産性の向上と運用コストの削減を達成

 

コスト

 

アーキテクチャをサーバレス化することにより、開発チームの生産性は16%向上し、運用コストについては70%の削減に成功しました。

 

Maasが解決する社会課題

 

人物コマ

 

マイカーの概念を変え、誰もが自由に移動を楽しむ社会づくりを目指しているナイル株式会社が解決しようとしている課題とは何でしょうか。

 

「所有」という壁を取り除くことでマイカーを身近な存在に

 

年間でオートローンの審査に落ちる人は約150万人と推測されています。

車を所有すること自体への魅力が薄れていく一方で、所有したくても購入の敷居が高く、所有できない人達が存在しているのも事実です。

定額カルモくんは、そんな人達へマイカーを保有する機会を提供しています。

 

高齢化への対応

 

マイカー中心の都市設計がされている地方部における深刻な課題として、高齢化も挙げられるでしょう。

将来的に高齢者が免許返納を義務付けられた場合、高齢者の移動の足が奪われてしまうことになります。

Maasは、こうした課題を解決する手段としても大きな期待が寄せられているサービスです。

 

モビリティ×ITの今後の事業展開

 

高速を走るトラック

 

モビリティ領域への投資を加速させていくナイル株式会社は、今後どのような事業展開を目指しているのでしょうか。

 

シェアリングサービスの立ち上げ

 

アイフォン画面

 

現在は購入段階に向けたサービスですが、将来的にはカルモの車を複数人で使用できるシェアリングサービスの立ち上げも予定されているようです。

 

定額カルモくんのプラットフォーム化

 

スマホを操作する指

 

カルモ車をドライブレコーダーとリンクさせれば、自動車保険会社との連携やフードデリバリー・買い物代行などのサービスへ活用できます。

こうして定額カルモくんをプラットフォーム化することで人々のカーライフをより豊かにする構想が進んでいます。

 

都市部におけるモビリティサービス

 

都市部の道路

 

都市部においては、地方からの人口流入によって生活コストが上昇し、外縁部が拡大することによって移動手段が多様化していくでしょう。

その結果、自動車以外の多種多様なモビリティサービスが登場することが予想されます。

 

ナイル株式会社の企業文化

 

机に置かれたマックブック

 

自らを「事業家集団」と名乗り、社会をより良くしていく画期的な事業を生み出し続けることを企業理念としているナイル株式会社。

社員一人一人が事業家として最大限に能力を活かして働けるよう、様々な環境が整っています。

 

フラットな企業文化

 

スピード感を重視するナイル株式会社ではトップダウン型の経営を良しとしていません。

そのため、多極分散型で意思決定ができる機動力の高い組織を目指しています。

年齢に関係なく率直にお互いの意見を言い合える文化が浸透しており、時には経営陣に直接意見を出すことができるフラットな文化が魅力です。

 

社員のスキルアップ支援

 

メンバーの能力を高めるための研修制度も充実しています。

社員や社外パートナーが講師となって研修を開催する社内研修制度や、図書の購入や研修参加費用として上限月1万円まで支援する制度があります。

 

働きやすさを追求した福利厚生

 

出産や育児、介護といった社員のライフステージに合わせた働き方ができるよう、在宅勤務制度やフレックスタイム制を導入しています。

また、社外へ活動の幅を広げたい社員のために積極的な副業支援も行っています。

 

モビリティサービス事業部への転職事例

 

パソコンを操作する女性

 

どのような経歴の方々がナイル株式会社で活躍されているのでしょうか。転職事例の一部をご紹介します。

 

転職事例1. SIerから事業CTOへ

 

SIerとして様々なシステム開発の下流から上流まで携わった後に事業会社の開発責任者を歴任し、ナイル株式会社へ中途入社。

入社後は執行役員としてモビリティサービス事業部のCTOと全社的なDXなどのICT推進を兼務。

 

転職事例2. 保険会社の営業からインサイドセールスのリーダーへ

 

保険会社の営業を経験した後、ナイル株式会社へ中途入社。

入社後はカルモ中古車版のインサイドセールスを担当。インサイドセールス未経験ながら、入社3カ月めでリーダーに抜擢。

 

ナイル株式会社で求められる人物像

 

ビジネスマン

 

法人向けマーケティング支援・アプリ・電子コミック・モビリティと多領域で事業を展開するナイル株式会社。

どのような人が求められているのでしょうか。

 

高い当事者意識を持っている人

 

一人一人が事業家として活躍するこの会社では、ただ指示を待つだけではなく、自分の頭で考えて実行することが求められています。

 

臨機応変に動ける人

 

著しく変化する状況に合わせて迅速かつ柔軟に対応できる能力も必要です。

エンジニアにおいては、一つの技術に固執せず、広く浅く取り入れることができる受容性も求められます。

 

成長意欲が高く、キャッチアップ力がある人

 

ナイル株式会社では新規事業立ち上げの企画から実装までの幅広い業務に携わることができることが魅力です。

一方で求められるのは、日々進化していく新しい情報・技術をキャッチアップし、自分の能力・スキルを磨き続ける人です。

 

おわりに

 

手帳と腕時計

 

モビリティ×ITの分野への投資を加速させていくナイル株式会社。

今後大きく変化していく自動車領域において「未来における当たり前になる事業の創出」に挑戦し続けていく姿に期待が寄せられます。

人々の移動の要となるモビリティ。

より便利に使い易く、その在り方を変えていこうとするMaasは今後ますます拡大していく注目の分野と言えるでしょう。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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