
組み込みエンジニアの転職先は?スキルを活かせるキャリアパス紹介
この記事では、組み込みエンジニアのスキルを活かせるキャリアパスの例を解説します。組み込みエンジニアはAIやIoT技術の発展に伴い、高い需要が続く職種です。これから目指す方も、キャリアアップ転職を考える方も、可能性を把握しておきましょう。
目次
組み込みエンジニアの仕事内容
組み込みエンジニアの仕事内容は、以下の通りです。
・基本設計、詳細設計
・開発、実装
・テスト
上記の仕事内容を見ると、一般的なシステム開発と大きな違いはありません。
しかし組み込みシステムは、Webサービスのようにリリース後の修正ができないため、不具合が発生しないようなシステムを開発しなければならないのです。
また組み込みエンジニアには以下3つの種類があり、それぞれによって、扱う機器の分野が異なります。
・小型機器型組み込み系(スマートフォンや小型家電製品などを扱う)
・通信型組み込み系(ネットワーク系のシステムや機器を扱う)
・プラント型組み込み系(産業機器や産業ロボットを扱う)
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組み込みエンジニアが転職しやすいキャリアパス例
組み込みエンジニアが今後歩んでいくキャリアパスとして、次の職種が挙げられます。
- ・IoTエンジニア
- ・システムエンジニア
- ・ソフトウエアエンジニア
- ・QAエンジニア
- ・アプリケーションエンジニア
これらは組み込みエンジニアのスキルの延長にあり、転職にあたり経験を評価してもらいやすいでしょう。以下、それぞれ解説します。
IoTエンジニア
組み込みエンジニアから転職しやすい職種として、IoTエンジニアが挙げられます。
IoTエンジニアとは、さまざまな機器同士をインターネットで繋ぐ「IoTシステム」を開発するエンジニアです。
IoTエンジニアはシステムの開発以外にも、システムの組み込みやネットワーク構築、セキュリティ対策などの業務を行います。
組み込み業務を行うため、組み込みエンジニアの仕事で身についた、C言語や組み込みOSの知識が活かせるのです。
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システムエンジニア
システムエンジニアは、開発工程における上流工程と呼ばれる要件定義や設計業務を担います。
顧客折衝力が欠かせない役割であり、クライアントの要求を正確にヒアリングするために、組み込みエンジニアとして培った知識が活かせるでしょう。
システムエンジニアは、テストや運用保守を担当することもあるため、開発工程の体系的な知識や全工程を網羅するスキルが求められます。
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ソフトウエアエンジニア
ITシステムやスマートフォン、タブレット、PCのソフトウェアの設計・開発を担う仕事です。
組み込みエンジニアの仕事で培ったプログラミングスキルが活かせます。
要件定義や設計といった上流工程から運用・保守まで幅広く担当するため、幅広い知識や技術への深い理解が求められます。
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QAエンジニア
製品やサービスが求められる品質を保証するために、確認や品質管理を行う仕事です。
QAエンジニアによってテストやレビューを繰り返されリリースの可否が判断されます。
製品やサービスに関する全般的な知識・スキルが求められる点は組み込みエンジニアと同じです。
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アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、Webブラウザ上で動作するアプリケーションを開発したり、スマートフォンでインストールできるアプリケーションを開発する仕事です。
顧客情報を管理したり、業務改善のためのアプリケーションを開発してクライアントに提供する場合もあります。
組み込みエンジニアで培った開発スキルを活かすことも可能です。
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組み込みエンジニアのスキルが活かせるキャリアチェンジ例
組み込みエンジニアからキャリアチェンジする場合のおすすめな職種は以下の通りです。
- ・システムアーキテクト
- ・プロジェクトマネージャー
- ・AIエンジニア
- ・Webエンジニア
- ・フルスタックエンジニア
なぜキャリアチェンジにおすすめなのか、それぞれ解説します。
システムアーキテクト
システム企画や要件定義、基本設計、詳細設計などシステム開発における上流工程を担当するのがシステムアーキテクトです。
クライアントのニーズを正しく把握する力、プロジェクトを管理する力、全体像を俯瞰する力などを磨くことで目指せるでしょう。
組み込みエンジニアの仕事を通して、ニーズにマッチしたシステムとは何かを追求する力を身につける必要があります。
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プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、顧客と密にやり取りしながら、プロジェクトの策定を担う役割です。
必要な環境を整え、人員を調達するのもプロジェクトマネージャーの仕事で、進捗を管理します。
組み込みエンジニアの経験を活かせば、開発者目線でより実現可能なシステムを策定することができるでしょう。
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AIエンジニア
AI(人工知能)を活用したシステムの設計・開発を手がける技術者です。
機械学習やディープラーニング、データ分析といった知識はもちろん、数学的知見や論理的な思考も求められます。
AI開発にはPythonやR言語が用いられるため、組み込みエンジニアとして使った経験があれば活かすことができます。
