
応用情報技術者試験とは?難易度・合格率・独学勉強法を解説
最終更新日:
応用情報技術者試験の合格率は例年20%台前半、必要な勉強時間は未経験者で500時間前後が目安です。決して簡単な試験ではありませんが、正しい勉強法を選べば独学での合格も十分に狙えます。
2027年度の試験再編を受けて、タイミングを検討する方も多いかもしれません。
この記事では、試験の難易度・合格率・独学での勉強方法に加え、「意味ない」と言われる理由や取得後のキャリアへの影響、CBT方式移行までを網羅的に解説します。
【この記事はこんな人におすすめ】
・応用情報技術者試験への挑戦を検討していて、難易度や合格率を知りたい人
・独学での合格を目指し、効率的な勉強方法を探している人
・取得が転職やキャリアアップに本当に役立つのか見極めたい人
この記事のまとめ
- 合格率は例年20%台前半、必要勉強時間は200〜500時間が目安。
- 独学合格も可能だが、科目Bの演習量が合否を左右する。
- 取得効果は資格単体ではなく、その後のキャリア選択で決まる。
目次
応用情報技術者試験とは?国家資格としての位置づけと試験概要
応用情報技術者試験は、IPAが実施する情報処理技術者試験の一区分です。
この章では、応用情報技術者試験の位置づけ、出題範囲、試験の構成、受験料や申込の基本を確認できます。
資格概要|スキルレベル3・経産省認定の国家資格という位置づけ
応用情報技術者試験は、経済産業省認定の国家資格で、情報処理技術者試験の中では「スキルレベル3」に位置づけられています。基本情報技術者試験(レベル2)の上位にあたり、実務での応用力や課題解決力が問われる試験です。
IPAは、ITを活用したシステムやソフトウェアを作るために必要な応用的知識・技能をもち、高度な専門性を目指す方向性を確立した者を対象者像としています。
IT業界の経験者はもちろん、IT部門以外の社会人や学生にも受験されています。
(参考:IPA「応用情報技術者試験」)
【あわせて読みたい】情報処理技術者試験についての解説はこちら⇓
出題範囲(テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系)
応用情報技術者試験の出題範囲は、大きく3つの系統に分かれています。
- テクノロジ系:アルゴリズム、ネットワーク、データベース、セキュリティなどの技術領域
- マネジメント系:プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどの管理手法
- ストラテジ系:経営戦略、システム戦略、法務などの企業活動に関する知識
応用情報技術者試験の科目Aでは、この3系統から幅広く出題されます。
科目Bは、情報セキュリティの問題に全員が解答し、残りは経営戦略、プログラミング、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査から選ぶ構成です。
技術分野だけでなく経営や法務まで問われるため、技術・管理・経営をまたぐ幅広い知識が求められます。
科目A試験・科目B試験の違い(旧:午前・午後試験)
かつて「午前試験」「午後試験」と呼ばれていた区分は、2026年度から「科目A試験」「科目B試験」という名称に変わりました。
応用情報技術者試験では、出題形式、出題数、試験時間に変更はありません。
| 項目 | 科目A試験 | 科目B試験 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 150分 | 150分 |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 |
| 出題数・解答数 | 80問出題・80問解答 | 11問出題・5問解答 |
| 出題内容 | 幅広い分野の知識 | 長文の事例を読み解き、記述で答える応用力 |
| 合格基準 | 60点以上(100点満点) | 60点以上(100点満点) |
(参考:IPA「応用情報技術者試験」)
科目Aは知識の網羅性、科目Bは長文を読み解く力と記述力が問われる構成です。両科目とも60点以上が合格基準のため、科目ごとのバランスを踏まえて学習計画を立てる必要があります。
受験資格・受験料はいくら?
