
SaaS代表例一覧|ジャンル別・企業例でわかりやすく解説
「SaaSってよく聞くけれど、結局どんなサービスのことなのか具体的にイメージできない」そう感じたことはないでしょうか。
SaaSの代表例には、Slack・Zoom・Salesforce・freeeなど、実は8つのジャンル・30以上の定番サービスが存在します。
この記事では、ジャンル別の具体例から、PaaS・IaaSとの違い、導入のメリット・デメリット、国内外の代表企業、業界の将来性までを網羅的に解説します。
【この記事はこんな人におすすめ】
・「SaaS」という言葉の意味や具体例を身近なサービスで理解したい方
・IT業界・SaaS企業への転職に向けて業界研究をしたい方
・自社へのSaaS導入を検討していて、代表例や選び方の基準を知りたい方
この記事のまとめ
- SaaSの代表例は8ジャンル・30以上のサービスに整理できる
- PaaS・IaaSとの違いは提供範囲と自由度の差にある
- 国内外の代表企業や業界動向は転職活動の判断材料になる
目次
SaaSの代表例|ジャンル別の定番サービス一覧
SaaSの代表例は、日常業務で使われているツールの多くが該当します。
ここではビジネスチャットからECサイト構築まで、8つのジャンルに分けて定番のサービスを紹介します。
ビジネスチャット・社内コミュニケーション系のSaaS
ビジネスチャット系のSaaSは、メールに代わる社内外のやり取りの手段として定着しています。
代表例は次のとおりです。
- Slack
- Chatwork
- Microsoft Teams
- LINE WORKS
これらのSaaSには、チャット形式の会話に加えて、ファイル共有やタスクの割り振りができる点が共通しています。
Web会議・オンラインミーティング系のSaaS
Web会議系のSaaSは、リモートワークの普及とともに導入が進んだジャンルです。
代表的なサービスとして、次のものが挙げられます。
- Zoom
- Google Meet
- Microsoft Teams
- Webex by Cisco
Web会議系のSaaSは、画面共有や録画機能を備えており、社外との商談にも使われています。
Microsoft Teamsはビジネスチャットとしても利用できるため、2つのジャンルに登場します。
グループウェア・情報共有系のSaaS
グループウェア系のSaaSは、スケジュールや社内文書をチームで共有するためのサービスです。
代表例は以下のとおりです。
- Google Workspace
- サイボウズ Office
- Microsoft 365
- desknet’s NEO
カレンダー機能や掲示板機能を通じて、部署をまたいだ情報共有を支えています。
会計・人事労務系のSaaS
会計・人事労務系のSaaSは、国内企業が提供するサービスが数多く挙がるジャンルです。
代表例として、以下が挙げられます。
- freee会計
- マネーフォワード クラウド
- SmartHR
- 弥生会計 オンライン
法改正への対応や、紙の書類を減らせる点が、導入の決め手になるケースもあります。
CRM・SFA・MA系のSaaS
営業活動やマーケティングを支援するSaaSは、CRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援)・MA(マーケティングオートメーション)という略称で呼ばれます。
代表的なサービスは次のとおりです。
- Salesforce
- HubSpot
- Sansan
- kintone
顧客情報の一元管理や商談の進捗管理を通じて、営業組織の生産性向上を支えます。
kintoneは業務アプリを自社で作成できるサービスで、顧客管理の用途にも使われています。
プロジェクト・タスク管理系のSaaS
プロジェクト管理系のSaaSは、業種を問わず多くの企業で使われている定番のジャンルです。
代表例としては、以下のサービスがあります。
- Backlog
- Trello
- Asana
- Notion
タスクの割り当て先や締切を可視化できるため、チーム全体の進捗管理に役立っています。
オンラインストレージ系のSaaS
オンラインストレージ系のSaaSは、ファイルをインターネット上で保存・共有できるサービスです。
代表的なものは次のとおりです。
- Google ドライブ
- Dropbox
- Box
- Microsoft OneDrive
複数人での同時編集やバージョン管理に対応するサービスも多く、テレワークとの相性がよい点が特徴です。
ECサイト構築・その他業務系のSaaS
ECサイト構築系のサービスは、身近なSaaSとして意識されにくいものの、立派な代表例の一つです。
代表的な例には、次のようなサービスがあります。
- EBISUMART
- Shopify
- BASE
- STORES
BASEやSTORESのように専門知識がなくてもネットショップを開設できるサービスから、EBISUMARTのようにEC事業者向けのプラットフォームまで、幅広く展開されています。