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Webエンジニア
Web系エンジニアは、組み込みエンジニアと比べて仕事内容や重要視する点などは違うものの、全くのIT未経験者よりは転職しやすいです。
なぜなら、Web開発においてもJavaを使う機会が多いからです。
組み込みエンジニアとしてJavaのスキルを身につけておけば、Web系エンジニアに転職する際のアピールになります。
Web系エンジニアはJava以外にも、HTML/CSS、PHPなどの言語を頻繁に使うため、それらのスキルも勉強しておくと良いでしょう。
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フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアはその名の通り、通常では複数人で手掛けるプロジェクトを一気通貫して行える人材です。
広い分野においてスペシャリストとして活躍できるだけの実力を持つうえに、企業にとっては人件費の削減につながるため、市場価値が高く、近年需要が高まっています。
組み込みエンジニアとして身につけたスキルをさらに掘り下げ、たくさんのプロジェクトを経験しながら貪欲に学ぶ姿勢が必要です。
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組み込みエンジニアの需要が高いおすすめの転職先業界
組み込みエンジニアのキャリアチェンジにおすすめな業界は以下の通りです。
- ・自動車業界
- ・家電業界
- ・製造業界
- ・住宅設備業界
- ・医療業界
同じ組み込みエンジニアでも業界によって職場の環境や雰囲気は変わります。ひとつずつ解説します。
自動車業界
自動運転や予防安全システムなどの普及により、組み込みエンジニアの需要が高まっています。
自動車制御に関するシステムを車載組込みシステムと呼び、開発には組み込みエンジニアが欠かせないので、組み込みエンジニアとして将来性の高い業界となっています。
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家電業界
IoT技術の普及は、エアコン、電子レンジ、洗濯機やテレビ、ビデオデッキ、チューナーといったAV機器やゲームなどの娯楽機器にも影響を与えています。
IoT家電にはセンサーやそれを制御する機能、それに通信機能も必要です。
組み込みエンジニアとしての将来性も高い業界だと言えるでしょう。
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製造業界
製造業の工業用ロボット市場は拡大を続けています。
他にもIoT化が進む産業機械業界においては、総務省が進める「Industry 4.0」の影響もあり、組み込みエンジニアの活躍は特に期待されています。
IoTやAI活用の知見を持つ人材が特に重宝される業界です。
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住宅設備業界
近年、住宅設備においてもIoT化が顕著です。
例えばスマートキーや、家にいなくてもエアコンや給湯器を操作する技術が代表的です。
IoT住宅は増加しており、普及するにつれて組み込みエンジニアの需要はさらに高まるでしょう。
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医療業界
医療業界とITは親和性が高く、さまざまな分野において技術の活用が進められています。
例えばレントゲンやMRといった医療機器や測定機器など、組み込みエンジニアが活用できる領域は今後ますます広がると考えられます。
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未経験から組み込みエンジニアになるために必要なスキル
未経験から組み込みエンジニアとしてキャリアを積みたい場合、必要なスキルは以下の通りです。
- ・【基礎】プログラミングスキル
- ・【基礎】ソフトウェアの知識
- ・【応用】ハードウェアの知識
- ・【応用】OSの知識・スキル
- ・【実践】アセンブラ言語のスキル
転職活動の際は、個人でどのようなスキルが身につくように努力したか言えるようにしておきましょう。
【基礎】プログラミングスキル
組み込みシステムを開発する際は、C言語やC++、Javaやアセンブリなどの言語を使用します。
そのため、組み込みシステムを開発するなかで、プログラミング言語の知識が身につきます。
JavaやC言語は習得難易度が高いものの汎用性も高いため、身につけることでエンジニアとしてのキャリアの幅が広がるでしょう。
【基礎】ソフトウェアの知識
ソフトウェアは家電や工業機器などの製品を実際に動かすプログラムの部分のことで、目には見えません。
組み込みエンジニアは、ハードウェアの構成に基づいてソフトウェアの開発を行います。
ソフトウェアの実装に必要となるのが、プログラミング言語です。ファームウェアやミドルウェア、ドライバ、アプリケーションなどの知識を身につけましょう。
【応用】ハードウェアの知識
ハードウェアは目に見える機械の部分を指す言葉です。
未経験から組み込みエンジニアを目指す際には、まずは電気機器を制御するための電子部品であるマイコンの学習から始めるとよいでしょう。
システムの挙動を制御する小型のコンピュータを埋め込む組み込みエンジニアには、CPUや電子回路の知識も欠かせません。
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【応用】OSの知識・スキル
組み込みエンジニアにとってのOSとは、Windowsなどのことではなく、家電製品や情報機器などさまざまな
機械に組み込まれているシステムを制御するために必要なOSを指します。よく使われるOSとして、「TRON(トロン)」や「Linux(リナックス)」が挙げられます。
複雑な処理や動作を実現するためには、組み込みOSの存在が不可欠です。
