
年収とは?手取り・所得・額面との違いや総支給額の確認方法
年収(額面)とは、基本給に各種手当やボーナスを合計した1年間の「総支給額」のことであり、そこから税金や社会保険料が差し引かれて実際に手元に残る金額が「手取り」です。
「求人票の想定年収と、今の自分の年収は正しく比較できているだろうか?」「年収アップを狙いたいけれど、手取りがいくら増えるのかイメージが湧かない」と、お金に関する疑問や不安を抱えていませんか?
転職活動において、自分の正確な年収を把握することは、希望条件を提示し選考を有利に進めるための基本です。
本記事では、年収をすぐに確認できる4つの方法や計算手順、転職時に損をしないための活用タイミングを徹底解説します。
この記事のまとめ
- 年収=総支給額=額面で、所得は年収ー控除額、手取りは年収ー所得をもとに計算された税金と保険料で、実際に手元に残る金額を指す。
- 転職においては、条件交渉や入社手続きに際して正確な年収の情報が必要になる。
- 年収を確認する方法は、給与明細などの書面のほか、計算する方法もある。
目次
年収とは?手取り・所得・額面との違いをわかりやすく解説
年収という言葉は手取りや所得といった類似の言葉と混同されがちですが、それぞれ異なる意味合いを持ち、使われる場面も異なります。自身の経済状況を把握し、将来設計を立てる上で、正確な意味を理解することは欠かせません。
- 年収とは1年間の総支給額のことを指す
- 手取りとの違い
- 所得(給与所得)との違い
- 額面との違い
ここでは、それぞれの言葉の定義と違いを明確に解説します。
年収とは1年間の総支給額のことを指す
年収とは、一般的に1月1日から12月31日までの1年間に、雇用主である会社から従業員へ支払われた給与の総額を指します。毎月支給される基本給のほか、時間外労働に対して支払われる残業代やボーナス(賞与)なども含まれます。
年収を理解する上で特に重要なポイントは、税金や社会保険料などが天引きされる前の金額であるという点です。
所得税・住民税などの税金や、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料は、会社が従業員に給与を支払う際にあらかじめ年収から差し引かれます。
そのため、実際に銀行口座に振り込まれる金額(手取り額)は、年収よりも少なくなるのが一般的です。
手取りとの違い
手取りとは、年収(総支給額)から所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料といった税金・社会保険料が差し引かれ、実際に自分の銀行口座に振り込まれる金額のことです。
一般的に可処分所得とも呼ばれ、自由に使えるお金のことを指します。
年収が同じでも、扶養家族の有無などによって控除額が変動するため、手取り額は人によって異なります。年収は「全体の総額」、手取りは「実際に使えるお金」を示す指標と覚えておくと分かりやすいでしょう。
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所得(給与所得)との違い
所得とは、年収(総支給額)から必要経費を差し引いた金額を指します。
会社員の場合、この必要経費として給与所得控除が認められています。つまり、会社員の所得は「所得(給与所得) = 年収 - 給与所得控除額」という計算式で求めることが可能です。
所得は、主に所得税や住民税といった税金の額を計算する際の基礎となります。税金を計算するためのものさしが所得であると理解しておくとよいでしょう。
額面との違い
額面(がくめん)とは、給与明細に記載されている総支給額のことです。
基本給や各種手当などを全て合計した天引き前の金額を指します。つまり、「月収の額面」と「年収(総支給額)」は同じ意味で使われることが一般的です。
年収が1年間の総支給額を指すのに対し、額面は月単位の総支給額を指す場合が多いという違いはありますが、どちらも税金や社会保険料が引かれる前の金額である点は共通しています。
