事業会社のIT部門とは？エンジニアが転職して年収を上げる方法
この記事では、事業会社のIT部門への転職について解説します。事業会社のIT部門で働く際のSIer/SESとの違いやメリットデメリット、事業会社のIT部門の年収を実際のデータを元に解説しているので、事業会社のIT部門でエンジニアを目指す人は参考にしてください。
目次
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※2024年2月時点
事業会社のIT部門とは？SIerやSESとの違い
まずは、SIerとSESとの違いから、事業会社のIT部門とはどのような会社なのかを見ていきましょう。
事業会社のIT部門と、SIerとSESとの違いは以下の通りです。
- ビジネスへの関わり方
- 担当する業務フェーズ
- 働く環境とキャリア
以下、それぞれ解説します。
違い①ビジネスへの関わり方
他社のITに関する工程を請け負うSIerやIT技術を他社に提供するSESとは違い、事業会社とは「商品を製造・生産する事業」を行う会社が事業会社です。
一般的にSIerやSESのエンジニアは顧客先での常駐やプロジェクト単位の働き方が多いです。
一方、事業会社は自社のサービスやプロダクト開発に携わるため、企画から運用まで一貫して関わることができ、長期的な視点で改善や技術選定に取り組める点が特徴です。
具体的な例を表すと製品を売り出すスーパーやメーカーや小売店、飲食店、IT企業も事業会社に含まれます。
その他にも、目に見える、形に残る物を販売しているだけでなく、サービスを提供している企業も事業会社です。
IT系の事業会社例
日本のIT事業会社で売り上げランキング上位の大手有名企業例は次のとおりです。
- ・NTT(日本電信電話)
- ・ソニーグループ
- ・日立製作所
- ・パナソニック
- ・ソフトバンクグループ
SIerの事業会社例
日本のSIerで売り上げランキング上位の大手有名企業例は次のとおりです。
- ・株式会社日立製作所
- ・株式会社NTTデータ
- ・富士通株式会社
- ・日本電気株式会社
- ・株式会社野村総合研究所
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SESの事業会社例
日本のSESで売り上げランキング上位の大手有名企業例は次のとおりです。
- ・富士ソフト株式会社
- ・株式会社DTS
- ・株式会社NSD
- ・株式会社システナ
- ・NSW株式会社
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違い②担当する業務フェーズ
SIerとSES、事業会社で担当する業務フェーズも変わります。
SIer/SESは「開発」「導入」など特定フェーズの担当が中心となる一方で、事業会社のIT部門はより幅広く業務を担当します。
また、担当した案件がどのように活用されているのか、などその先を見ることができ、時には改善をしていくことも事業会社の特徴です。
業界や企業によって様々なIT課題に携われることがSIer/SESの魅力ですが、特定の業界や企業の幅広い業務に携わることができる点が事業会社の魅力です。
事業会社のエンジニアの役割
事業会社エンジニアの最大の特徴は、自社サービスやプロダクトのライフサイクルすべてに関わる点です。
「納品して終わり」という区切りがなく、「自社のサービスをどう成長させるか」という視点で業務に取り組みます。
「自社のプロダクトを育てていく」当事者として、上流から下流まで一気通貫で携われるのが魅力です。
SIer/SESのエンジニアの役割
一方で、SIerやSESのエンジニアは、「クライアントのプロジェクト」に参加するケースが多いでしょう。クライアントから発注されたシステムを、決められた要件・予算・納期（QCD）の範囲内で完成させ、納品することがミッションとなります。
そのため、業務は以下のように特定のフェーズに限定されることが多いです。
- クライアントの要望（要件）に基づき、システムを設計・開発・テストする。
- プロジェクトによっては、開発フェーズのみ、あるいはテストフェーズのみを担当する。
- 自社のエンジニアとしてではなく、客先に常駐して「顧客の担当者」の指示のもとで作業を進める。
多くの場合、プロジェクトが完了すればそのシステムから離れ、次の新しいプロジェクト（別のクライアント）に移ります。分業制が徹底されている場合はシステム全体の一部を担当することも珍しくありません。
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違い③働く環境
