ITILファンデーション資格の難易度と対策!取得のメリットは?
ITILファンデーションはITサービスマネジメント(ITSM)に関する資格です。取得することでマネジメントの基礎知識を習得できるため、情シスなどのエンジニア、ITコンサルタントなどの仕事に役立ちます。試験の難易度と対策、取得後のメリットについても解説しますので、参考にしてください。
目次
ITILとは
まずは国際資格であるITIL(アイティル)について解説します。
ITILとは、ITサービスマネジメントの成功事例がまとめられた書籍に関する知識を問う試験です。
資格を取得することで、ITサービスマネジメントについての考え方がまとめられた書籍群を通して、世界標準のフレームワークを身につけていることが証明できます。
なお、ITIL3は2023年7月31日をもって終了し、「ITIL® Foundation Version 4」が提供されています。
ITシステム運用管理のフレームワーク
ITILとは「Information Technology Infrastructure Library」の略称で、ITサービスマネジメントに関する指標です。
イギリスの政府機関から出されたITシステム運用管理のフレームワークを指しています。
ファンデーション、スペシャリスト、ストラテジスト、リーダー、マスターの5段階のレベルがあり、本記事ではファンデーション資格について解説します。
ITサービスマネジメントの成功事例
現代生活でが必須となった、ITシステムの安定稼働に必要な運用管理業務の全般を指しているのがITサービスマネジメントです。
IT部門や情報システム部門が担当する、ITサービスが安定して利用できる状態を維持することがITサービスマネジメントであり、サービスの導入から運用、維持管理にあたり必要となる活動の全工程が含まれます。
ITILはITサービスマネジメントのベストプラクティス集として、成功事例がまとめられた書籍群です。
ITILファンデーションは入門認定資格
ITILファンデーションはITILの5段階のレベルのうち、入門認定資格に該当します。
入門レベルであっても、日本国内のみならず、世界共通で認定される資格です。
ランクアップするためにはITILファンデーション合格と、各モジュールの認定研修を修了後に上位資格の試験を受けて合格する必要があります。
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ITILファンデーション資格の受験概要
申し込み方法
申し込み方法は2通りあり、「プロメトリック」や「ピアソンVUE」のサイトを利用します。
ピアソンVUEではITIL4ファンデーション試験日本語版は提供されていないため、日本語での受験を希望する方はプロメトリック社のバウチャーを認定パートナーより購入する必要があります。
バウチャーとは、受験に必要なチケットです。
プロメタリック社のサイトでID作成後に、予約画面にログインすることができます。
受験料
ITILファンデーション試験を受験するためのバウチャーは、5~7万円が相場です。
各認定パートナーによって価格が異なるため、最新の情報を確認することをおすすめします。
問題形式及び試験時間
ITILファンデーションでは、4択の中から適切な回答を1つ選ぶ、四肢択一になっています。
なお、CBT(Computer Based Testing)方式を採用しているため、回答はコンピューターで行います。
出題される問題数は40問で、試験時間は60分です。
合格点及び発表
ITILファンデーションは正答率65%以上を以って合格となるため、40問中26問以上正解が合格ラインです。
なお合格発表は試験が終わり次第即時行われます。
ITILファンデーションは合格時点から3年間有効であり、有効期限を過ぎても資格情報は失効しませんが、上位資格の受験資格として認められなくなる可能性があるため注意が必要です。
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ITILファンデーション資格の難易度
難易度は高くない
ITILファンデーションは入門レベルに位置付けられているため、他のIT関連資格と比較しても難易度は低めの設定です。
難易度のレベルは、IT系国家試験の入門レベルとされるITパスポートと同等といわれています。
なおITパスポートの合格率は約50%で、最年少合格者は2022年当時7歳の小学生です。
合格率は平成28年度のITパスポート試験が参考になる
ITILファンデーション資格の合格率は非公開ですが、「ITパスポート<ITILファンデーション>」として試験が実施された平成28年度のITパスポートの合格率が参考になります。
この試験の合格率は48.3%でした。
ITパスポートの合格率とほぼ同じ水準であることからも、難易度の参考になるでしょう。
合格者は2人に1人という結果であり、難易度の設定は決して高くはないものの、十分な対策が必要であることがわかります。
必要な勉強時間は20時間前後
ITILファンデーションのシラバス(出題範囲)は、試験を管理しているイギリスのAXELOSの公式サイトで公開されています。
