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アーキテクチャとは?本来の意味と業界ごとの意味を解説!IT業界の転職に役立つ使い方を例文付きで紹介!

IT業界でよく耳にする「アーキテクチャ(architecture)」という用語について、明確な意味を聞かれると戸惑う人は多いです。ここでは、アーキテクチャの本来の意味や語源、業界ごとに使われる言葉とその意味について解説していきます。

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「アーキテクチャ」本来の意味とは?

 

おしゃれな家

 

「アーキテクチャ」とは、英語でarchitectureと表されます。その意味は大きく分けて3つあります。

1つ目は、学問として総合建築を専門的に学ぶ「建築学」です。

2つ目は、「建築様式」「建築術」「設計思想」「構造」「構成」といった建築そのものに関する言葉として使われています。

3つ目は、「構築する」という意味から派生してIT業界で多く使われるようになった、ハード・ソフトウェアやシステムなどの設計概念です。

本来の意味では建築業界でのみ使われる言葉ですが、構造や構成・設計するという意味から、さまざまな業界で使われるようになりました。

語源として考えられているものは、ギリシャ語の「アルキテクトーン」。

そこから、ラテン語・フランス語を経由して英語の「アーキテクチャ」になったと言われています。

建築にかかわる複数の意味を持つ言葉ですが、いまでは他の業種でも多く使われている用語です。

どの業界で使う場合も、構造や構成・設計することなどを表すときに使います。

 

「構造」と「構成」それぞれの意味と使い方の違いを比較

 

構造

 

アーキテクチャの意味にある「構造」と「構成」は、似ているようで少し意味の違う言葉です。

ここでは、構造と構成の使い方の違いを分かりやすいように例文をあげながら説明していきます。

構造とは、全体を作り上げるひとつひとつの部品(パーツ)が、どのように組まれているのかという「仕組み」を表す言葉です。

【例文】

・自転車がどのような構造になっているか知りたい

「自転車(全体)から部品がどのように組まれて出来上がっているかに着目している」

これは、システムと言い換えることもできるので、IT業界でよく使われることがわかります。

 

構成とは、その物がどのような部品(材料)を組み合わせてできているのかを表す言葉です。

材料や部品(パーツ)をどのように形成して構築されているかということを表すときに使います。

【例文】

・自転車はフレームとタイヤ・チェーンなどのパーツによって構成されている。

「フレーム・タイヤ・チェーンなどの各部品から、自転車全体に着目している」

 

構造は「全体から部品をみる」そして、構成は「部品から全体をみる」ふたつの違いは、視点の違いということがわかります。

 

「アーキテクチャ」という用語が使われる業界・それぞれの意味

 

建築業界

 

工場の建築

 

アーキテクチャという言葉はもともと「建築学」「建築術」「構造」といった建築関係の用語なので、建築業界では一般的に使われている言葉です。

建築学は、総合建築を学ぶ専門的な学問です。人が集まり快適に生活していくための、建築物の構造や設計を学びます。

芸術的で使いやすいデザインを追求した設計思考、安全美しく環境にあった建築物を生み出すものです。

使う人や周辺の環境に合わせたやさしく暮らしやすい環境への配慮・思いを形にすることが建築業界でいうアーキテクチャです。

 

IT業界

 

ノートパソコン

 

IT業界では、システムの設計や構築という面で、建築と似ているというところから使われるようになった言葉です。

1964年にIBMが発表したSystem/360で初めてアーキテクチャという用語が使用されています。

その後、段階的に業界全体に広がっていき、現在ではIT業界で耳にしないことはないくらいに定着しています。

コンピュータの構造ハードウェアの設計ソフトウェアの設計などを指して使われている用語です。

 

自動車業界

 

自動車

 

自動車業界でもアーキテクチャという用語は日常的に使われます。自動車業界では、設計・設計思想という意味で使用されることが多いです。

年々進化し続けることで複雑さが増していく自動車に求められる斬新な設計思想を実現が求められています。

エコの観点からユーザーに人気のあるハイブリットカーや電気自動車に欠かせないのが電子制御の装置です。

そのクオリティの確保には、電子制御のアーキテクチャが用いられています。

 

経営・ビジネス全般

 

新聞を読むビジネスマン

 

経済・経営などビジネス全般にもアーキテクチャという言葉は使われてまいす。

「ビジネスアーキテクチャ」は、顧客や生産品などの物理的なものから、経営戦略経営理念という抽象的なものも論理的に表現する枠組みです。

「エンタープライズアーキテクチャ」は、10年ほど前から提唱されるようになったアーキテクチャです。

効率的にシステムの標準化・最適化を進めて、より効率のよい運営を進めることができる設計思想と言えます。

 

自動車業界のアーキテクチャ

 

青い自動車

 

自動運転システムのアーキテクチャ

 