したがって、年収と額面年収は、本質的に同じものを指していると考えて問題ありません。
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年収はどうやってわかる?確認方法4つ
自身の正確な年収を把握するためには、公的な書類を確認するのが確実です。給与明細の単純な合計では、計算に含めるべきでない手当が入ってしまう可能性もあります。
ここでは、信頼性の高い4つの年収確認方法を紹介します。
- ①源泉徴収票で年収を確認する方法
- ②確定申告書の控えで年収を確認する方法
- ③給与明細で年収を計算する方法
- ④市区町村の課税証明書・所得証明書で年収を計算する方法
いざという時に慌てないよう、それぞれの書類の入手方法や確認すべきポイントを理解しておきましょう。
①源泉徴収票で年収を確認する方法
簡単かつ正確に年収を確認できるのが源泉徴収票です。
源泉徴収票は、会社が1年間に支払った給与総額や、徴収した所得税額などを記載した書類で、通常は毎年12月か翌年1月の給与明細と一緒に従業員へ交付されます。
源泉徴収票の中の「支払金額」という欄に記載されている金額が、税金や社会保険料が引かれる前の年収にあたります。
②確定申告書の控えで年収を確認する方法
個人事業主の方や、副業収入が年間20万円を超える会社員、医療費控除などを受けるために確定申告をしている方は、確定申告書の控えでも年収を確認できます。
確定申告書には第一表と第二表がありますが、年収(給与収入)が記載されているのは第二表です。
確定申告書 第二表の「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」という欄の「収入金額」に記載されています。
③給与明細で年収を計算する方法
手元に源泉徴収票がない場合、毎月の給与明細を12ヶ月分合計することでも年収の概算を出すことが可能です。各月の給与明細に記載されている「総支給額」を1年分(1月〜12月)足し合わせ、さらにボーナス(賞与)明細の「総支給額」も加算する方法です。
ただし、計算ミスが起こりやすい点に注意が必要です。また、通勤手当など年収に含まれない項目を誤って含めてしまう可能性もあります。
あくまで概算値を把握するための方法と考え、正確な金額が必要な場合は源泉徴収票を確認するのが確実です。
④市区町村の課税証明書・所得証明書で年収を計算する方法
お住まいの市区町村の役所や行政サービスコーナーで発行できる「課税証明書」や「所得証明書」でも、年収を確認することが可能です。前年1月1日から12月31日までの所得額や、それに基づいて計算された住民税の額などが記載されています。
証明書の書式は自治体によって異なりますが、「給与収入」や「給与支払額合計」といった項目に記載されている金額が、前年の年収にあたります。
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日本の平均年収は?【2026年最新】
国税庁によると、令和6年の1年を通じて勤務した民間企業の給与所得者の平均給与は478万円です。男性と女性の平均年収は、以下のとおりです。
| 全体 | 478万円 |
| 男性 | 587万円 |
| 女性 | 333万円 |
いずれも税金や社会保険料を差し引く前の金額で、賞与を含みます。正社員(正職員)は545万円、正社員(正職員)以外は206万円です。調査は1年を通じて勤務した給与所得者を集計しており、すべての働く人の平均ではありません。
年収は雇用形態や職種、勤続年数などによって異なります。自身の給与を比較する際は、全体平均だけで判断せず、条件が近いデータも確認するとよいでしょう。
(出典:国税庁『令和6年分 民間給与実態統計調査』)
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転職で年収の情報が必要になるのはいつ?
