【徹底調査】50代での転職は可能?企業側が実際に求めていることや転職活動事例もご紹介します!
年代別で見ると転職成功率が低い傾向にある50代。では50代の転職活動では何が求められるのか?成功させるためのポイントを解説します。IT業界における50代の転職についてもご紹介いたします。実際に弊社を利用していただいた方の事例もあわせて解説いたします。
目次
50代での転職
50代で転職を決断する人は決して少なくありません。実際に転職成功事例もあります。
ただし、転職に50代での転職は若年層の転職に比べて難しいことは事実です。理由としては、転職後の勤続期間が短いことや、ポストが限られしまうことなどが考えられます。
定年退職の年齢が引き上げられている現代では、企業がミドル・シニア層に求めていることもはっきりとしています。その求めていることを理解して転職に望むことが重要です。
50代の入職率
入職率と、その他関連用語の定義は下記の通りです。
・「入職者」 常用労働者のうち、調査対象期間中に事業所が新たに採用した者をいい、他企業からの出向者・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所からの転入者を除く。 ・「常用労働者」 次のいずれかに該当する労働者をいう。 ・「入(離)職率」 常用労働者数に対する入(離)職者数の割合
① 期間を定めずに雇われている者
② 1か月以上の期間を定めて雇われている者
厚生労働省の調査によると、
50代は他の年代と比べて入職率が低いことがわかっています。
実数値では、
・男性:50~54歳2.6%、55~59歳3.3%
・女性:50~54歳5.8%、55~59歳4.7%
となっています。
男性に関しては各年齢層別で50代が最も低くなっていて、女性に関しても65歳以上についで50代が低くなっています。
入職率はあくまで雇用形態を問わないものであり、非正規雇用も含まれることから転職成功率ではありません。
しかし入職率のデータから、50代で新たに雇用につける割合は他の年代と比べて低くなっているということは事実です。
50代での代表的な転職理由
厚生労働省の調査によると、50代の転職理由で最も多いものは「その他」を除けば「職場の人間関係が好ましくなかった」が16.15%で第1位です。(参考:厚生労働省『転職入職者の状況 』)
その他の転職理由には次のようなものが挙げられます。
・給与アップ
・会社自体(業績やコンプラ)への不安
・キャリアアップ
・ライフステージの変化
・経験を活かしたい
・会社都合
職場での人間関係や給与、会社や業績への不安といったネガティブな理由の一方で、これまでに培った経験を幅広く活かしたいと考える人も多いようです。
ライフステージの変化により、ワークライフバランスの見直しやキャリアアップを狙うといった理由で転職を考える人が増えるタイミングとも言えます。
50代転職希望者に企業側が求めること
安定性
50代の転職となると、その転職を最後にすると考える方が多いため、企業からすると「辞めてしまうリスク」が低くなります。
採用活動には資金がかかることから、「せっかく採用してしたのに辞められてしまった」となると企業としては大きな損失となります。
「辞めてしまうリスク」が低いこと、つまり「安定性」は企業の採用担当からすれば一つの魅力であり望んでいることです。
経験
キャリアが長い50代には経験が最も求められます。蓄積された豊富な経験は企業としては財産になります。
企業によっては、会社の制度としてミドル層・シニア層が活躍できる場を設けています。
マネジメント経験
年齢が上がるにつれてマネジメント経験は求められることが多くなります。
50代も同様で、マネジメント経験をしっかりと積んだ人材を採用したいと考える企業は多いです。
さらに、管理職であれば転職市場でニーズは高くなります。
高い専門性
経験年数が長くなるに連れ専門性は高まります。
求人票でよく見られる〇〇経験何年以上のように、経験年数は一つの指標として見られます。
こればかりは経験期間が短い人では打ち返しようがありません。
企業からすると長い経験期間を経て確立された高い専門性は、最も信用できる指標であり限られた人材であるためニーズは高くなります。
即戦力
「経験」は能力の高さへ、そして即戦力への期待とつながっています。