応用情報技術者試験に、年齢・学歴・実務経験などの受験資格の制限はありません。受験手数料は7,500円(税込)で、学生から社会人まで挑戦しやすい試験です。
申込は、IPAの公式サイトからインターネットで行う形です。2026年度は、科目A群と科目B群の日時・会場を同時に予約する仕組みで、前期試験・後期試験それぞれで申し込めるのは1回のみとなっています。
応用情報技術者試験では申込時に両科目の予定を決めるため、仕事や学業のスケジュールを見通したうえで申し込む必要があります。
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」)
【あわせて読みたい】基本情報技術者試験の試験概要について詳しくはこちら⇓
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応用情報技術者試験の難易度・合格率はどのくらい?
応用情報技術者試験の合格率は、直近5回で22.1%〜28.5%の範囲で推移しています。「難しい」という評判のとおり、相応の対策が必要な試験です。
この章では、合格率の推移と、基本情報技術者試験・ITパスポート試験との比較から、応用情報技術者試験の難易度を具体的に確認できます。
直近5回分の合格率推移(IPA公式データ)
IPAの公表によると、応用情報技術者試験の合格率はおおむね2割台前半から後半で推移しています。
| 実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度秋期 | 37,763人 | 8,753人 | 23.2% |
| 令和6年度春期 | 36,730人 | 8,677人 | 23.6% |
| 令和6年度秋期 | 44,243人 | 12,613人 | 28.5% |
| 令和7年度春期 | 38,663人 | 8,527人 | 22.1% |
| 令和7年度秋期 | 44,005人 | 10,792人 | 24.5% |
(参考:IPA「令和7年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」「令和7年度春期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」「令和6年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」/アイテック「令和7年度秋期情報処理技術者試験 分析と講評・午前問題の出題分野と難易度」)
受験者の4人に1人程度しか合格できない、難関の国家資格という位置づけに変わりはありません。なお、CBT方式の初年度となる2026年度前期試験の合格発表は、2027年2月頃の予定です。
基本情報技術者試験・ITパスポートとの難易度比較
情報処理技術者試験の代表的な3つの試験区分を、スキルレベルと合格率で比べると次のとおりです。
| 試験区分 | スキルレベル | 合格率(令和7年度) | 難易度の特徴 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート試験 | レベル1 | 48.6% | IT全般の基礎知識 |
| 基本情報技術者試験 | レベル2 | 約4割 | プログラミングを含む実務の基礎 |
| 応用情報技術者試験 | レベル3 | 23.4% | 技術・管理・経営の総合力 |
(参考:IPA「令和7年度「iパス(ITパスポート試験)」の年間応募者数等について」「統計情報(基本情報技術者試験)」)
応用情報技術者試験の23.4%は、令和7年度の春期と秋期の受験者数・合格者数を合算して算出した値です。
基本情報技術者試験の約4割に対し、応用情報技術者試験は2割台前半にとどまり、レベルが上がるほど求められる知識の幅と深さが増します。
難易度が高いと言われる理由
応用情報技術者試験の難易度が高いとされる理由は、主に2つあります。
1つ目は、出題範囲が技術・管理・経営と非常に広いことです。2つ目は、科目Bが記述式で、11問のうち5問に解答する形式のためです。
長文の事例を読み解き、設問の意図に沿って要点を自分の言葉で書く力が問われます。
科目Aは80問すべてに解答し、両科目とも150分の長丁場になります。単純な暗記だけでは対応しきれず、知識を実務的な文脈で使いこなす力と集中力の両方が合否を左右します。
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合格に必要な勉強時間の目安と独学での合格可否
