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フェムテックとは?ITで女性の社会進出を後押し!注目の領域を紹介します

フェムテックとは女性の健康を後押しする製品やサービスのことです。フェムテック産業では、例えば吸水ショーツや生理周期の予測アプリなど、多くの製品が生まれており、注目度が上がっています。本記事では特にIT技術を活用したフェムテックの事例を紹介します。女性の社会進出につながるフェムテックについて、理解を深めましょう!

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フェムテック(FemTech)とは

 

 

FemTech(フェムテック)とは造語であり、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせたものです。

デジタルヘルスの中枢を担ういち分野で、女性が抱えている主に健康面の課題を解決する製品やサービスのことをいいます。

関連する言葉として、女性の健康課題を解決するような製品・グッズを指す「フェムケア」があります。

 

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日本での取り組み

 

 

経済産業省によるフェムテック支援

 

経済産業省では、「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」という取り組みが行われています。

フェムテックを活用している企業に補助金を給付することで、次のようなメリットがあると考えられています。

・妊娠・出産・更年期等ライフイベントによる望まない離職を防ぐ

・企業の人材多様性を高める

・企業の価値創造につなげる

他にも、フェムテック企業と企業(女性を雇用する企業)、自治体、医療機関等が連携し、働く女性の健康の悩み等を解消するためフェムテックを活用したサポートサービスを届ける実証事業が推進されています。

参考:経済産業省『フェムテックを活用した働く女性の就業継続支援

 

世界初のフェムテック専用オンラインストアの開設

 

2022年に、世界初となるフェムテック専用オンラインストア「fermata store(fermata株式会社)」が日本で開設されました。

「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」としてフェムテック商品の販売はもちろん、企業支援や、イベント・コミュニティの運営を行っています。

 

フェムテック専門サロンのフランチャイズ展開

 

2021年に、日本でもフェムテック専門サロンのフランチャイズ「Feminityarch(フェミニティアーチ)」が展開を開始しました。

エステサロン・まつエクサロン・ネイルサロン・整骨院・クリニック・ジム等の既存店舗に「フェムテック商品」「専用機器」「フェムケア」の導入しています。

 

フェムテックのイベント開催

 

Femtech Fes! (フェムテック フェス)

fermata 株式会社が主催する「Femtech Fes!(フェムテック フェス)」は、2022年10月14日~16日に開催されました。

FemtechFes! は、世界中の最新フェムテック製品に直接触れることのできる、年に一回のイベントです。

 

Femtech Tokyo (フェムテック トーキョー)

RX Japan株式会社が主催する「Femtech Tokyo (フェムテック トーキョー)」が2022年10月20日~22日に開催されました。

女性のライフステージにおける様々な課題解決をめざす企業が一堂に出展する展示会です。

本展を開催することで、フェムテック・フェムケア関連製品を広く世に広め、女性の健康と活躍を社会全体がサポートする世界の実現に貢献することを目指しています。

第二回は2023年10月5日~7日に予定されています。

 

フェムテックジャパン

株式会社G-Placeが主催する「フェムテックジャパン」が、2022年12月8日に開催されます。

フェムテックは、巷でも話題に上がる事が増えているものの、まだまだ一般的には語られる事は少ないため、多くの人々に認知してもらうことを目的にイベントを開催します。

会場内では、フェムテック、フェムケア、女性の健康課題解決へ向けたセミナーも実施予定です。

 

フェムテックコレクション

合同会社DMM.comが主催する「フェムテックコレクション」が2023年2月15日~19日まで開催されます。

生理や妊活、更年期まで、各世代の女性に向けた製品・サービスを展開する企業がオンライン上にてブースを出展し、来場者は出展企業が提供する商品・サービスの情報を閲覧したり、著名人やフェムテック領域の有識者が登壇するオンラインセミナーを見ることができるオンライン型の展示会です。

 

大手企業の商品展開

 

イオンモールでのフェムテック専門店の開設や、ユニクロではフェムケアニーズに寄り添った商品の展開が行われています。

このように、日本でも急速にフェムテックの分野は広がりを見せているのです。

 

 

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フェムテックが注目される4つの社会背景

 

 

女性の社会進出

 

近年、女性の起業家が増えています。また少子化の影響もあり、女性の社会進出が増加傾向にあるのです。

このような社会背景から、自然と働く女性の悩みは大きな問題となってきます。

特に「性」についての悩み、生理やセックス等の話はデリケートなものでもありタブー視されてきました。

 

しかし近年テクノロジーの進歩により、女性が抱えていた悩みをデータ化するといった方法などで、解決策を提供しやすくなっています。

また女性のための女性によるビジネスが台頭していることも後押しし、フェムテックビジネスは隆興の兆しがあります。

 

MeToo運動含むフェミニズムの潮流

 

ハリウッドの有名女優達も名を連ねた女性の権利を訴えるMeToo運動は世界中で大きな話題になり、社会に大きな影響と変革の兆しを与えました。

より女性の意図や女性特有の悩みが汲み取られやすい社会に、変革しようという時勢へと流れているのです。

 

女性の体調不良による経済損失

 