そのため保有するスキルと求める人物像がよりマッチした人材を求めるのです。
だからこそ企業の少しでも早く成果をあげてほしいという期待に応える必要があるということを忘れてはいけません。
経験値があるからこそ、企業が50代の求職者を採用するリスクや人件費への懸念を理解していることを示しましょう。
IT業界では
人材ニーズが高まっているIT業界でも、他の業界同様に経験が求められます。
マネジメント経験に関しても、IT業界はシステム開発ごとにマネジメントが必要になるケースが多いため、管理・マネジメントをできる人材のニーズは常に高いです。
開発経験に関しても豊富な人材は重要です。
プログラミング言語や開発環境の変化が激しいことや、インターネット企業では平均年齢が若いことから、マネジメント経験が豊富である人材を求める傾向にあります。
50代転職であると有利な資格
難関資格でなくとも、自身が持つスキルを証明する資格は取得しておいた方がいいでしょう。
50代での転職に際して有利に働く事が考えられる資格は次の通りです。
・簿記1級
・税理士
・弁護士
・中小企業診断士
・第二種電気工事士 など
転職先に関係する資格であればもちろんそのままアピール材料になりますが、一見関係ないと思われても「努力を継続した事」が評価されるケースもあります。
新たに挑戦されるのであれば、志望する企業・職種にマッチしたもの優先するようにしましょう。
IT業界では
IT業界への転職を考えるのであれば、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)をおすすめします。
50代ですと「パソコンスキルがないのでは?」という懸念を持つ企業は多いものです。
多くの仕事で最低限のパソコンスキルが求められる時代ですので、ぜひ取得してアピールしましょう。
50代転職成功のポイント
ポテンシャルではなく経験をベースに
上述したように、企業は経験を求めています。
即戦力になることを前提に採用を考えているので、経験をベースに企業選びを進めていきましょう。
その上で働き方や社風、希望年収などの条件を見て選考に進んでいきましましょう。
採用基準が経験に置かれている以上、自身の経験の中で何が強みなのかを理解しておくことも重要です。
自己研鑽をする、もしくはキャリア相談を得意としている転職エージェントに相談して理解しておきましょう。
未経験業界に挑戦する場合は覚悟が必要
50代での転職活動には、長期化する傾向がある、非正規雇用になる可能性が高いといったリスクが考えられます。
それでも未経験の業界・職種に挑戦したいという場合は、自分の強みを洗い出し、それを活かす明確なビジョンを描きましょう。
採用担当者に自分を採用する事がメリットだと感じてもらえるとしたらどういった点でしょうか。
他年代と比べて不利に働きがちな”年齢の壁”を超えるほどの貢献度を、具体的に用意する事が必要です。
企業を選ぶ基準
経験をベースにした企業選びでは次のようなポイントが挙げられます。
転職の軸を決める
まずは大前提として、転職の軸を明確にしましょう。
転職において「必ず実現したい条件」そして「譲れる条件」も決めておきます。
例えばこの業界に行きたいという条件を設定し、実現のために年収〇%ダウンまでなら妥協する、というボーダーを決めるという事です。
定年の有無など人事制度をチェック
50代での転職は、最後の職場を決める事になる可能性が高いと言えます。
そのため、数十年後を見据えた制度はかならずチェックしてください。
具体的には、役職定年の有無や70歳雇用といった制度です。
また長く働き続けるために、社風・企業理念といったカルチャーがしっかりと自分に合っているかも重点的に確認しておくといいでしょう。
環境を大きく変えすぎない
例えばこれまで大企業に勤めていたが50代からベンチャー企業に転職する、といったような大きな変化は転職の満足度を下げがちです。
なぜなら、これまでに培ってきた経験がうまく活かせず順応できなかった場合、思う以上のストレスにさらされる事になるからです。
同規模からやや小さい規模の企業へ転職する事で、適応しやすいだけでなく役職アップなども狙えるケースがあります。
正社員にこだわらない
「絶対に正社員に転職する」というこだわりが障害になる場合もあります。
パートや派遣社員では不安定だからと敬遠せず、非正規社員への転職も視野に入れることで精神的な負担が少なくなることもあるでしょう。
