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ライブコマースの市場の規模や国内外のサービスを紹介!市場の実態や今後を転職エージェントが解説します!
SNSでの動画投稿の人気が高まり続ける中、ビジネスとして動画配信を利用する動きも加速しています。中でもライブコマースは配信者とユーザーがより身近に繋がることができる体感型の販売手法として成長しています。今回はライブコマースの市場規模や国内外のサービスについて幅広く紹介します。

2020年10月5日
目次
ライブコマースがクローズアップされている背景
近年ライブコマースの注目度が高まりつつある背景には以下の3つの要素が関係しています。
・ライブ動画人気
・ソーシャルコマース
・海外での評判
まずはTikTokやYouTube、Instagram、Facebookなど、誰でも簡単に動画の配信ができる環境が増えたことです。
臨場感のあるライブ動画の人気が加熱し、特に10〜20代の消費行動に変化をもたらしました。
これまでのように雑誌やテレビから情報を得て好みの商品を購入するという流れではなく、友人や知人のSNSから自然と情報を手にしています。
自分でも知らず知らずのうちに潜在ニーズが引き出され、受動的に好みの商品を見つけるようになったのです。
SNSをきっかけに商品を購入する若者は今後も増え続けるでしょう。
このようなことから、企業側もソーシャルコマースを導入し、そのツールとしてライブコマースを検討する動きが盛んになりました。
特にアパレル業界では大きな効果を上げると期待されていますが、中国での華々しい成功事例も相まって、多くの企業が注目しています。
海外におけるライブコマース市場
ここではライブコマース先進国である中国の市場規模と、近年人気が高まっている台湾、タイ、アメリカにおける市場の発展状況をご紹介します。
・中国
…2017年の市場規模は日本円で約2900億円だったが、2019年には約6兆円にまで成長した。2020年にはさらなる増加が予測されている。
ライブ配信利用者数は2019年の6月時点で約4億3千3百万人に上る。
・台湾
…BtoC向けがメイン。主流はFacebookで利用率は80%を超える。ライブストリーミングの利用人口が多い。
今後100億円規模の市場になると想定されている。
・タイ
…有名企業が導入を開始するなどBtoBに向けが徐々に増加している。売上が50倍に伸びた企業も存在する。
・アメリカ
…AmazonやFacebookなど、ライブコマースと関係が深い企業が存在する。
インフルエンサーが国外ファン向けに商品を買い付けるライブコマースアプリなどが人気。
このように、中国以外の諸外国は日本と同様、今後の大きな発展が見込まれるという状況です。
それでは次の章で未だ勢いが衰えない中国のライブコマースの実情を掘り下げていきましょう。
参考サイト:ライブコマース動向整理-消費者庁
中国のライブコマースの市場実態
中国最大のECサイトである淘宝(タオバオ)では、ライブコマースの普及により、2016〜2019年の流通取引総額が一気に増加しました。
昨年比150%以上、流通取引総額が1日で約3000億円を超える日もあり、爆発的な成長を見せています。
しかし数字は驚異的ですが、意外にもライブコマースの利用者はインターネット利用者の約29%とそれほど多くはありません。
ですが、利用者の半数以上が月に1回以上商品を購入するリピーターと、成績は良好のようです。
また購入理由も「費用対効果が高い」「紹介された商品を気に入った」など、満足度の高さが窺えます。
こうした利用状況には、ライブ配信を行うKOL(Key Opinion Leaderの略。日本でいうインフルエンサー)の質が大きく関係しています。
中国では5時間のライブ配信で10億円売り上げたKOLも存在するというから驚きです。
ライブコマースサービスで活躍するKOLはライバーと呼ばれ、販売元から取引額の20〜40%を収入として得ているといわれます。
高額の売上を叩き出すライバーが若い世代の憧れの職業となったことも、ライブコマースが新たな文化として根付いた証といえるでしょう。
中国のライブコマースサービス
ライブ配信のプラットフォームが豊富な中国ですが、中でも知名度の高い大手サービスを3つご紹介します。
淘宝(タオバオ)
連日5万件以上のライブ配信が行われているCtoC向けがメインのECサイトです。
メイク用品、衣料品、食品、雑貨など扱う商品は多岐に渡り、価格帯も非常に手頃。
現在は淘宝直播という独立したライブコマースアプリも登場しているため、より手軽でスムーズにライブ配信を堪能できます。
天猫
淘宝(タオバオ)と同じアリババグループに属しますが、BtoC向けのECサイトであり、ブランドや大手企業のみ出店が可能です。
日本企業もUNIQLOや資生堂など多くが出店し、信頼度の高さが売りとなっています。芸能人や企業経営者などが出演するライブ配信が魅力です。
快手
Instagramや TikTokのように短編動画を投稿できるアプリです。
短編なので一見商品の購入には繋がりにくいように見えますが、閲覧・投稿しやすいという特徴があります。