「自分が作ったものが、本当に役立っているのか実感しにくい」 これは、SIer/SESで働くエンジニアが抱えやすい悩みの1つです。
事業会社ではユーザーとの距離感が近いため、開発物に対するフィードバックを拾いやすく、やりがいにもつながります。
Webサービス企業の場合は、開発した機能がリリースされればSNSでの反響、アプリストアのレビュー、カスタマーサポートへの声など、一般ユーザーからの反応がダイレクトに届きます。
社内システム担当（情シス）の場合:は、ユーザーは「自社の社員」であるため、「このシステムのおかげで業務効率が上がったよ」といった感謝の言葉を直接もらえることもあります。
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【自社データ公開】事業会社のIT部門の年収は？
ここでは、Geekly（ギークリー）を使って事業会社への転職に成功された方の年収データについて解説します。
事業会社へ転職された方の平均年収は526万円
2024年10月～2025年9月にGeekly（ギークリー）経由で事業会社に転職を決められた方の平均年収は526万円という結果となりました。
中でも56%の方が年収アップして転職を決められています。
事業会社には福利厚生が手厚い企業や、ボーナスが高額な企業もあるため、それらを加味すると年収の額が大幅に上回る可能性も考えられます。
事業会社への転職の際は、年収の額面だけでなく、福利厚生やボーナスも加味したうえで企業選びをすることがおすすめです。
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最も平均決定年収が高い職種はエンジニア
次に、事業会社に転職された方の職種別で決定年収を調べました。
・エンジニア：551万円
・クリエイティブ：500万円
・ゲーム：445万円
・営業・マーケティング：514万円
職種ごとに見ると、エンジニア職の平均年収が最も高い結果となりました。
背景に、事業会社のDX推進のニーズの高さが考えられます。事業会社の中にはIT投資に積極的な企業も多く、サービスやプロダクトのみならず、社内の仕組みや体制にもDXのニーズが非常に高いです。
そのような事業会社にとってエンジニアの採用は重要なポイントであり、エンジニア採用のために比較的高額な年収をオファーする企業も多いことが考えられます。
エンジニアとして事業会社への転職を考える際には、現在の年収が自分のスキルや経験と合っているのか比較するために、市場価値＝適正年収を把握しておくことをおすすめします。
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転職後の年収UP予想額がわかる「IT人材 年収診断」
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- 勤務地：西日本⇒東京へ転職
- 転職期間：2週間以内に転職成功
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「IT人材年収診断」ご利用の流れ
「IT人材年収診断」は4つのステップで完結！
STEP1：以下のボタンから年収診断のページへ
STEP2：年収診断のページから氏名と連絡先を入力してスタート
STEP3：プロフィールと簡単な職務経歴を入力して診断
STEP4：ご自身の年収の現在地を把握
診断後は、年収が上がる求人や、ご希望に沿った求人のご紹介、IT職種を熟知したキャリアアドバイザーに転職の相談をすることもできます。是非一度、ご自身の年収の現在から年収アップ予想額を見てみてください。
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事業会社のIT部門で働くエンジニアの仕事内容
事業会社のIT部門とSIer/SESとの違いは解説しましたが、具体的な事業会社のIT部門のエンジニアの仕事内容は以下の通りです。
- 社内システムの企画・戦略立案
- 自社サービスの開発・保守・運用
- インフラ構築・セキュリティ管理・ヘルプデスクなど
それぞれ解説します。
社内システムの企画・戦略立案
まず、事業会社のIT部門では、社内の課題や他部署からの依頼を受けて、社内システムの企画や戦略立案を行います。
企画段階では、「次にどんな機能があればユーザーが喜ぶか」「売上を上げるためにシステムをどう改善すべきか」といったビジネスの根幹部分から、企画担当者やマーケターと議論します。
また実装された際に、運用まで問題ないかを想定して要件定義をしていきます。
自社サービスの開発・保守・運用
企画や戦略立案が完了したら、自社サービスの開発・保守・運用を行います。