応用情報技術者試験の合格に必要な勉強時間は、IT経験の有無によって大きく変わります。独学での合格も十分に可能ですが、計画的に学習を進めることが前提です。
この章では、属性別の勉強時間の目安、独学向けの学習ステップ、教材の使い方、科目Bの選択問題の考え方を確認できます。
勉強時間の目安(IT経験者/未経験者・文系の場合)
属性別の応用情報技術者試験の勉強時間目安は以下のとおりです。
- IT経験者:150〜200時間程度
- IT未経験者(理系):300〜400時間程度
- IT未経験者(文系):500時間前後
経験や基礎知識の有無によって、必要な学習量には3倍以上の開きが出ます。自身の現在のスキルレベルを把握し、試験日から逆算して1日あたりの学習時間を決めるのが学習計画の基本です。
2026年度の前期試験では、科目Aの実施期間と科目Bの実施期間の間に2週間前後の間隔があります。科目Aの受験後に科目B対策へ切り替える時間も、計画に組み込めます。
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」)
独学で合格するための学習ステップ
応用情報技術者試験を独学で目指す場合、次の3ステップで進める流れが基本です。
- 参考書で試験の全体像をインプットする
- 過去問演習を繰り返して知識を定着させる
- 科目B対策として、記述式の長文問題に慣れる時間を重点的に確保する
応用情報技術者試験の独学では、インプットと演習のバランスを崩さないことが合格への近道です。参考書を読み進めるだけで過去問に着手しない学習は、科目Aの得点力が伸びにくい傾向があります。
とくに科目Bは記述式のため、解答を書いて見直す練習を繰り返すと得点が安定しやすくなるでしょう。
過去問道場・おすすめ教材の活用法
学習の定番ツールとして、無料の過去問演習サイト「応用情報技術者試験ドットコム(過去問道場)」が広く活用されています。
科目Aでは過去問と類似した問題が出題される傾向があるため、繰り返し解くことで得点力が着実に伸びます。
参考書は、図解が多く体系的に整理されたものを1冊に絞り込むと、学習効率が高まります。
2026年度からのCBT方式では、試験問題が非公開となり、第三者への開示も禁止されています。応用情報技術者試験の過去問演習は、これまでに公開された問題(令和7年度までが中心)を使って進める形になります。
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」)
午後(科目B)選択問題の選び方
応用情報技術者試験の科目Bは、11問のうち5問に解答する形式で、情報セキュリティの問題は全員が解答します。残りの4問は、得意分野を軸に選ぶのが基本です。
プログラミング経験がある場合はアルゴリズムやデータベース、マネジメント業務の経験がある場合はプロジェクトマネジメントの分野を選ぶとよいでしょう。
過去問演習を通じて自分の得意パターンを見極め、選択する分野を早めに絞り込む方法がおすすめです。
(参考:IPA「応用情報技術者試験」)
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応用情報技術者試験は「意味ない」って本当?取得で得られるメリット
「応用情報技術者試験は意味ない」という評判を目にして、取得に迷う方もいます。
この章では、そう言われる背景を整理したうえで、取得で得られる客観的なメリットと、転職市場での評価のされ方を確認できます。
「意味ない」と言われる理由
応用情報技術者試験が「意味ない」と言われる背景には、独占業務がないことが挙げられます。弁護士資格のように、保有していなければできない業務があるわけではありません。
また、IT業界以外では知名度がそれほど高くなく、評価が伝わりにくい点も理由の1つです。
ただし、これは業界内での評価が低いことを意味しません。応用情報技術者試験の価値は、実務経験や今後のキャリアと組み合わせて発揮されるため、「意味ない」かどうかは取得の目的によって変わります。
取得で得られる5つのメリット
応用情報技術者試験の取得によって得られるメリットは、主に以下の5つです。
- IT全般の体系的な知識とスキルを客観的に証明できる
- 企業によっては資格手当の対象になる
- 昇進・昇格の要件として設定されているケースがある
- 高度試験の科目A-1試験の免除制度を利用できる
- 学習した知識を実務のシステム設計や企画業務に活用できる
