リモートワークに向いているエンジニア職種|就業するために必要なこと
リモートワークは時間や場所に関係なく、自由な働き方が実現できる働き方です。働き方改革の推進やコロナ禍の影響もあって、リモートワークの普及は広まり、導入企業も増えています。
今回はエンジニアのリモートワーク事情について、在宅勤務に向いているエンジニア職種やリモートワークで就業するために必要なことを解説します。
目次
リモートワークの概念
リモートワークとはremote(遠隔地)とwork(働く)で作り出された造語であり、勤務地や時間帯に縛られず働くといった概念から生まれた働き方です。
リモートワークとテレワークの違い
リモートワークとテレワークはほぼ同じ意味で使われています。相違点があるとすれば、それぞれ使われた言葉の時期にあります。
テレワークはアメリカが発祥で、1970年代~80年代にテレワークという働き方の概念が広まりました。現在、主に国や自治体で出勤しない働き方の名称を、「テレワーク」で統一しています。
それに対し、「リモートワーク」は勤務地以外で働くという意味で、ほぼテレワークと同義です。主に民間の企業で統一して使われています。
ITエンジニアやフリーランスの方はリモートワークを用いるケースが多いようです。
リモートワークが普及した背景
新型コロナウイルス感染症の流行
新型コロナウイルスの流行により通勤・出張などが困難になり、多くの企業が在宅勤務導入を余儀なくされました。
その結果、国・行政機関もリモートワークを推進する流れになりました。
労働人口減少
少子高齢化により、労働人口が減少したこともリモートワークが普及している背景の一つです。
年齢や性別、住んでいる場所に関係なく限りある労働力を最大限に活かすためにも、リモートワークが活用されています。
働き方改革の推進
近年日本の社会でも労働だけでなく、私生活も充実したものにしようというワークバランスの見直しをする流れがあります。
そのため、政府はICT(※)を利用し、柔軟な働き方を支援する改革を推進しています。
つまりライフイベントに備えた臨機応変な働き方が求められているのです。
加えて労働者の働き方に対する価値観の多様化や、高齢者の労働、介護などリモートワークが求められる社会的背景があります。
例えばリモートワークによって通勤時間が減れば、それだけ家族と過ごす時間に割り当てられますし、個人の趣味にもその時間を活かせます。
※「ICT」は情報通信技術を活用したコミュニケーションを意味する言葉
リモートワークをしているエンジニアの割合は?
現在のリモートワークの状況
内閣府は新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化について調査しています。
令和5年4月に発表された最新の調査結果では、全国のテレワーク実施率は30.0%、東京23区だけで見ると51.6%という結果が出ています。
特にリモートワーク実施率を業種別に見てみると、IT業界(情報通信業)のリモートワーク率が73.9%とどの業種よりもダントツで高い数値を出しているのです。
つまりPC業務の多い仕事、そしてデジタル化の進んでいる業種ほどリモートワーク率が高い傾向があり、加えて、従業員数が多い会社ほどリモートワーク率が高いことが判明しています。
(参考:内閣府『第6回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査』)
リモートワークが多いエンジニア職種
転職エージェントであるGeeklyの調査によると、現在ITに関わっている業種の人材の28%が「全日出社」だということです。
また、「出社メイン+週に何回かのリモートワーク」が21%、「リモートワークメイン+週に何日か出勤」と回答した人は25%であり、全日出勤の次に多いこととなりました。
意外にもコロナ禍というリモートワークが普及しやすい背景がありつつも、「全日在宅勤務(フルリモート)」と回答された方は17%ほどでした。
一転して職業別でリモートワークの内訳については、エンジニアの場合、プロジェクトの立案や要求定義など上流工程の業務を担っている方々はリモートワークが多い傾向にあります。
クライアントと目標や目的に向けてやり取りや調整をする業務など、コミュニケーションが多くなる職種は特にリモートワークをしている方が多いと言えます。
例えば開発系社内SE、PM、システムコンサルタントはオンラインMTG(※)の発展に伴いリモートワークをしている割合が高いです。
他にも、リモートワーク率が高い職種として、WebデザイナーやWebディレクターといったクリエイティブ職が挙げられます。
理由として、クリエイティブ職はネット環境が充実していれば業務を進められる場合が多いからです。加えて企画から制作、管理に携わる機会が多いという要素もリモートワークに向いた側面があります。
※電話やビデオチャット(ビデオ通話)などを使用し、参加者同士が離れた場所での打ち合わせ・会議
エンジニアがリモートワークをするとどうなる?
