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SESってそもそも何?派遣との違いや、メリットデメリットについても徹底解説!
IT業界ではSESと呼ばれる雇用形態があります。人材不足が懸念されて久しいこの業界では、多くのIT企業がSESや派遣社員を利用してエンジニアを補っているのが現状です。いったいその仕組みとはどのようになっているのでしょうか?この記事ではSESの本質と共にそのメリットやデメリットに迫ります。また派遣とSESとの違いについても解説していきますので必見です!

目次
SESという雇用形態について
SESは技術支援事業
SESとはベンダー(SESを扱う企業)が特定のクライアント企業へエンジニアを出向させ、労働力を提供する業務委託契約の1つです。
「システム-エンジニアリング-サービス」略してSESと呼ばれるこの契約は、ベンダーがSESエンジニアをクライアント企業の元へアサイン(割り当て)して技術支援を行います。
SESエンジニア自身はクライアント企業のオフィスに出向いて常駐します。そして、ソフトウェアやシステムの開発、運用、または保守といった業務に携わります。
SESの働き方・特徴
SESは主にIT業界で結ばられる準委任契約です。準委任契約は委任契約の一種になります。
準委任契約はその業務により法的な権利の発生・消滅がない、法律行為の伴わない委任業務のことを指します。
SESは発注元のクライアント企業で作業を代行するのが契約で、その携わった業務による製品などを完成させる義務はありません。
あくまでもITスキルといった労働力をクライアント企業に提供し、業務を支援することこそが、SESとして働くエンジニアに要求される職務になります。
成果物ではなく、労働時間に応じて報酬が支払われるのです。
また、SESの労働力への対価は、時給や月給という人月単価で計算されます。単価は持っているスキルの高低によって50万の方もいれば、100万を超える方もいます。
SESは派遣や請負と違うビジネスモデル
派遣とSESの異なる点とは
派遣社員やSESで働くエンジニアも、自社でなくクライアント企業へ常駐する点は共通しています。
大きく違う点は指揮命令権でしょう。指揮命令権は簡単に説明すると、「労働者に対して業務指示を行う権限」のことです。
派遣社員は派遣先であるクライアント企業の担当者から、業務命令・指示に従うのが一般的です。
対象的にSESは、ベンター側(SESを提供する側の企業)に指揮命令権があり、勤怠や業務の指示・命令は自社企業であるベンダー側に従います。
しかし、実際にはクライアント企業が派遣やSESなど個々の契約状態を、きっちり区別できていないというケースも多々あり、建前上のルールになっているという実態も見受けられます。
SESと請負の違い
SESとよく混同されがちなのが請負です。
・SES:決められた期間までクライアント企業に労働力を提供する。業務を完成させる義務はない。
・請負:クライアント企業から請け負った業務を、定められた期間までに完成させなければならない。
ちなみに指揮命令権は請負側にあります。長時間働いたとしても、請負の場合は業務による成果物ができあがらなければ報酬は支払われません。
SESの報酬対価が労働期間にあるのに対して、請負は成果物に報酬対価が発生します。
SESにある4つのメリットとは?
SESはコネクションを広げるチャンス
SESとして働く場合、多くの職場を転々として業務にあたるため、様々なエンジニアとの出会いがあるでしょう。
長期間1つの職場にとどまることは少なく、常に環境の違う場所で働くため、新しい人達と共に働く機会が増えます。それにより大きく人脈を広げられる機会に恵まれます。
正社員になれる可能性も
ITスキルが高く、クライアント企業からの信頼も厚い方は正社員に勧誘されるチャンスがあるでしょう。
このような能力の高いSESエンジニアは、即戦力の魅力的な人材として、クライアント企業に高く評価をされている可能性があります。
スキルの向上
1つの職場で長年働いている人と比較して、SESは様々な業務経験を積むことが可能です。
SESは様々なクライアント企業に出向いて働くため、必要とされるスキルも異なることがあります。そのため、多くのスキルを経験し、実務として取得することが可能です。
実務経験の中で新しいスキルやノウハウ、コミュニケーション能力も磨ける点はメリットになるでしょう。
SESは残業が少ない
SESは基本的に納品義務がありません。ですから、携わっている業務の成果物が完成していなくとも、長期の残業を行ってまで完成させる必要がないということになります。
あくまで契約上の労働時間内で業務に携わるのがSESの働き方ですから、納期に追われて長期にわたる残業が増えてしまうということは少ないでしょう。
しかし、あくまでも仕事は仕事ですから、成果物を完成させるために割り振られた労働時間内は責任をもって作業に従事する必要があります。
SESのデメリットについて
SESは収入が低い?