AXELOSに公開されているシラバスには項目ごとに概ね必要とされる勉強時間が併記されており、合計すると概ね20時間前後です。
独学なら2週間、ゆとりをもって対策する場合は1ヶ月前後をみておくとよいでしょう。
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ITILファンデーション資格の対策方法
ITILファンデーションの対策方法は研修コースの受講と独学の2種類です。
対策方法次第では短期間で対策を行うことになる場合があります。
研修コースの受講
短期間で対策を行う場合によく利用されるのが研修コースの受講です。
研修コースの特徴として、研修と試験がセットになっている場合が多いことです。
コースによって、研修は試験を含めて2日程度で完了するものもあります。
事前学習を一通りした場合であれば1日、夜間のみであれば3日ですが、短期間で取得したい方には便利でしょう。
講師はITILファンデーションの有資格者も多く、実務経験を踏まえながら教えてもらえるため、理解が深まりやすい点がメリットです。
ただし、費用が高額になる場合もあるので確認しましょう。
ITILファンデーションの研修コースは会社負担で行われるケースもあるため、併せて確認しておくとよいでしょう。
独学
ITILファンデーションの対策は独学でも可能です。
独学の場合は、ITILファンデーションの対策用の参考書を活用しましょう。
ITILファンデーションの参考書は黄色本と呼ばれており、ITILの基礎から応用までカバーしています。
また、章ごとのチェックテストや模擬問題も組み込まれており、ボリュームに問題はありません。
AXELOSで公開されているシラバスを参考に学習を進めるとよいでしょう。
低コストで抑えられるメリットもある一方で、期間やモチベーションを自分で管理しなければならないため、仕事や生活リズムとあわせて選択することが大切です。
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ITILファンデーション資格のメリット
ITILへの理解とスキルの証明
ITILファンデーションの有資格者であるということは、入門段階とはいえどもITILについて理解していることの証明になります。
ITサービスマネジメントに関する知識やスキルを証明できるということです。
そのため、実務においてエンジニアや顧客などと円滑にコミュニケーションを取りやすくなります。
世界共通の資格であるため、日本国外でも適用されます。
転職活動で採用されやすくなる
転職活動時にもITILファンデーション資格はアピールポイントとして役立ちます。
職種によってはITサービスマネジメントの考え方が必須とされるものもあるため、ITILの基礎を理解してから転職活動に挑むことで、学習意欲や成長意欲も評価されやすいでしょう。
なお、ITILファンデーションの有資格者であることが採用の前提条件となっている企業も増えています。
資格が役立つ職種
ITILファンデーション資格は、以下のような仕事・職種に役立ちます。
・情シス(情報システム)
・システムエンジニア
・インフラエンジニア
・ITコンサルタント
いずれもITサービスマネジメントの観点が求められるものであるため、転職時にITILファンデーションの資格保有者は重宝されやすいでしょう。
企業側のメリットも
ITILファンデーション資格保有者を採用することで、企業にも次のようなメリットがあります。
売上への貢献
企業はITサービスの品質向上から顧客満足度の向上に繋げる必要があります。
そのため、売上や利益率の上昇への貢献がITILファンデーションの有資格者に期待されています。
ITサービスのコストカット
ITサービスマネジメントを行う上で求められる役割はITサービスの拡充だけではありません。場合によってはITサービスにかかるコストの削減も求められます。
そこでITILファンデーションの有資格者が期待されているのが、これまでのIT関連業務の改善と効率化を図る役割です。
企業への信頼と安定した利益率の実現
売上や利益率の向上と同時に求められのがITシステムの安定です。その安定を確実なものとするのに欠かせないのが、企業の顧客に対する信頼です。
信頼獲得のために、ITILファンデーションの有資格者にはプロジェクトの成功率を向上させることが期待されています。
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ITILファンデーションに合格して転職を有利に進めよう
ITILファンデーションの資格を所持していると、転職を有利に進められる可能性が高まります。
ファンデーションレベル取得後に、さらに上位資格の取得を目指すことで、キャリアアップや年収アップにも繋がりやすいでしょう。
まずはITILファンデーションに合格して転職活動での強みを用意し、その強みを活かせる会社に転職しましょう。
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