SaaSの代表例一覧表(ジャンル別)
ここまで紹介したSaaSの代表例を、ジャンル・代表サービス・提供企業の観点で整理します。
全体像をつかむ際の参考になります。
| ジャンル | 代表サービス | 主な提供企業 |
|---|---|---|
| ビジネスチャット | Slack、Chatwork | Salesforce, Inc.、株式会社kubell |
| Web会議 | Zoom、Google Meet | Zoom Communications, Inc.、Google LLC |
| グループウェア | Google Workspace、サイボウズ Office | Google LLC、サイボウズ株式会社 |
| 会計・人事労務 | freee会計、SmartHR | freee株式会社、株式会社SmartHR |
| CRM・SFA・MA | Salesforce、Sansan | Salesforce, Inc.、Sansan株式会社 |
| プロジェクト管理 | Backlog、Asana | 株式会社ヌーラボ、Asana, Inc. |
| オンラインストレージ | Google ドライブ、Dropbox | Google LLC、Dropbox, Inc. |
| ECサイト構築 | EBISUMART、Shopify | 株式会社インターファクトリー、Shopify Inc. |
(参考:Salesforce, Inc.「FAQ: Salesforce Completes Slack Acquisition」、株式会社kubell「2024年12月期 通期決算説明資料」、Zoom Communications, Inc.「Allow us to reintroduce ourselves」、株式会社インターファクトリー「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」)
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そもそもSaaSとは?意味と読み方
SaaSの代表例を確認したところで、あらためてSaaSという言葉の意味を整理します。
定義と読み方の2点を順に見ていきます。
SaaSの定義(インターネット経由で使えるソフトウェア)
SaaSとは「Software as a Service」の略で、インターネット経由でソフトウェアを利用できる仕組みです。パソコンにインストールする従来型のソフトと異なり、ブラウザからアクセスするだけで使い始められます。
SaaSの料金体系は月額課金が主流で、必要な期間だけ契約する柔軟な使い方も可能です。
(参考:総務省「令和4年版 情報通信白書 クラウドサービス市場の動向」)
SaaSの読み方(サース・サーズ)
SaaSの読み方には「サース」と「サーズ」の2通りがあり、どちらも使われています。
意味や用法に違いはないため、社内や取引先で使われている読み方に合わせれば問題ありません。
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SaaSの代表例とPaaS・IaaSの違い【比較表つき】
クラウドサービスには、SaaSのほかにPaaS・IaaSという提供形態があります。
この3つは、提供範囲と自由度の観点で区別されます。
比較表で見るSaaS・PaaS・IaaSの違い
SaaSの代表例と対比しながら、3つの違いを提供内容・自由度・代表サービスの観点で比較します。
| 分類 | 提供内容 | 自由度 | 代表サービス |
|---|---|---|---|
| SaaS | 完成されたソフトウェア | 低い(設定変更が中心) | Salesforce、freee会計 |
| PaaS | アプリケーションの開発・実行基盤 | 中程度(開発の自由度が高い) | Google App Engine、Heroku |
| IaaS | サーバーやネットワークなどのインフラ | 高い(OSから構築可能) | Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、Microsoft Azure Virtual Machines |
利用者が自由に決められる範囲が広いほど、構築や運用に求められる専門知識も増えます。
PaaSとは
PaaSとは「Platform as a Service」の略で、アプリケーションを開発・実行するための基盤を提供する形態です。SaaSが完成したソフトウェアを提供するのに対し、PaaSは開発の土台を提供します。
開発者はインフラの構築を意識せず、アプリケーション開発そのものに集中できます。
IaaSとは
IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略で、サーバーやストレージといったインフラをインターネット経由で提供する形態です。SaaSやPaaSと比べて、利用者が決める範囲が最も広くなります。
OSやミドルウェアの選定まで含めて、利用者が柔軟に環境を構築できます。
