プロンプトエンジニアになるには?未経験でも転職しやすいスキル4選
この記事では、プロンプトエンジニアに転職する方法について解説します。プロンプトエンジニアは、生成AIがより意図通りに動くように最適な入力(プロンプト)を設計・調整するエンジニアです。必要なスキルを把握して未経験からの転職を成功させましょう。
目次
プロンプトエンジニアとは
まずは、「プロンプトエンジニアとは何か」について以下解説します。
- ・「プロンプトエンジニアリング」に特化したエンジニア
- ・プロンプトの4要素
- ・プロンプトエンジニアとプログラマーの違い
- ・向いている人の特徴
プロンプトエンジニアになるために、基本的な情報を押さえておきましょう。
「プロンプトエンジニアリング」に特化したエンジニア
プロンプトエンジニアとは、ChatGPTのようなAIが最適な答えを返すように、プロンプトと呼ばれる指示文を開発・改良する(プロンプトエンジニアリング)エンジニアです。
質問によってAIから得られた情報を評価し、何度もAIとやりとりを繰り返すことが求められます。
商品紹介やチャットボットなど、さまざまなシーンに合わせて最適なテキストを自動生成できるようにAIを調教するのが仕事です。
プロンプトの4要素
そもそもプロンプトとは、コンピューターやAIに出す指示のことです。
ChatGPTであれば、入力するテキストがプロンプトに該当します。
プロンプトには、次の4つの要素が必要です。
- 指示(Instruction):モデルに実行してほしいタスクの命令
- 文脈(Context):モデルの回答精度を向上するための追加の外部情報・背景
- 入力データ(Input Data):応答を求める質問・入力
- 出力形式/出力指示子(Output Indicator):出力タイプ・フォーマット
プロンプトエンジニアとプログラマーの違い
プロンプトエンジニアとプログラマーでは、開発の目的や使用言語に大きな違いがあります。
プロンプトエンジニアは、AIが最適な答えを返すようなプロンプトを開発する、自然言語を用いた文章作成に特化したエンジニアのこを指します。
一方でプログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書に基づいて、プログラミング言語を用いてシステムやソフトウェアを開発する人のことです。
自然言語を用いてAIに送る命令文を作成する仕事をプロンプトエンジニア、プログラミング言語を用いてシステムを開発する仕事をプログラマーと覚えておきましょう。
プロンプトエンジニアに向いている人の特徴
IT業界は数学的な知見や思考が必要とされることが多く、文系の能力よりも重視されがちです。
しかしプロンプトエンジニアの適性は言語能力に大きく影響されると言われています。
なぜなら、求められるアウトプットに適したプロンプト設計を行うためには正確な定義が重要であり、そのために必要なのは言語能力であるためです。
よりよい回答は、高い言語能力が導く簡潔な表現や適切な形容詞によって導かれます。
プロンプトの改善には言語で表現する力が優れた方がその力を発揮できる仕事であり、プロンプトエンジニアに向いている人は、AIの知識を保有しているだけでなく文章能力が高い方です。
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プロンプトエンジニアに未経験でなれる?転職するための3STEP
ここでは、未経験からプロンプトエンジニアを目指す方が何をすればいいのかについて、3つのステップで解説します。
- プログラミングの知識をつける
- 実際にプロンプトを生成してみる
- ポートフォリオを作成する
これらの工程のなかで、おすすめの資格も取得しておくことでより転職に役立つでしょう。
①プログラミングの知識をつける
プロンプトエンジニアを目指すなら、読み書きできるレベルにまでプログラミングの知識をつけるのも忘れないようにしましょう。先述した通り、プロンプトエンジニアは自然言語処理の実装なども行う可能性があるためです。
自然言語処理やPython、Java、C++といったプログラミング言語は必ず抑えておくとよいでしょう。また、統計やアルゴリズム周辺の知識を身につけることもプロンプトエンジニアになるうえで役に立ちます。
未経験からプログラミングを学ぶなら、「プログラミングスクールに通う」「競技プログラミングに挑戦する」といった勉強法がおすすめです。以下、それぞれ詳しく解説します。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールでは、授業形式や課題形式など、さまざまな形式で体系的にプログラミングを学ぶことができます。
最近では、完全オンラインで好きな時間に授業が受けられるプログラミングスクールもあるため、仕事の合間にプログラミングを学ぶことが可能です。
プロンプトエンジニアに結びつけたいなら、Python、Java、C++といった言語を学べるプログラミングスクールを選びましょう。
競技プログラミングに挑戦する
競技プログラミングとは、参加者が特定の課題に対して一斉に取り組み、回答の正誤性やスピードなどさまざまな観点から順位やレベルを決めるイベントです。
自分のレベルや上達具合を可視化できるので、プログラミングスクールに通いながら、さらに実力を高めていきたい方にうってつけの学習方法となっています。
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②実際にプロンプトを生成してみる
まず、実際にChatGPTのようなAIにツールに触れ、プロンプトを作ることから始めましょう。プロンプトの作成ができなければ、そもそもプロンプトエンジニアとして働くことはできないためです。
AIツールを用いて実際にプロンプトを作成する中で、どのような特徴をもつのか、どう質問すればどう回答するかといったクセを見つけていきましょう。