SESの給与体系はベンダーが決めます。そのため客先がいかに巨大企業でも、そこの正社員SEといったITエンジニアと比較した場合、SESの方が給与が低いことが多いです。
仮に同じ業務にあたっていたとしてもあまり変わりません。
また、納品義務といった責任がないため、残業が少ないというメリットも紹介しました。しかし、その反面、責任が少ないということは、給与を低く抑えられるといったデメリットが発生します。
特に二次・三次といった下請けや孫請け業務が多いSESは、給与が低くなる傾向があります。
環境の変動が激しい
SESは頻繁に業務を行う企業が変わるため、環境の変動が激しく、人間関係の構築が難しいといったデメリットがあります。
せっかく環境に慣れてきてもすぐにまた出向場所が変わるため、落ち着くことができません。
人によってはそれが強いストレスになることもあるでしょう。
立場が弱い
巨大な企業になるほどプロジェクトを立ち上げた場合は業務を細分化し、中小企業の層に業務を振り分けます。
そしてさらに下請けの層に仕事が振られ、業務の多重構造ができあがります。
SESが主に担っているといわれるのは業務の多重構造の中でも、下層の部分といわれています。
スキルの低いSESだと、誰でもできるような業務しかもらえないため、IT土方のように収入が低い、同じ仕事を繰り返すだけのキャリアも積めない状態に陥ることもあるのです。
誰にでもできる仕事は代えが容易にきくため、扱いが悪くなる傾向があり、充分な収入もないばかりか、キャリアアップも望めないというデメリットの連鎖があるので注意しましょう。
SESの将来と向いているタイプについて
フリーランスを目指している人
フリーランスに変わっても、多くの人がSESと同じようにクライアント企業のオフィスへ出向いて、そこで情報システムの開発や運用、保守などに従事していることが多いです。
つまり立場が変わるだけで、業務としてはあまり変化がないともいえます。
SESとして高い技術を持っているなら、フリーランスエンジニアとして働く方が高い報酬が見込めますし、やりたい業務を選べます。働く時間の割り振りも自分の裁量で決められます。
またフリーランスとしてやっていく自信がない人は、ファーストキャリアとしてSESを選び、力をつけてからフリーランスへ転向する道もあるでしょう。
未経験でIT業界を目指す人
IT業界は慢性的に人材が不足しています。そのような背景から、ITエンジニアとしての経験がない未経験者を採用している企業もあります。
しかし、スペシャリストが必要とされるIT業界だけに、いくら人手不足といっても未経験だと転職の壁は高いでしょう。
そのため、スキルを磨くことを目的にあえてSESいう形で働くというのもおすすめします。
SESになれば専門性の高い案件に触れる機会が多く、実務経験が積めて収入も同時に得ることが可能だからです。
また、SESから自社開発に携わっているようなIT企業のエンジニアに転職したい方は、転職エージェントの利用をぜひ検討してみてください。
特にギークリーはSESが活躍するIT業界などに特化した転職エージェントですから、SESの経験があれば自分に合致した仕事に出会える確率が上がるはずです。
最後に
SESはマイペースで働きたいという方や、エンジニアとしての知見を広げたい方におすすめです。
ITエンジニアとして高い目標地点に到達するためのジャンプ台に、SESという働き方を選ぶ人も増えています。
この記事で解説したメリットやデメリットなど参考にしていただき、自分にあった形でSESという働き方を考慮していただけると幸いです。
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