現在開発中の高度な自動運転システムは、内部機器のシステム化と自動運転にかかわる装置の2つのユニットで構成されています。

自動車を運転するために必要なハンドル操作などの運転知識を制御する信号が高速で2つのユニットの間を通信することで、可能になる技術です。

自動運転システムの発展は、増え続ける交通事故を減らすだけでなく、渋滞の緩和・ドライバーの負荷の軽減など多くの期待を寄せられています。

そして、誰もが自由に好きな場所まで安全に移動できる手段の構築は、自動車産業だけでなく、その他産業の飛躍にもつながる画期的な技術です。

 

電子アーキテクチャ

 

最近の自動車には、数十個ものECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)が搭載されています。

それらが相互接続されることで、車のさまざまな機能がコントロールされるのです。

高い汎用性はあるものの、自動車メーカーごとに違う設計思想のすべてを吸収できてはいません。

そこで、より最適なプラットフォームを作り上げていくことが各メーカーの課題になっています。

 

IT業界で使われるアーキテクチャの種類と意味を詳しく解説

 

ソフトウェアアーキテクチャ

 

パソコンの言語

 

ソフトウェアを開発するときにとても重要になるのがこの「ソフトウェアアーキテクチャ」です。

ソフトウェアの開発時には、いま開発している環境のことだけでなく、予測できる未来の変化を取り入れていくことが大切です。

いまだけを見てソフトウェアを開発してしまうと、短命で終わってしまう可能性が出てきます。

なるべく長期間便利に使用できるようなものを作れるように、技術や市場ユーザーの変化を織り込んで設計していく必要があります。

 

エンタープライズアーキテクチャ

 

企業や組織を構成する人材をはじめとした資源の配置や、情報システムの最適化をすることで、効率を上げていく設計手法です。

組織や企業の規模が大きくなればなるほど、人材の偏りも大きくなります。

それを適正化することによって、作業効率を上げていくことができます。

また情報システムについても、企業内(組織内)で一括管理することで、無駄がなくなり誰もが利用しやすい環境を作ることができます。

 

システムアーキテクチャ

 

企業内で使用している情報システムなど、既存のシステムや、新規システムの設計を効率よく実装するために用いられる設計方法です。

ユーザーの要求を満たすだけでなく、設計・テスト・運用・セキュリティーのしやすさなど、システムを管理する人への配慮も必要になります。

システムアーキテクチャで求められるものは、システムを安定して稼働させるためのサイクルをしっかり見渡すことです。

そして、すべてが問題なくスムーズに進んでいくように全体を常に最適化するシステムの設計が求められます。

 

マイクロアーキテクチャ

 

コンピュータのCPU(マイクロプロセッサ)内部の回路の設計をして、コンピュータのメモリの部分にプログラムを実行させます。

プログラムを解釈する方法や、制御方式をさまざまに変化させ、製品の特徴に合わせた性能や機能の向上が可能です。

マイクロアーキテクチャの設計をするには、特殊な勉強が必要になります。

 

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アーキテクチャは文脈や状況によって指すものが変化する

 

クエスチョンマーク

 

「アーキテクチャ」という言葉は、とても多くの意味を持ちます。

そのときの状況や使われた場面の文脈になどよって、指し示しているものを自分で判断していく必要がある言葉です。

ハードウェア・ソフトウェアのどちらにも広く使われる言葉なので、的確に判断する必要があります。

 

IT業界で活躍できるアーキテクチャのプロフェッショナル

 

歯車

 

IT業界のシステムアーキテクチャでは、システムを一度構築したら誰もが使いやすい状態でキープされていることが大切です。

常に安定して稼働するシステムを、サイクルを見渡しながら、維持・管理していく必要があります。

企業内で扱っているシステムが複数あれば、重複している機能を統合したり、相互接続を可能にする作業も重要です。

システムを使うユーザーが常に使いやすい状態であるように、見直し設計し続けていくことが必要になります。

そこで企業から必要とされる人材は、経営戦略やシステムの設計の両面をサポートできる設計士の役割ができる人です。

例えば「ITスペシャリスト」と呼ばれる高いスキルを持っている人が、経営戦略のスキルも併せ持つと活躍の幅は大きく広がります。

システム開発の知識だけでなく、経営的視点からもシステムと企業内を見ていくことができるITアーキテクトはこれから需要の伸びる職種です。

 

まとめ

 

キーボードを打つ手

 

経営や産業関係・IT業界など、さまざまなビジネスの現場でよく耳にする「アーキテクチャ」。

この言葉の意味や、業界ごとの使われ方について解説してきました。

いまでは数多くの業種で使われているビジネスにとって欠かせない言葉のひとつです。

自動車業界を代表とする工業技術系では、新しいものを作り上げるモノづくりへの思いとして、アーキテクチャという言葉は使われます。

IT業界では1964年に使われ始めて以来定着している言葉なので、耳にしたことがあるという人はとても多いはずです。

ただ、聞いたことはあるけれど意味や内容まで詳しく知らなかったという人も多いでしょう。

これを機にアーキテクチャという言葉への理解を深めて、転職に役立ててみてはいかがでしょうか。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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