メリット
効率よく業務に集中できる
自分が気兼ねしないスペースで、人間関係を過度に気にする必要なく作業できるためストレスも減ります。
自宅またはコワーキングスペースで、その時々の調子に合わせ黙々と作業ができます。
そのため、仕事に対してより集中力を高めて取り組むことができるので、仕事の効率もぐんと上がるといえます。
ワークライフバランスの改善
通勤時間の短縮や自分にマッチした環境で働けるというメリットがあります。
その結果、時間に余裕ができ、家事や趣味、スキルアップのための勉強などに活用できます。つまり、ワークライフバランスの改善がはかれるのです。
プライベートが充実すれば、ストレス軽減にも繋がって仕事に対するモチベーションも上がりますし、パフォーマンス向上も併せて期待できます。
デメリット
円滑なコミュニケーションの機会が減る
対面でのコミュニケーション機会が減少することから、他の社員と密なコミュニケーションが取りづらくなるといったデメリットがあります。
その結果、業務の情報共有にズレが生じたり、作業の認識に食い違いが生じてしまう可能性があります。
特にチームでシステム開発などを行うエンジニアの場合は、円滑なコミュニケーションが必要となりますから、コミュニケーション不足はプロジェクト等を遂行する上でデメリットになるはずです。
加えてリモートワークではコミュニケーションを取るためにチャットツールや電話、Web会議など直接対面して話すことと比較して、ラグが発生してしまう可能性があります。
コミュニケーションのスピードや積極性に遅れが生じ、仕事をする上での孤独感や孤立感なども感じやすいといったデメリットもあります。
オンオフの切り替えが難しくなる
在宅勤務などの場合、作業空間と生活空間が一緒になる関係から、ON・OFが難しい、つまり仕事とプライベートの切り替えが難しくなる側面があります。
仕事中にプライベートのことが気になってしまったり、その逆で生活時間にもかかわらず、仕事が気になり作業をしてしまうといったことが起こると、集中力低下による生産性の停滞や過労を引き起こします。
【あわせて読みたい】リモートワークに向いている人の特徴について知りたい方はこちら!
リモートワークで就業するためには
一人前の技術力をつける
企業のオフィスで働く場合は働きながら、人から直接対面でスキルを学べる機会が豊富です。
しかし完全なリモートワークですと、働きながら人からスキルを習得するといったことは難しく、ある程度個々の技術力が必要とされます。
つまり、リモートワークを行うためには、それ相当の個人スキルが必要なわけです。
システムエンジニアなら、基本的なITスキルやプロジェクト管理能力が必要ですし、WebデザイナーならJavaScriptやPHPなどのプログラミング言語は必須といわれています。
またフロントエンドエンジニアなら、HTML、CSSといったプログラミング言語の知識が必要といわれています。
仕事をする環境を整える
リモートワークを実現させるためにはそれなりの設備・環境を整える必要があります。それが不可能だと仕事の生産性が下がり、ストレスも溜まるばかりかあなたの評価も下がることになります。
最低限以下のアイテムは揃えたいところです。
・パソコン、ディスプレイ(モニター)
・インターネット(Wi-Fi)環境・DX環境
・マイク、カメラなどの周辺機器
・デスク、チェア
他にも勤怠管理システムやタスク・スケジュール管理ツール、チャットツール、社員とのコミュニケーションをはかるためにWeb会議ツールやビデオチャットサービスも必要となってきます。
こういったアイテムを揃えて環境を整えることで、リモートワークのメリットが活かされて、仕事の進捗が捗るのです。
リモート実務検定を取得してみる
リモート実務検定とは民間資格であり、リモートワークに関する知識やノウハウが学べる資格です。
テクノロジーの進化や新型コロナウイルス感染症の流行により、リモートワークは急速に普及しています。
しかし大きな課題として、リモートワークに対するノウハウや知識がないことや、企業として明確な制度がないことが懸念材料なのです。
そこでリモートワークに適した人材であるといったことを証明する資格を持っていると、リモートワークで働くために大変有利となります。
リモートワークでできる職種・環境に転職する
リモートワークがしやすいといわれる職種は存在します。例えば一部を以下に紹介します。
・エンジニア・プログラマー
・Webデザイナー
・Webライター
・Webマーケター
・カスタマーサポート
上記の業務ですと、例えばWebデザイナーはPC業務がほとんどであり、成果物の形もわかりやすく評価もされやすいといった特徴があります。
その他では、アプリ開発、Web開発、ゲーム開発といったことが仕事の中心となるエンジニア・プログラマーです。
ほとんどの業務をPCでこなし、一日中をPC業務で終えます。これもWebデザイナーと共にプロジェクトの完了といった成果物がわかりやすいため、評価されやすくリモートワークに向いています。
またSE上流などが行うシステムの要件定義や設計といったいわゆる上流工程の仕事は、リモートワークに向いている職種です。
リモートワークができる職へ転職を目指すなら、下流工程のプログラマーから経験を積み、上流工程のSEへの転職を狙うキャリアパスもおすすめです。
また、リモートワークに適した環境整備が進んでいる仕事としてIT系(情報通信業)があります。
例えば、東京の企業に勤務していながら仕事は地方で従事するといった形を目指しているなら、IT系などリモートワークに強い業界・職種に転職を考えても良いかも知れません。
IT業界特化型の転職エージェントに相談して、リモートワークがある環境で働こう
リモートワークのメリットやデメリット、必要な設備やリモートワークに向いている業界・職種についても併せて解説してまいりました。
リモートワークは新しい働き方として注目を浴びています。自己プロデュース次第で、必要な条件や設備さえ整えば大変有益な働き方ができるのです。
「職場の人間関係に疲れて実力がイマイチ発揮できない」、「通勤が長すぎて仕事までに疲れ果ててしまう」などデメリットを感じる方はぜひ一度リモートワークがある職場への転職を考えてみてはいかがでしょうか?
リモートワークについて興味がある方やリモートワークをしたいが心配があるといった方はぜひ、
IT・Web系、ゲーム業界に特化した転職のスペシャリストが集まる転職エージェントGeeklyにご相談ください。
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