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SaaSを導入するメリット・デメリット
SaaSの導入には、業務効率化につながる複数のメリットがあります。代表的な4つのポイントを紹介します。
- 初期コストを抑えられる:サーバーやソフトウェアを自社で購入する必要がなく、月額料金で利用を始められます。
- 場所を問わず利用できる:インターネット環境があれば、社外や在宅からもアクセスできます。
- 保守・運用の負担が軽い:サーバー管理やバージョンアップは提供企業が対応するため、社内の運用負担が減ります。
- 常に最新機能を使える:アップデートが自動的に反映され、追加のインストール作業は発生しません。
SaaSの代表例として挙げたSlackやfreee会計も、こうしたメリットを背景に多くの企業で導入されています。
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SaaSのデメリット・注意点
導入メリットが多い一方で、SaaSにはあらかじめ理解しておきたい注意点もあります。
- セキュリティリスク:データを外部のサーバーに預けるため、提供企業のセキュリティ体制を事前に確認する必要があります。
- カスタマイズ性の制限:既存の機能を前提に使う形式のため、自社独自の細かい要望には対応しきれない場合があります。
- サービス終了のリスク:提供企業の事業方針によって、サービスの終了や仕様変更が行われる可能性があります。
SaaSのこれらのリスクは、契約前の情報収集によってある程度軽減できます。
失敗しないSaaS選定の5つのポイント
数あるSaaSの中から自社に合うサービスを選ぶには、判断基準を事前に整理しておくと比較しやすくなります。
- 導入目的の明確化:解決したい課題を先に整理し、目的とサービスの機能を照らし合わせます。
- 料金体系の確認:ユーザー数や機能によって金額が変わるプランが多いため、長期的なコストを試算します。
- セキュリティ認証の有無:ISMS認証(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークの取得状況が判断材料になります。
- サポート体制の内容:導入後の問い合わせ対応やマニュアルの整備状況も、比較の対象になります。
- 無料トライアルの活用:実際の操作感を確かめたうえで、本契約に進む流れが一般的です。
SaaSの代表例となるサービスの多くは、無料トライアルや資料請求に対応しています。
複数のサービスを同じ基準で比べると、自社に合うSaaSを絞り込みやすくなります。
(参考:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)「外部委託におけるISMS適合性評価制度の活用方法」)
(参考:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)「プライバシーマーク制度 パンフレット」)
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ホリゾンタルSaaS・バーティカルSaaSの違いと代表企業
SaaSの代表例は、対象となる業種の広さによって、ホリゾンタル型とバーティカル型の2つに分類されます。
ホリゾンタルSaaSとは(汎用型)
ホリゾンタルSaaSとは、業種を問わず幅広い企業で利用できる汎用型のSaaSです。会計ソフトやビジネスチャットのように、業種の違いにかかわらず共通して必要とされる業務を支援します。
freee会計やSlackなどは、ホリゾンタルSaaSの代表例です。
バーティカルSaaSとは(業種特化型)
バーティカルSaaSとは、特定の業種の業務プロセスに特化して設計されたSaaSです。医療業界向けの電子カルテシステムや、建設業界向けの施工管理ツールなどが該当します。
バーティカルSaaSには、特定業種の商習慣に合わせた機能が用意されているため、業界特有の課題を解決しやすい特徴があります。
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国内・海外の代表的なSaaS企業一覧
SaaSの代表例となるサービスの背景には、それぞれを提供する企業があります。
ここでは国内と海外に分けて、代表的な企業を紹介します。
国内の代表的なSaaS企業
国内には、独自の強みを持つSaaS企業が数多くあります。
- 株式会社SmartHR
- freee株式会社
- サイボウズ株式会社
- Sansan株式会社
- 株式会社マネーフォワード
国内のSaaS企業は、日本の商習慣や法制度に合わせたサービス設計が特徴です。
海外の代表的なSaaS企業
海外発のSaaS企業には、グローバル規模で事業を展開する大手が名を連ねます。
- Salesforce, Inc.
- Microsoft Corporation
- Google LLC
- Zoom Communications, Inc.