応用情報技術者試験は、単なる知識の証明にとどまらず、実務やキャリア形成に直結するメリットが多い試験です。資格手当や昇格要件の有無は企業ごとに異なるため、勤務先の制度は事前に確認する必要があります。
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」)
転職・年収への影響は?応用情報技術者試験の評価のされ方
転職市場で応用情報技術者試験がどう評価されるかは、職種や企業によって異なります。一般的には、技術的な素養を客観的に示せる資格として、書類選考や面接で評価材料の1つになります。
とくに、インフラエンジニアやシステムエンジニアなど、基礎知識の幅広さが問われる職種では、実務経験を裏付ける材料として役立ちます。
一方で、応用情報技術者試験の取得だけで年収が大きく上がるわけではありません。年収は、職種、経験年数、担当する工程の上流度、企業規模など複数の要素で決まり、資格は評価を後押しする要素の1つです。
保有資格をどのように職務経歴書や面接で伝えるかによっても、評価は変わる可能性があります。
資格と経験の組み合わせでどのような求人に挑戦できるのか、具体的な選択肢はIT・Web業界に詳しいキャリアアドバイザーへの相談がおすすめです。
未経験・異業種からIT転職を目指す人にとっての価値
IT業界の実務経験がない場合、応用情報技術者試験の取得は価値をさらに高める傾向があります。実務経験がない分、学習意欲とIT知識の基礎力を客観的に示す手段になるためです。
書類選考の段階で、ITの学習に継続して取り組んできた姿勢が伝わり、未経験からのIT転職を後押しする材料になります。
ただし、応用情報技術者試験の合格率は2割台で、IT未経験の文系では500時間前後の学習が目安です。取得までの期間と転職活動の時期のバランスを考え、資格取得と並行して準備を進める選択肢もあります。
【あわせて読みたい】IT転職で役立つ資格について詳しくはこちら⇓
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【2026年度】試験日程・申込方法とCBT方式への変更点
応用情報技術者試験の試験日程や申込方法は、年度ごとに更新されます。
2026年度はCBT方式への変更が入っているため、最新の情報を確認したうえで受験計画を立てる必要があります。
2026年度(令和8年度)試験日程・申込期間
2026年度(令和8年度)の応用情報技術者試験の日程は、次のとおりです。
| 区分 | 申込受付期間 | 科目A試験 実施期間 | 科目B試験 実施期間 |
|---|---|---|---|
| 前期 |
2026年10月6日(火) |
2026年10月28日(水) |
2026年11月24日(火) |
| 後期 |
2027年1月27日(水) |
2027年2月6日(土) |
2027年3月3日(水) |
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」)
合格発表は、前期試験が2027年2月頃、後期試験が2027年6月頃の予定です。
科目Bの得点と評価ランクは試験端末には表示されず、マイページで確認する流れで、前期試験の成績照会は2027年1月頃に始まる予定です。
申込は前期・後期のどちらも1回のみで、科目A群と科目B群を同時に予約します。詳細な日程や会場の空き状況は、IPAの公式サイトで確認する必要があります。
CBT方式とは?変更点と受験の流れ
CBT方式とは、全国の試験会場に用意されたパソコンの画面で問題を読み、キーボードとマウスで解答する方式です。応用情報技術者試験は、2026年度から従来の紙の筆記試験に代わってCBT方式で実施されています。
実施期間内に空席のある会場・日時から、自分の都合に合わせて選べる点が大きな変更点です。科目Aと科目Bは、それぞれ別の実施期間に受験します。
試験当日は本人確認書類が必要で、受験票は送付されません。持ち込める物品には制限があり、キーボードやマウスは持ち込めず、飲み物はラベルを外した1000ml以下のペットボトルの水1本のみ可能です。
試験画面上のメモ機能と電卓機能に加え、入室時にメモ用紙1枚と筆記用具が配布されます。なお、出題範囲、出題形式、出題数、試験時間、合格基準に変更はありません。
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」「令和8年度前期試験について(受験申込み)」)
2027年度の試験再編はどうなる?