経済産業省が2019年に調査したデータによりますと、例えば月経随伴症状(腹痛、腰痛、眠気、イライラ、便秘など)による1年間の社会的負担は6828億円という数字が出ています。

その中でも女性特有の身体的な悩み(労働損失と呼ばれる欠勤や労働量や質低下)による経済損失は4911億円にも及ぶとされています。

フェムテックにより女性特有の悩みを解決し、女性がより活躍しやすい社会の実現が求められています。

参考:経済産業省『健康経営における女性の健康の取り組みについて

 

テクノロジーの進化

 

近代のIT技術といったテクノロジーのめざましい進化により、これまで数値化が難しいとされていた生理的・身体的なデータなどが、スマートフォン等で手軽に可視化・記録できるようになりました。

IoTやAIの台頭なども、女性特有の健康課題を広く収集・解析し、解決へと導く要因となっています。

 

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フェムテックの7つのテーマと具体的事例

 

 

月経

 

月経、生理の悩みとは

月経、生理の悩みには月経困難症や月経前症候群があります。

 

・月経困難症:月経期間中に月経に伴って起こる精神的あるいは身体的症状。下腹痛、腹痛などのとう痛、悪心、嘔吐、下痢、頭痛などがあります。

 

・月経前症候群:精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下があり、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感なども含まれます。

また、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなども起こります。

 

以上のような症状は女性の労働のパフォーマンスを著しく低下させ、症状の重さによっては勤務を休まなくてはならなくなり、労働に大きな影響を与えます。

 

サービス事例

PMS(月経前症候群)の予測に役立ち、トラッキングができるClue(クルー)というアプリがあります。

また、働く女性には頼もしいサービスとして、月経周期、月経量に合わせてカスタマイズし、毎月生理用品を送ってくれるCora(コーラ)は生理に悩む働く女性には強い味方になるはずです。

その他、月経や生理に関する悩みを解決するサービスには吸収経血量を確認できるBluetoothタンポンや、より正確な基礎体温を測定できる膣内体温計があります。

 

不妊・妊活

 

不妊・妊活の悩みとは

近年の晩婚化に伴い、不妊治療および妊活を行う夫婦が増えています。

しかし労働によって妊娠しやすい期間に妊活が行えないといった悩みを持つ女性が多いのも事実です。

 

サービス事例

フェムテック市場の老舗LunaLuna(ルナルナ)は2020年に20周年を迎えた女性ヘルスケア市場の先駆者であり、月経管理スマホアプリをサービスとして提供しています。

 

生理日予測や排卵日予測時期といった女性のリズムに合わせた身体と心の指数など、多様な女性に合わせたサービスです。

このサービスを使用すれば、出張など活動的な業務はなるべく月経後に入れ、不調時を避けることも可能です。

 

ウェルネス(女性特有疾患)

 

女性特有疾患とは

子宮や卵巣、乳房などにかかる病気を女性特有の病気をウェルネス(女性特有疾患)呼びます。

妊娠・出産による異常分娩や早産・流産、帝王切開の他、子宮筋腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がんなども含まれます。

 

サービス事例

例えば乳がんについてですが、これは子宮がんと共に女性にとってもっとも身近な病の一つといえます。

早期発見・早期治療が求められる乳がんですが、検査が「痛い」「恥ずかしい」ということから発見が遅れてしまうことが難点といわれています。

 

そこで上記のような女性の声に対しての問題を解決すべく、株式会社LilyMedTechは痛みのない乳房用画像診断装置を開発しました。

同社の装置は乳がんの早期発見・乳がん検診率の向上を期待されています。

 

セクシャルウェルネス

 

セクシャルウェルネスとは

WHO(世界保健機関)の定義によれば、セクシュアルウェルネスとは 「セクシュアリティ」に対して身体的、感情的、精神的、社会的にも健康な状態であることをいいます。

つまり端的に言うと「性の健康」のことを指します。

セルフプレジャーや膣トレなどのセルフケアは決して恥ずかしいことではなく、性の健康を維持するためには必要という概念なのです。

 

サービス事例

セクシャルウェルネスにおけるサービス例としては以下のようなものがあります。

・デリケートゾーン専用ケアアイテム
・セルフプレジャーアイテム
・性交痛軽減ジェル
・膣トレアイテム

 

例えばアプリ連動型デバイスElvieを例にとると、これは骨盤の底の位置にあり排せつをコントロールしたり直腸や膀胱、子宮を支えるなど重要な役割を果たしている骨盤底筋を鍛えます。

骨盤底筋を鍛えることで、尿失禁防止、円滑な出産(会陰が柔軟になるため産みやすくなる)、性的満足度向上、ダイエット、骨盤の歪み改善などが見込めるといわれています。

 

女性のメンタルヘルス

 

 女性のメンタルヘルスとは

主に女性のメンタルヘルスで問題となっているのが不安とうつです。

また、パニックや過換気症候群などの不安障害や毎月の月経関連の苦痛、育児ノイローゼ、更年期障害などに見られるうつ病などです。

 