開発部分では、どの技術を使い、どのような設計（アーキテクチャ）で実装するのが最適かを検討するなど、裁量を持って進められるケースも多いです。
運用・改善では、リリース後もユーザーの反応やデータを分析し、A/Bテストなどを行いながら継続的にサービスを改善（グロース）していきます。
インフラ構築・セキュリティ管理・ヘルプデスクなど
その他、職種やポジションによっては社内のインフラ構築や、有害アクセスから社内データを保護するセキュリティ管理、システムに関する問い合わせに対応するヘルプデスクなどの業務があります。
企業によっては職種によって役割が分かれているため、入社前にどのような役割のポジションなのかよく確認しておきましょう。
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事業会社のIT部門に転職するメリット
事業会社のIT部門に転職するにあたり考えられるメリットは以下の通りです。
- サービスやプロダクトの企画から運用まで担当できる
- 安定した環境で働くことが出来る
- ユーザーの反応が近く、直接的な貢献を実感できる
以下、それぞれ解説します。
サービスやプロダクトの企画から運用まで担当できる
一気通貫してプロダクトに携わることができる点が、事業会社へ転職する大きなメリットです。
自社の1つのコミュニティでサービスやプロダクトを展開している事業会社であれば、企画から設計など上流工程からリリース、さらにはその後の運用まで幅広く携わることが可能な点が常駐先がよく変わるSESとの違いです。
特に大手企業や老舗の企業になるとその違いは顕著でしょう。
安定した環境で働くことが出来る
事業会社には大企業や老舗も企業が多く、仕事場に常駐して安定した環境で働くことができ、高年収や高待遇、例えば充実した福利厚生を受けられるといった期待が高まります。
一つの職場環境で長く働けることで、より良いコミュニティを築くことができるのも、高い評価を得るチャンスにつながります。
ユーザーの反応が近く、直接的な貢献を実感できる
事業会社のIT部門は、ユーザーの反応を近くで見られるため直接的な貢献を実感できることが特徴です。
クライアントが社外にいるSIerやSESの場合、自分が関わったシステムへの反応を直接受ける機会が少ないですが、事業会社のIT部門はユーザーが近くにいるため直接反応を受けることができます。
一般顧客に向けた事業会社のIT部門であれば、自分の仕事が直接サービスや企業への評価に繋がるという点もメリットのひとつです。
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事業会社のIT部門に転職するデメリット
一方で、事業会社のIT部門に転職するデメリットは以下の通りです。
- 企業がIT投資に積極的でない場合がある
- 「何でも屋」になる可能性がある
- 開発スピードがSIerより遅く感じることがある
それぞれ解説します。
企業がIT投資に積極的でない場合がある
企業がIT投資に積極的ではない可能性があり、技術や開発環境も一つのコミニティで固有のスキルのみに偏っているケースがあり、レガシー、ITについて詳しい人が社内に少ないことがあります。
このような傾向はDX（デジタルトランスフォーメーション）を積極的に推進しようとする事業会社に多いようです。
様々な企業に出向することが多いSESなどは幅広いスキルに触れる機会が多いのに対し、自社システムに集中している事業会社は自社の一つの業務、スキルに偏ってしまう場合があります。
そのためスキルアップが困難となるケースもあり、独学や知見の広い知人等から講義を受けるなどの努力が必要となります。
「何でも屋」になる可能性がある
IT人材が少ない事業会社の場合、システム開発というメインの業務以外にも幅広いタスクに時間が割かれる可能性があります。
例えば機器のトラブル対応なども含め、PCやスマートフォンなどのデバイスへの各種設定やソフトウェアのインストールなどを行うキッティングなどです。
こういった特性上、システム開発だけではなく他の業務にも携わりたい方にはおすすめできる面もあります。
開発スピードがSIerより遅く感じることがある
事業会社のIT部門の場合、開発のスピードがSIerより遅く感じることがあるかもしれません。
SIerの場合、クライアントから依頼を受けて開発を行うため明確な納期が発生します。
一方で事業会社の場合、社内の調整や合意が要されるため、開発に取り掛かるスピードや決定するまでに時間がかかってしまう場合があります。
スピード感をもって開発を進めたいという方は、案件が進むスピード感も入社前に確認しておきましょう。