③ポートフォリオを作成する
身につけたスキルを活かして、ポートフォリオを作成しましょう。
その際、どうプロンプトを工夫して成果を引き出したかが伝わるようにすることが大切です。
プロンプトの試行錯誤や比較検証を記録する、結果をスクリーンショットで残す、ChatGPT、Claude、Gemini、Midjourneyなど、どのモデル・バージョンを使ったかも明記するようにしましょう。
未経験者は、「プロンプト設計サンプル集」として、FAQ自動応答プロンプトやWebコンテンツの構成案生成プロンプトなどの構成がおすすめです。
プロンプトエンジニアの求人例
ここでは、実際の求人例をもとにプロンプトエンジニアに転職するための情報について解説します。
- ・【求人例】AIチャットボットサービス開発の求人情報
- ・プロンプトエンジニアの求人検索のコツ
- ・自分に合う求人の探し方
プロンプトエンジニアの求人のなかでも、自分の希望に合った求人を見つけましょう。
【求人例】AIチャットボットサービス開発の求人情報
DXを活用した戦略コンサルティングから開発・運用までを提供する企業です。
ChatGPTのようなAI サービスを推進し、より生産性の高いサービスを作り上げることをミッションとし、ITサービスをトータルサポートするビジネスモデルが好評で、創業以来、業績を伸ばしながら成長を続けています。
完全実力主義で、実力に応じて年収アップも実現できる環境です。
【年収】
350~600万円
【仕事内容・求められるスキル】
ChatGPTを用いたビジネス活用方法の調査と資料作成、プロンプトテンプレートの作成・改善・調整など最適化を行う。
過去の案件事例には、オンラインクレーンゲームシステム、ライブ配信、ライブコマース技術システム、新電力システム等、多様な案件があり、幅広くスキルや経験を活かすことができる環境。
生産性向上のために知見を活かす自主性が求められる。
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プロンプトエンジニアの求人検索のコツ
プロンプトエンジニアの求人を探す際のコツとして、自分のこれまでの経験を活かせる求人や評価されやすい企業を選ぶことが挙げられます。
生成AIの業務活用が進む近年では、プロンプトエンジニアが求められているのはIT業界にとどまりません。例えばマーケティング業界や教育業界、金融業界、Webやメディア業界など、その需要は多岐にわたります。
業界経験があれば、即戦力として需要が高いでしょう。
また、職種名が「プロンプトエンジニア」ではなく、「LLM開発支援」「LLMアプリケーションエンジニア」「生成AIエンジニア」「ナレッジエンジニア」などもプロンプトエンジニアリングを扱う職種です。
職種名ではなく業務内容に注目することで、自分の希望に合った求人が見つけられるでしょう。
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プロンプトエンジニアの具体的な仕事内容
プロンプトエンジニアの主な仕事内容は、プロンプトを作成することです。
その他にも次のような仕事をプロンプトエンジニアが担います。
- ・プロンプトの設計・開発
- ・AIモデルの分析
- ・プロンプトの改良
以下、詳しく解説します。
プロンプトの設計・開発
主な仕事内容の1つめは、ユーザーのニーズに沿ったプロンプトの設計です。
ユーザーの満足度向上を目的とし、サービスや消費の売上アップに貢献します。
カスタマーサポートの業務軽減にも役立つ業務です。
AIモデルの分析
2つめは機械学習を用いてAIモデルを分析することです。
あらゆるプロンプトを用いて言語モデルのテストを行う必要があります。
この際、膨大なデータはもちろん、ユーザーのフィードバックも考慮します。
プロンプトの改良
3つめは、開発したプロンプトの改良です。
生成結果の検証・評価にもとづいた改善に加え、システムのアップデートなどのタイミングで継続的に調整を行います。
このようにしてプロンプトの最適化を担うのもプロンプトエンジニアの仕事です。
プロンプトエンジニアに求められるスキル4選
次に、プロンプトエンジニアに求められるスキルについて解説します。
- ・AIについての知識
- ・自然言語処理(NLP)についての知識
- ・ドメイン知識
- ・プログラミング知識
未経験からプロンプトエンジニアへの転職を考える方は、これらの経験があれば積極的にアピールしましょう。
AIについての知識
プロンプトエンジニアとして仕事をするなら、絶対条件としてAIについての知識が必要です。
AIがどのように学習し、どう答えを導くかといった知識がなければ、AIから必要な情報を引き出すためのプロンプトを作成できません。
具体的には、ChatGPTの言語処理の仕組みや、深層学習モデルや強化学習といったアルゴリズムへの理解が求められます。
自然言語処理(NLP)についての知識
プロンプト エンジニアを目指すなら、自然言語処理(NLP)に関する知識も必要です。
自然言語処理(NLP)とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる技術のことで、AI が回答を生成する際に使われます。
もし、プロンプトエンジニアが自然言語処理(NLP)に必要な文章の構造を理解していなければ、スムーズに自然言語処理を行なえません。求めている回答を得られない可能性があるので注意しましょう。
ドメイン知識
プロンプトエンジニアには、ドメイン知識も必要です。ドメイン知識とは、特定の業界・業種に特化した事業の知見・情報のことを指します。
プロンプトエンジニアにドメイン知識が必要なのは、課題に対して専門性を持ったうえで、技術とドメイン知識を駆使して解決策を導き出すことが求められているためです。