IPAは、2027年度から新試験制度へ移行する予定で、現行の試験制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定と公表しています。
2026年3月31日時点の検討状況では、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括りにして再編し、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)として、マネジメント、データ・AI、システムの3つの試験区分を設ける案が示されました。
新試験制度の区分一覧に、応用情報技術者試験という名称の試験は含まれていません。
開始時期は2027年度夏頃から秋頃の予定で、現行の高度試験と同等の免除制度や、現行制度の免除要件を満たした場合の経過措置も検討されています。公表内容は検討状況のため、今後変更される可能性があります。
現行制度の応用情報技術者試験を受験できる機会は、2026年度の前期試験と後期試験が最後になる予定です。取得を考えている場合は、後期試験(2027年2月〜3月実施)までの学習スケジュールを逆算して判断する必要があります。
IPAは、2026年度に実施する現行試験の合格情報も、構築中の学習プラットフォームに登録して活用できるとしています。
新試験制度のシラバスとサンプル問題も公開されているため、取得を急がずに新試験を目指す選択肢も比較できます。
(参考:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」「試験制度の見直しについて」)
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基本情報技術者試験など他資格との違い・比較
応用情報技術者試験と関連資格の違いを把握すると、学習計画や受験の順序を判断しやすくなります。
この章では、情報処理技術者試験全体のレベル体系と、基本情報技術者試験との受験順序の考え方を確認できます。
情報処理技術者試験全体における位置づけ
情報処理技術者試験は、次のようにレベル別の体系で構成されています。
| スキルレベル | 主な試験区分 |
|---|---|
| レベル1 | ITパスポート試験 |
| レベル2 | 基本情報技術者試験 |
| レベル3 | 応用情報技術者試験 |
| レベル4 | 高度試験区分(ネットワークスペシャリスト試験など) |
応用情報技術者試験は、基礎から専門領域へ進む中間に位置する試験です。
2027年度からの新試験制度では、応用情報技術者試験と高度試験が「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)に再編される案が示されています。
ITパスポート試験と基本情報技術者試験は継続し、基本情報技術者試験はこれまでどおり通年で実施される予定です。
(参考:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」)
どちらから受験する?基本情報技術者試験との判断基準
IT実務経験がほとんどない場合は、基本情報技術者試験から挑戦したほうが、無理なく学習を進められます。基本情報技術者試験は通年で受験できるため、スケジュールの調整もしやすい試験です。
一方、ある程度のIT実務経験や基礎知識がある場合は、応用情報技術者試験に直接挑戦しても問題ありません。
ただし、応用情報技術者試験は現行制度では2026年度が最後の実施になる予定です。
後期試験(2027年2月〜3月)に間に合う学習時間を確保できるか、基本情報技術者試験を挟むと間に合うかを、自身の知識レベルから判断する流れになります。
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取得後に活かせる職種・キャリアパスと年収の実態
応用情報技術者試験を取得すると、どのような職種やキャリアで評価されるのでしょうか。
この章では、具体的な活用イメージと、高度試験へのステップアップ、年収を考えるうえでの視点を確認できます。
取得後に活かせる職種の年収帯
※職種別集計(応用情報技術者試験の保有者以外も含む)
応用情報技術者試験のスキルを活かせる4職種のうち、平均年収と中央値がもっとも高いのはシステムコンサルタントです。
平均年収は769万円、中央値は700万円で、最大年収は1,716万円となっています。平均と中央値の差が69万円あるため、一部の高年収の層が平均を押し上げていると読み取れます。
プロジェクトマネージャー(業務系)の平均年収は742万円、中央値は740万円で、両者の差はわずか2万円です。年収が特定の層に偏らず、740万円前後に集まっている職種といえます。最大年収は1,560万円です。
ネットワークエンジニアは、平均年収が512万円、中央値が485万円です。業務系SE・PG(SI・受託)は、平均年収が444万円、中央値が420万円となっています。
最大年収は、前者が1,300万円、後者が1,400万円で、同じ職種の中でも経験や担当領域によって年収に大きな開きがあることが分かります。
応用情報技術者試験の取得だけで年収が決まるわけではなく、職種、事業形態、経験年数、担当する工程の上流度などによって変わります。
取得後のキャリアパス例(上位資格・専門領域への展開)
応用情報技術者試験の合格者は、高度試験へのステップアップが視野に入ります。
令和8年度前期試験では、令和6年度春期〜令和7年度秋期試験の応用情報技術者試験の合格者が、高度試験や情報処理安全確保支援士試験の科目A-1試験の免除を申請できます。
免除制度を活用すれば、セキュリティ、ネットワーク、データベースなど、自身の志向に合わせた専門性の深掘りがしやすくなります。
2027年度以降の新試験制度でも、一部科目の免除については経過措置が検討されています。免除を使った受験を考える場合は、IPAの最新の発表を確認する必要があります。
(参考:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」)
求人から見る年収傾向と資格の位置づけ
応用情報技術者試験の保有者の年収は、資格そのものよりも、職種、経験年数、担当する工程の上流度によって大きく左右されます。
インフラエンジニアやセキュリティ関連職では、資格が実務知識の裏付けとして評価され、選考や条件面で考慮されることがあります。
転職による年収アップを目指す場合は、応用情報技術者試験の取得に加えて、これまでの経験をどのように言語化し、どの求人に応募するかが重要です。
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【あわせて読みたい】インフラエンジニアのキャリアパスについて詳しくはこちら⇓
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応用情報技術者試験に関するよくある質問
ここでは、応用情報技術者試験の受験を検討している方が疑問に感じやすい疑問、質問に回答します。
Q.独学で合格できる?