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事業会社のIT部門への転職を成功させるコツ
事業会社のIT部門への転職を成功させるためのコツは次の通りです。
- ・「なぜ」事業会社なのかという転職軸を明確にする
- ・自分の市場価値を知る
- ・スキル面以外にも社風がマッチしているか見極める
- ・転職エージェントに相談する
以下、詳しく解説します。
「なぜ」事業会社なのかという転職軸を明確にする
近年、SIerやコンサルティング企業から事業会社のIT部門への転職を考える方は増えています。
例えばSIerの場合、その多くはシステムの開発一部に関わり、開発から納品、その後のアフターケアまで一貫して関わることは稀です。
しかし、事業会社であれば、全てのプロセスに当事者として意思決定するフェーズから納品後のアフターケアまで関わることができます。
事業会社への転職軸、志望動機としては上記をふまえて以下のような例があります。
- ・サービスの企画～運用まで携われる
- ・DX推進に貢献できる
- ・マーケティングや戦略といった経営部門にも関わることができる
これらを踏まえ、事業会社への転職軸は何かということを明確にしましょう。
自分の市場価値を知る
自分の市場価値を知りたい方は自身と同じ職種・業界の平均年収を把握し、「立ち位置」を知っておく必要があります。自分の市場価値＝適正年収です。
自分の適正年収と転職における市場価値を照らし合わせて、今の自分ではどのゾーンの企業に転職できるかをあらかじめ知ることが事業会社へのよりよい転職に繋がります。
また、適正年収は自分の年齢や職種、経験年数といったスキルが大きく影響するものです。それらは年収診断を使って調べることができます。
「年収診断」は転職関連のサイト上のコンテンツで簡単な質問に回答すると、同年代や同職種の人との年収の差を知ることができるツールです。
簡単な質問に答えることで適正年収がわかるため、事業会社への転職を目指す方のみならず年収にお悩みをお持ちの方におすすめのサービスです。
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スキル面以外にも社風がマッチしているか見極める
SESやSIerと違い、事業会社は同じ環境で同じ規範で勤務するため、同僚や仕事内容もあまり頻繁には変化がありません。
そのため、以下の点についてしっかりチェックして見極めることが重要です。
- ・事業会社の社風や企業理念への共感できるか？
- ・自分のスキルが本当に転職先の職場で活かせるか？
- ・職場の人間の人柄がマッチするか？
転職エージェントに相談する
事業会社への転職に不安がある方は転職エージェントの活用をおすすめします。
転職エージェントはプロのキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントの転職アドバイスを受けられるだけでなく、転職エージェントが保有する優良な非公開求人の紹介も受けることができます。
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事業会社のIT部門への転職も、ギークリーにご相談ください
SESやSIer、コンサルティング企業から事業会社のIT部門などへの転職では、サービスやプロダクトの企画から運用まで一貫して関わることができるという、事業会社ならではのメリットがあります。
他にも、安定した環境でスキルやノウハウを身につけることも期待できるため、IT人材にとっておすすめの転職先の1つです。
自分に合った事業会社への転職には、転職エージェントのサポート活用をおすすめします。
「エンジニアとして上流工程に携わりたい」
「事業会社に転職して年収を上げたい！」
「もっと一気通貫して携われる環境で働きたい！」
などのキャリアのお悩みは是非、「IT・Web業界の知見が豊富なキャリアアドバイザー」にご相談ください！
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この記事の監修者
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【国家資格保有】キャリアアドバイザー 小峰涼平
5年間インフラエンジニアとして新規顧客提案や既存顧客への提案〜運用保守業務を経験。業務を行う中で人材業界へ興味を持ち、22年1月国家資格キャリアコンサルタントを取得。現在、資格を活かしキャリアアドバイザーとしてエンジニアの転職支援を行っております。
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