転職活動において、自身の年収を正確に把握しておくことは極めて重要です。具体的に年収の情報が必要になるタイミングは主に次の2つです。
- 年収交渉時
- 入社手続き時
円滑に手続きを進めるためにも、あらかじめ理解と準備をしておきましょう。
また、自分の年収の現在地と、転職した場合の予想アップ額を調べる方法もご紹介します。
年収交渉時
採用面接の終盤や内定後の処遇面談で設けられる年収交渉では、現職または前職の正確な年収を提示することが求められます。
自身のスキルや経験、実績のアピールに加え、現在の年収を客観的な事実として伝えることで、交渉に説得力を持たせることが大切です。
曖昧な数字を提示すると企業側に不信感を与える可能性があるため、具体的な年収を把握しておきましょう。また、年収、手取り、賞与などどの情報を聞かれているのか的確に回答できるように、それぞれの意味を理解しておくことも必要です。
入社手続き時
無事に内定を獲得し、入社が決まった際には源泉徴収票の提出を求められます。転職先の企業でその年の年末調整を行うために必要なためです。
年末調整とは、その年に支払うべき所得税の最終的な金額を計算し、源泉徴収された税額との過不足を精算する手続きのことを指します。
年内に前の会社を退職し、新しい会社に入社した場合、前の会社での給与額や源泉徴収された所得税額を合算して年末調整を行わなければなりません。
そのため、入社手続きの際は前職の正確な給与情報が記載された源泉徴収票が求められると覚えておきましょう。
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年収約120万円アップ!年収診断の利用から約2週間以内に転職成功した方の例
- ご年齢:30代
- ご経歴:プロジェクトマネージャー⇒アプリエンジニア
- 勤務地:西日本⇒東京へ転職
- 転職期間:2週間以内に転職成功
Aさんは、スピード転職に成功、かつ年収を約120万円アップすることに成功しています。
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年収に関するよくある質問
年収の伝え方や書類の見方について、よくある疑問を確認します。
年収を聞かれたら手取り額と総支給額のどちらを答える?
転職活動で「現在の年収」を聞かれた場合は、通常、税金や社会保険料を差し引く前の額面年収を答えます。前年の実績を求められたら、源泉徴収票の「支払金額」を確認すると正確です。
今年の見込み年収を聞かれた場合は、確定済みの給与と今後の賞与・手当の見込みを分けて伝えましょう。
年収はどの書類のどこを見ればよい?
会社員なら源泉徴収票の「支払金額」、確定申告書では第一表の「収入金額等」にある「給与」欄、課税証明書では「給与収入」欄などを確認しましょう。勤務先が複数あれば、各社の給与収入を合計します。
一方、「給与所得」「所得金額」や給与明細の「差引支給額」は控除後の金額で、額面の年収とは一致しません。
年収に含まれる項目と含まれない項目の一覧は?
年収とは「1年間に受け取る給与の合計額」を指しますが、ここでいう「給与」にはすべての支給項目が含まれるわけではありません。
主に課税対象となる収入が年収に含まれ、税金や社会保険料の計算などに用いられる重要な基準となります。
会社から支給される金銭のうち、次のようなものは原則として年収に含まれます。
【年収に含まれる項目】
- ・基本給
- ・ボーナス(賞与)
- ・残業代、休日出勤手当
- ・役職手当
- ・資格手当
- ・住宅手当、家族手当
- ・深夜手当
上記はすべて所得税の課税対象となり、年収の集計にも含まれます。一方、以下のような支給は年収には含まれません。
【年収に含まれない項目】
- ・通勤手当※
- ・出張旅費、宿泊費の実費精算分
- ・慶弔費結婚祝い金、出産祝い金、見舞金など)
※「標準報酬月額」(社会保険料の計算基礎)には含まれるため、混同に注意が必要です。
年収に含まれる項目を正しく把握することで、税金や社会保険料の理解が深まるとともに、転職やローン申請などさまざまな場面でも役立ちます。
各手当ごとの扱いを理解し、不明点は会社の総務部門や専門家に確認しましょう。
年収の計算期間はいつからいつまで?
年収を計算する対象期間は、その年の1月1日から12月31日までの1年間です。会社の会計年度とは異なるため、混同しないように注意しましょう。
例えば、2025年の年収を知りたい場合は、2025年1月1日から2025年12月31日までの間に支給が確定した給与やボーナスの総額を計算します。
なお、年の途中で転職した場合は、前職の源泉徴収票に記載された「支払金額」と、現職でその年の12月31日までに支払われた給与の総額を合算した額が、その年の年収です。
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年収と手取りの違いを押さえ、正確な年収を理解しよう
年収とは税金などが引かれる前の「総支給額」であり、あなたの市場価値や信用力を示す重要な指標です。
年収を適切に理解することで、自身のキャリアを客観的に評価し、未来のライフプランやキャリアプランを主体的に設計できるようになるでしょう。
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