上記のような組み込みOSのスキルは実務でも役立つため、率先して身につけましょう。
【実践】アセンブラ言語のスキル
アセンブラ言語は、メモリの処理最適化や高速化のために用いられる言語です。
コンピュータが理解できる言葉である「機械語」に近いプログラミング言語で、「低水準言語」と呼ばれます。
機械語に近いために処理速度が速く、メモリ効率を高めるためにも組み込みエンジニアには身につけておくことが求められるスキルです。
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組み込みエンジニアのキャリアアップに役立つ資格
キャリアアップを考える際に、資格の取得は重要なポイントです。さらにスキルアップさせたいと感じたら以下の資格がおすすめです。
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・ETEC
・OCRES
・JSTQB認定テスト技術者資格
・LPIC・LinuC
それぞれどのような資格なのか、ひとつずつ解説します。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、高度情報処理技術者試験の中でも難易度が高い資格に位置付けられており、組込みシステム開発に関する問題が幅広く出題されます。
IoT機器などをはじめとして、広く利用されるシステムの機能、性能、品質、セキュリティや各工程への理解が問われる内容です。
難易度が高い資格であるので、組み込みエンジニアとしての将来性も高められるでしょう。
基本情報技術者試験
ITの基礎知識から、ネットワーク、サーバー、データベース、システム開発の流れ、セキュリティまで幅広く問われます。
資格保有者は上位者の指示に従って業務を行うことができるレベルとされ、ITに関する体系的な知識を有していることが証明できる資格です。
なお、マネジメントや経営に関する出題もされるため、キャリアップするための知識を身に付ける際にも役立ちます。
応用情報技術者試験
基本情報技術者試験の上位資格に該当します。
応用レベルでは、上位者の考えを理解できるレベルとされており、出題もより実践的な内容です。
出題範囲が広く、基礎的な知識を持ち実務経験が豊富なエンジニアであっても十分な準備が必要な試験であり、取得することで上位ITエンジニアを目指す足掛かりとなるでしょう。
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ETEC
ETEC(Embedded Technology Engineer Certification:組込み技術者試験制度)は組み込み技術者向けの試験です。
組み込みソフトウェア技術者試験クラス2(エントリレベル)」と「組み込みソフトウェア技術者試験クラス1(ミドルレベル)」の2段階のレベルが用意されており、合否判定はなく、理解度や活用運用能力について分野別に800点満点で評価します。
コンピュータで動作する製品が正常に作動できるプログラム構築のスキルが問われるため、組み込み系ソフトウェアの技術者は取得しておきたい資格です。
OCRES
OCRES(OMG認定組込み技術者資格)は、国際標準化団体OMGが実施する世界標準の技術者試験です。
「OCUPファンダメンタル」「OCRESインターメディエイト」「OCRESアドバンスト」の3段階のレベルが用意されており、組み込みシステムのプログラミングなどの知識や経験が問われます。
国際的に認められた資格であり、取得することでキャリアパスの可能性を広げることができるでしょう。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)認定テスト技術者資格は、日本国内のソフトウェア技術者のテスト技術向上を目的として用意された資格試験です。
「Foundation Level」(FL)と「Advanced Level」(AL)の2段階のレベルが用意されており、ソフトウェアのテスト技法、テストマネジメント、テスト評価のスキルが問われます。
ソフトウェアテストに関する基本的な知識を体系的に理解できるため、テストエンジニア、QAエンジニアとしてのスキルアップも期待できるでしょう。
LPIC・LinuC
LPICとLinuCはいずれもLinuxに関する技術者認定試験です。
両者の違いは、LPICはグローバルな資格であり、国内の知名度もLinuCよりも高い傾向にあること、LinuCは日本にローカライズした認定試験であることです。
いずれも難易度は同程度であり、その後に目指すキャリアによってどちらを受験するか決めるとよいでしょう。
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組み込みエンジニアの将来性
「組み込みエンジニアになりたい」と思っていても、将来性について気になる方も多いでしょう。
組み込みエンジニアは、今後技術の発展によりIoTやロボット化が加速する中で非常に需要のある職種になります。
今後人材も不足する中でその需要はますます重宝されるといわれています。
しかし、AI化やセキュリティ対策の強化についていけるようなスキルや知識が今後さらに求められます。
より将来組み込みエンジニアとしてのスキルを活かしていくためには、最新技術に対する知識・スキルのアップデートも必要になるでしょう。
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組み込みエンジニアのキャリアパスは、未経験の場合、テストエンジニアからスタートすることが多いです。
テストエンジニアとして経験を積むことで、プログラマやシステムエンジニアなどにステップアップできます。
「組み込みエンジニアのとしてキャリアアップしたい」
「IT業界で転職して年収を上げたい!」
「もっと自分に合った環境で働きたい!」
などのキャリアのお悩みは是非、「IT・Web業界の知見が豊富なキャリアアドバイザー」にご相談ください!
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