A.可能です。
応用情報技術者試験は、参考書と過去問演習を中心に、IT経験者で150〜200時間、IT未経験者で300〜500時間程度の学習を積み重ねれば、独学でも合格を目指せます。
独学で合否を分けやすいのは科目Bです。記述式の長文問題は、解答を書いて見直す練習を繰り返さないと得点が安定しにくいため、早めに演習へ移る必要があります。
CBT方式では試験問題が非公開となるため、過去問演習は公開済みの問題を活用して進めます。
Q.「意味ない」というのは本当?
A.独占業務がない点は事実ですが、応用情報技術者試験には知識の証明やキャリア形成の面で十分な価値があるでしょう。
IT全般の体系的な知識を客観的に示せることに加え、企業によっては資格手当や昇格要件の対象になり、高度試験の科目A-1試験の免除も利用できます。
取得の価値は、資格単体ではなく、その後に選ぶ職種や経験との組み合わせで決まります。
Q.未経験でも転職に活かせますか?
A.活かせます。応用情報技術者試験は、IT業界の実務経験がない場合に、学習意欲とIT知識の基礎力を示す材料として書類選考で評価されることがあります。
ただし、IT未経験の文系では500時間前後の学習が目安となるため、取得にかかる期間も踏まえた転職計画が必要です。
資格に加えて、志望動機や学習の進め方を具体的に伝えると、評価につながりやすくなります。
Q.転職市場ではどの程度評価されますか?
A.応用情報技術者試験の取得だけで年収が大きく変わるわけではありませんが、実務経験と組み合わさることで評価を後押しします。
とくにインフラエンジニアやシステムエンジニアでは、技術的な素養を客観的に示す材料として、書類選考や面接で評価される場面があります。
評価のされ方は職種や企業によって異なるため、具体的な求人での扱われ方は、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。
Q.応用情報技術者試験は2027年度になくなるの?
A.応用情報技術者試験は、現行制度が2026年度の試験実施をもって終了する予定で、2027年度からの新試験制度には同名の試験区分が含まれていません。
IPAは、応用情報技術者試験と高度試験を大括りにして、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)のマネジメント、データ・AI、システムの3区分に再編する案を示しています。開始は2027年度夏頃から秋頃の予定です。
公表内容は検討状況のため、最新の情報はIPAの公式サイトで確認する必要があります。
(参考:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」)
【あわせて読みたい】転職活動の進め方について詳しくはこちら⇓
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資格を活かして市場価値を最大化するキャリアを、ギークリーがご提案します
応用情報技術者試験は、直近5回の合格率が22.1%〜28.5%という、決して易しくない国家資格です。それでも、適切な学習ステップを踏めば、独学での合格は十分に狙えます。
応用情報技術者試験の価値は、資格そのものよりも、取得後にどのようなキャリアを選ぶかによって大きく変わります。
転職やキャリアアップを視野に入れている場合は、資格を活かせる求人の傾向を把握しておくと、学習の目的が明確になるでしょう。
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