いずれも幅広い業種・規模の企業に導入されており、SaaSの代表例として名前が挙がる存在です。
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SaaS業界・SaaS企業への転職を考えるなら知っておきたいこと
SaaSの代表例を提供する企業は、成長が続く市場に位置しており、転職先としても注目されています。
業界研究の一環として、SaaS企業の職種・年収・採用動向を整理します。
SaaS企業で求められる主な職種
SaaS企業には、サービスの導入から定着までを支える複数の職種があります。
- SaaSセールス:新規顧客への提案から契約までを担います。
- カスタマーサクセス:契約後の活用支援を通じて、解約防止と利用拡大を担います。
- エンジニア:サービスの開発・保守を行い、機能改善を継続的に進めます。
- マーケター:見込み顧客の獲得施策を企画・実行します。
SaaS企業では、営業とサポートの両面が事業の成長を支えている点が特徴です。
SaaS企業に関連する職種
SaaS企業に関連する職種のうち、平均年収が最も高いのはWebマーケティング企画の640万円です。中央値は630万円、最大年収は900万円となっています。
Web系SE・PG(自社製品)は、平均年収が572万円、中央値が550万円です。最大年収は3職種のなかで最も高い1,450万円で、担当領域や経験によって年収帯に幅が出る職種といえます。
営業(ソフトウェアパッケージ/SaaS)は、平均年収が555万円、中央値が540万円、最大年収が930万円です。SaaSの営業職は、インセンティブ制度の有無など企業ごとの給与体系によっても、実際の年収が変わります。
いずれの職種も、平均年収と中央値の差は10万〜20万円台にとどまっており、近い水準で推移しています。ただし、アンケート回答者をもとにした数値のため、実際の年収は企業や経験によって異なります。
SaaS企業ごとの年収の目安や、これまでの経験に近い職種の年収は、キャリアアドバイザーに相談すると具体的に確認できるでしょう。
SaaS業界の市場規模と将来性
SaaSを含む国内のパブリッククラウドサービス市場は、拡大が続いています。
SaaS単体の市場規模は調査機関によって集計範囲が異なるため、ここではSaaSを含むパブリッククラウドサービス全体の数値を紹介します。
総務省の令和7年版情報通信白書によると、日本のパブリッククラウドサービス市場は、2024年に前年比26.1%増の4兆1,423億円となりました。
IDC Japanの予測では、2024年〜2029年の年間平均成長率は16.3%で、2029年の市場規模は2024年比で約2.1倍の8兆8,164億円に達する見込みです。
2024年は、生成AIに関連する製品・サービスの売上増加や、レガシーシステムのクラウド移行、デジタルビジネスを目的とした投資の活性化が市場を押し上げました。
こうした市場の拡大を背景に、SaaSの活用範囲は今後も広がると考えられます。SaaSの代表例を提供する企業にとっても、事業を伸ばしやすい環境が続く見通しです。
(参考:総務省「令和7年版 情報通信白書 クラウドサービス」)
(参考:IDC Japan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表」)
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SaaSの代表例に関するよくある質問
SaaSの代表例について、よく寄せられる疑問に回答します。
Q.SaaSとASP・PaaS・IaaSの違いは何?
A.ASPはSaaSの前身にあたる概念で、現在はほぼ同じ意味で使われることもあります。
一方でPaaS・IaaSは、SaaSよりも利用者が自由に決められる範囲が広く、開発基盤やインフラそのものを提供する点が異なります。
Q.無料で使えるSaaSはある?
A.SlackやTrello、Google ドライブなど、無料プランが用意されているSaaSは多くあります。
ただし、利用人数や容量に制限が設けられているケースが一般的です。プラン内容は変更されることもあるため、契約前に各サービスの公式サイトで最新の条件を確認する必要があります。
Q.SaaSの読み方は「サース」「サーズ」のどっち?
A.SaaSの読み方は「サース」と「サーズ」の2通りで、どちらも使われています。
意味に違いはないため、社内や取引先で使われている読み方に合わせれば問題ありません。
Q.日本を代表するSaaS企業はどこ?
A.株式会社SmartHR、freee株式会社、サイボウズ株式会社、Sansan株式会社などが、国内を代表するSaaS企業として挙げられます。
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