AIを使って企業の課題を解決するためには、その企業の事業や業務について説明できるレベルにまで知っておく必要があるので、必ずドメイン知識は身につけなければなりません。
プログラミング知識
プロンプトエンジニアとして働くなら、Aiを形作っているプログラミングの知識も必要です。
自然言語処理(NLP)技術の実装や、フレームワークとの連携でプログラミング言語を用いる場合があるためです。
プロンプトエンジニアには、PythonやJava、C++といったプログラミング言語を読み書きできるスキルが必要になってきます。
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プロンプトエンジニアになるためにおすすめの資格
プロンプトエンジニアを目指すなら、AIエンジニアリングに関わる資格を取得するのもひとつです。
AIエンジニアに関する資格取得のために勉強することで、自然と深層学習モデルや強化学習といったアルゴリズムを理解できるようになります。
- ・Python3エンジニア認定基礎試験
- ・Python3エンジニア認定データ分析試験
- ・G検定
プロンプトエンジニアになるために必須の資格はありませんが、実務に役立つ資格として、上記の資格がおすすめです。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、「Pythonエンジニア育成推進協会」が開催する、国内で唯一のPythonに関する資格です。
Pythonの基本的な使い方や仕組み、文法などの知識が問われ、正答率70%以上で合格となります。
合格するためには、Pythonの基本的な文法や制御構文、オブジェクト指向プログラミングなど、Pythonを用いた知識・スキルを身につけることが大切です。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonの基礎的な文法や数学の基礎知識のほかに、データ分析などの知識・スキルが求められる試験です。
試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、40問の選択式問題で構成されています。正答率70%以上で合格です。
合格するためには、Pythonの基礎的な文法やデータ分析のスキルを基礎から応用まで幅広く学習し、実践的な問題に取り組むことが重要です。
G検定
G検定(ジェネラリスト検定)とは、深層学習モデル(ディープラーニング)を事業に生かすために必要な知識を保有しているかどうかを確認するための試験です。
日本ディープラーニング協会(JDLA)が提供する民間の試験で、合格率は約65%と比較的高め。試験では、ディープラーニングや機械学習、人工知能の技術に関する知識が問われます。
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プロンプトエンジニアの将来性と年収
国内の求人案件では、プロンプトエンジニアの年収は300万円代から700万円ほどと幅があるようです。この差は、経験や企業規模などによって生じていると考えられます。
AIの安全性と研究を行うアメリカのAnthropicという機関では、年収約4,500万円でオファーがあるなど、プロンプトエンジニアは市場価値の高さが特徴です。
その理由として、AI技術の急激な進化と、それに伴う人材不足が挙げられます。
多くの企業がAI技術を活用して競争優位を築こうとする一方、専門的なスキルや資格をもつ人材の供給が追いつかず、1人あたりの単価向上につながっている状況です。
総務省によると、AI市場は2030年まで緩やかな加速度的成長が予測されています。
日本においても、2027年には1兆1,034億7,700万円まで拡大するとの予測であり、AI関連の職種は需要が高まるでしょう。
(参考:総務省『情報通信白書令和5年版』)
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プロンプトエンジニアのキャリアパス
最後に、プロンプトエンジニアが目指しやすいキャリアパスについて解説します。
- ・AIエンジニア
- ・データサイエンティスト
プロンプトエンジニアに転職したい方は、その後のキャリアの選択肢を知っておくことも大切です。
AIエンジニア
AIエンジニアは、ビジネス上で求められる課題をAIの専門知識や技術によって解決する職種です。
機械学習やディープラーニングを活用しながら、データの学習や分析を行い、最適なAIを構築します。
プロンプトエンジニアとして働く中で、AIの仕組みやアルゴリズムについて理解を深められる機会が多々あります。そのため、プロンプトエンジニアの経験を積めば、AIエンジニアとしてもキャリアを歩むことが可能です。
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データサイエンティスト
データサイエンティストとは、アルゴリズムや統計など情報科学理論を活用してデータを分析し、課題を解決する職業です。ビッグデータなどから必要な情報を収集、抽出してビジネス改善に向けた計画を考えます。
プロンプトを用いてAIと何度もやりとりする中で、統計について理解を深める機会が多々あります。そのため、プロンプトエンジニアとして経験を積めば、データサイエンティストとしても活躍できるでしょう。
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プロンプトエンジニアを目指すなら転職エージェントに相談しよう
AIから望ましい回答を得るために指示を最適化するスキルをプロンプトエンジニアリングといいます。
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「エンジニアとして生成AIに携わりたい」
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