サービス事例

女性のメンタルヘルスを解決するサービス事例としては、陣痛をやわらげるVRセラピーや、パートナー男性もふくめて妊娠中・産後うつの早期発見に取り組むことができるスマホアプリがあります。

その他、女性特有の病気についてオンラインで医師に相談できるチャットサービスなどもあります。

 

妊娠・産後

 

妊娠・産後の悩みとは

女性にとって妊娠中は特に精神的な不安が大きく、産後は精神的なものに加えて産後に膣の筋力が戻らない人や、尿もれしてしまうといった身体的な悩みを抱える人も多いです。

 

サービス事例

妊娠中の悩み解決には妊娠や子育てに特化したスマホアプリのサービスがあります。

例えば『ninaru(ニナル)』というスマホアプリには、以下の機能が搭載されています。

・産婦人科医監修の妊娠出産育児のお役立ち情報が毎日配信される
・週数に合わせた記事をまとめ読みできる
・記事数なんと3500以上の気に入った記事を保存できる
・先輩ママのリアルな体験談が充実している

妊娠中から産後の子育てまで長く利用できるサービスです。

 

また、産後に尿もれしてしまう人には、スマートフォンと連動した膣トレが可能なデバイスがおすすめです。

こういった製品の特徴としては、膣圧を感知するセンサーと連動し、スマートフォンに骨盤底筋のトレーニング度合いが表示される仕組みです。

 

女性の更年期

 

女性の更年期とは

更年期の症状とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を指します。

この期間に女性ホルモンの分泌量が大きく減少し、下記のような症状が現れます。

 

更年期の症状の例
  • 血管の拡張と放熱に関係する症状…ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など
  • 身体症状…めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ
  • 精神症状…気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠

 

こういった症状はもちろん個人差がありますが、症状が出ると会社を休んだり、休職する人がいます。

中には症状に悩み栄転や昇進を見送る人、退職する人も出てきているのです。

 

サービス事例

女性の更年期障害に対するサービスとして一般的なものに下記のものがあります。

・更年期の様々な不快症状を緩和するテクノロジーサービス

・医療相談チャットサービス

・膣の乾燥をケアするウェアラブルデバイス

 

その他、更年期女性の健康問題の解決や、支援に取り組むWEBサイトやスマホアプリサービスの他に専門のオンラインストアサービスもあります。

専門のオンラインストアなどではデリケートゾーンの洗浄剤、腟マッサージにも使える保湿剤(オイルやジェル、ローション)、高機能の尿もれパッドやショーツなども揃っていて便利です。

 

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フェムテックの市場規模

 

 

2027年までに約138兆円規模に拡大

 

「フェムテック」という言葉が2021年の新語・流行語大賞にノミネートされたことからも、これまで以上に注目を集めていることが分かるフェムテック業界ですが、市場規模の拡大にも期待が集まっています。

実際に、フェムテック領域の先駆けであるNPO団体・Femtech Focusや女性の健康とウェルネスに特化したVC・Coyote Venturesが、フェムテック市場は2027年までに1兆1860億ドル(約138兆円)の市場規模に成長すると予測しています。

2025年までには市場規模が5兆円に到達するとの見通しもされていることから、市場規模の拡大は急速に進んでいくことが考えられます。

 

認知度は3.8%アップ

 

2022年時点での「フェムテック」の認知率は5.7%と言われています。

これは2021年の1.9%から3.8%アップしており、徐々にではありますが認知率も上がっていると見ることができます。

 

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フェムテックの今後の課題

 

 

プライバシー保護

 

性別という大変センシティブな悩みを取り扱う特性上、情報の漏洩によって心に深い傷を負ってしまう方が現れる事も考えられます。

そのため、プライバシーの保証は大きな課題と言えそうです。

 

フェムテックという名前

 

そもそも「フェムテック」という名前が「Female」=「女性」を現すとして、トランスジェンダーの排除にと捉えられてしまうのではという指摘の声も出て来ています。

男女二元論とつながる事を不安視する見方もあり、どのような位置づけで広まって行くか、広めて行くかも課題になりそうです。

 

社会的な受容

 

社会的な受容性が低い事で、事業として活発化する機会が減ってしまいます。

商品の品質の安全性や、信頼性の明確な基準が確立するまでは起業家からの投資を受けづらいからです。

資金調達のハードルが高くなれば、事業としての発展への課題にもつながります。

 

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まとめ

 

 

以上、主にフェムテックについて紹介してまいりました。

フェムテック分野の進歩によって女性の働きやすい環境が保たれ、労働力が増加するばかりではなく、新しい市場が誕生しました。

フェムテックには血液を送ることで生理日や卵巣の状態を把握できるといったサービスや、スマホアプリで体調管理ができ、労働に支障をきたさないようにできるといった多くのメリットが存在します。

女性特有の健康問題とIT技術とが結びつき、市場拡大や女性の社会進出によって経済の活性化を促すといったフェムテックは今後も目が離せない注目の分野といえます。

 

IT・Web・ゲーム業界に強みを持つ株式会社ギークリーでは、フェムテックにご興味がある方のご支援も行っております。

転職や情報収集をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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