焦らず視野を広げることも検討してみてはいかがでしょうか。
求人数が多い転職サービスを利用する
経験に特化して転職をする際に、ある程度選択肢が狭まってしまうのは必然です。
そのため、求人数を多く抱えている転職サービスもしくは自身の経験に特化した求人を多く扱っている転職サービスを活用しましょう。
求人サイトでの自己応募
求人サイトに登録して自身の目で求人を見に行くことも重要です。
採用要件はどういった内容か、何が求められているのかを簡単に情報収集することができます。
登録企業数の多い求人サイトであれば、数多く希望する企業に応募することができます。
ただし、企業によっては求人を非公開にしていることも少なくありません。
管理職であればなおさら非公開になっているケースが多いです。
ダイレクトリクルーティング
企業が直接求職者へアプローチをする採用手法のことです。
企業のヘッドハンターからの直接オファー(ダイレクトリクルーティング)をもらうことで、経験を評価してもらった上でカジュアル面談、もしくは選考に進むことができます。
しかし、オファーを待つことになるため自主的に応募することはできません。
そのため、求人サイトや転職エージェントと並行して利用することをおすすめします。
転職エージェント利用
転職エージェントは希望条件にあった求人を複数用意してもらえるため、転職サイト同様に選択を多く持つことができます。
また、企業と自身の経歴のマッチしているポイントについても聞くことができるため、経験を活かした転職を最も実現できる可能性があります。
非公開求人に関しても転職エージェントであれば紹介できるケースが多いのもメリットです。
50代の転職活動期間の目安
一般的に転職活動に要する期間は3ヶ月~半年と言われいます。
50代になるとおよそ半数程度で半年ほどかかる傾向にあるのですが、その中でもすぐに決まる人は1~2ヶ月程度で転職を決めています。
すぐ決まる人となかなか決まらない人の違い
企業側が50代の転職者に求める事を見ていただけるとお分かりかと思いますが、50代で転職がすぐに決まる人は「実績が豊富」「マネジメントスキルがある」「人脈が広い」のが特徴です。
評価される経験や実績があり、組織管理能力を持ち合わせている人は、すぐに決まるだけでなく年収アップも期待できます。
さらに50代の強みとしてはリファラル採用(知人の伝手による紹介採用)も挙げられます。
このような人脈を駆使できる人も、転職活動に要する時間が短い傾向にあります。
50代の転職活動事例
「最後にもう一度転職をしたい」IT企業×50代プロジェクトマネージャー
評価されたポイントはPM、PMO経験の長さと、課題解決の豊富な経験です。
ご本人が希望されていたのも自分のスキルが活かせるところということで、企業様が求めていたマネジメント経験、課題解決能力とマッチしていました。
「在籍企業の業績不振」IT企業×50代システムコンサルタント
評価されているポイントはシステム導入に関するプリセールス、要件定義からプロジェクトマネジメントの経験が豊富にある点です。
経験豊富なことからベンチャー企業でもでかなり高い評価を得ています。
ベンチャー企業というと若手の印象が強いかと思いますが、経験が豊富な人材のニーズは変わらずに高いことがわかります。
まとめ
繰り返しにはなりますが、50代の転職では経験が求められます。
更に細かく見て特に求められているのはマネジメント経験と専門性です。
そこを理解した上で、転職活動に望むことが重要となります。
IT業界での変化
即戦力性を求められるプロジェクト/プロダクトマネージャー求人を筆頭に50代の採用ニーズが上がってきています。
背景として、インターネット黎明期の経営者層が50代に差し掛かることもあり、IT業界人材の年齢層が確実に上がってきていると言えるでしょう。
転職活動をする上で、自身のキャリアの評価されるポイントや、実際に自身にマッチした企業や求人はどれくらいあるのかを調べてみると良いと思います。
転職エージェントではそういったキャリア相談を承っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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