多数のファンを獲得しているKOLが配信者に即した商品を販売すれば十分な効果が期待できるでしょう。
日本国内のライブコマースの市場の実態
さて、ここからは日本のライブコマース事情について見ていきましょう。
成長が期待されている日本のライブコマース市場ですが、認知度は依然高まっていないというのが実情です。
期待されていた「メルカリチャンネル」や「BASEライブ」「PinQul(ピンクル)」など複数の企業がサービスを終了しています。
一見、日本には適さないサービスのように感じますが、洋服や家電を購入する際にライブコマースの利用を検討する人がいるのも事実です。
また、日本のEC市場は約17兆円(2018年)と大規模であり年々増加傾向にあります。
・ライブコマースの認知度を上げる
・コミュニケーション能力の高いインフルエンサーを育成する
など課題をクリアしていくことで市場は大きく変わっていくでしょう。
日本国内のライブコマースサービス
日本国内の代表的なライブコマースサービスには以下のようなものがあります。
アプリ型と呼ばれるタイプがやや多い印象ですが、今後も様々なサービスが増えていくでしょう。
SHOPROOM
10代〜20代のインフルエンサーを中心としたライブを簡単に閲覧できる「show room」から派生したライブコマースサービスです。
美魔女や声優、お笑い芸人、SKE48、サンリオキャラクターなど動画が閲覧できます。男性の視聴者から特に人気です。
Yahoo!ショッピングLIVE
ヤフーショッピングに出店している各ストアが商品説明の動画を配信しています。
よりテレビショッピングに近いような形ですが、Yahoo!JAPAN IDでログインすればコメントを残すことができます。
ZOZOTOWNがこのツールを活用して公式ライブの配信を開始し話題となりました。
MimiTV
コスメやメイク、ヘアアレンジなど、美容に特化した情報をInstagramとTwitterを利用してライブ配信しています。
ユーザーの悩みに合わせた情報を提供していること、またライブ配信中のコメント対応の良さも魅力です。
C Channel
コスメやファッション、恋愛、レシピなど、女性ユーザーに役立つ情報を幅広く配信しています。
C Channelは2300万ものフォロワー数を抱えるSNSに強いメディアであり、LINEやYouTubeなども活用し運営しています。
ライブコマース初心者でも気軽に利用しやすいでしょう。
TAGsAPI
ECサイトで簡単にライブ配信が行えるクラウド型ライブコマースサービスです。
三越伊勢丹やビックカメラ、beamsなどが導入し、活用しています。
三越伊勢丹のお中元紹介のライブ配信では、視聴者数が3万人を超え売上に大きな影響を与えました。
ABEMA TV
バラエティやドラマなどの番組配信でおなじみのABEMA TVは「ABEMA Shopping」として、放送している番組と連動した買い物が楽しめます。
お笑い芸人が出演し、料理研究家おすすめの商品を紹介する番組などつい購入したくなる商品セレクトです。
ライブコマースのメリット・デメリット
国内外で様々なサービスのライブコマースが拡充していますが、利用や導入にあたり知っておくべきメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
ライブコマースには、配信者側とユーザー側にそれぞれ以下のようなメリットがあります。
■配信者側メリット
・商品の良さを具体的、立体的にアピールできる
・質問を閲覧し視聴者の望む情報を把握できる
・バンドワゴン効果が期待できる
■ユーザー側メリット
・購入前に商品に対する不安を解消できる
・店頭での対面販売が苦手でも、配信者と会話がしやすい
・臨場感が味わえる
・好きな芸能人やインフルエンサーとのコミュニケーションが楽しめる
デメリット
メリットと同様にライブコマースにはデメリットがあります。デメリットは主に配信者側に起こりうるため、事前の調査や対策が必要です。
■配信者側デメリット
・事前に告知し視聴者を集めなければならない
・インフルエンサーの実力が売上に大きく関係する
・生配信というリスクがあり、手間やコストがかかる
■ユーザー側デメリット
・動画閲覧のための時間がとられる
ライブコマース市場の今後
ライブコマース市場は今後さらに勢いを増し、新たな販路として日本にも定着すると期待されています。
その最も大きな理由といわれているのが5Gの導入です。
データが高速化されることで動画利用の比重が高まり、リアルタイムで配信されるライブコマースがより使いやすいものとなり得ます。
また実際の商品を目にしなくとも不安要素を排除できるライブコマースは、通販を主とする小売業にとって弱点を補強できる効果的な手段です。
認知度を上げ、マーケティングをしっかり行えばどこまでも成長していくでしょう。
ライブ配信事業は、未知数に広がる可能性に挑戦できる魅力的な業界であり、今後の動向も目が離せません。
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