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エンジェル投資家を分かりやすく解説!普通の投資家とは何が違う?

起業する、あるいは新しいスタートアップに投資する時にチェックしたいのが「エンジェル投資家」です。投資には様々な形がありますが、日本国内でもエンジェル投資家の存在はどんどん大きくなっています。そこで今回は「エンジェル投資家」とはなんなのか、そして投資家とエンジェル投資家の違いやマッチング方法を解説します。

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エンジェル投資家とは

 

エンジェル投資家とは、個人資産でスタートアップ企業などに投資をする”個人”のことです。

エンジェルという名称は、1978年にベンチャーリサーチセンターの創業者が、スタートアップ企業に投資する個人を表現したことから始まりました。

起業をして間もないスタートアップ企業は実績もなく、金融機関からの資金調達が困難で、有望な事業計画でも実行に移すことが難しい状況にあります。しかし、個人から融資を受けることで事業の実現に繋げる足がかりとなります。投資した個人にとっても有望なスタートアップに投資することへの価値は非常に高いのです。

 

 

普通の投資家とエンジェル投資家の違い

 

 

一般的な投資をおこなう普通の投資家とエンジェル投資家の違いは、以下のように区別できます。

 

・普通の投資家:ベンチャーキャピタル(VC)

・エンジェル投資家:個人投資家

 

それぞれの投資家は、投資金額や資金調達のハードルに違いがあります。

 

ベンチャーキャピタル(VC)の特徴

 

企業へ投資する投資家のうち、エンジェル投資家と比較できるのがベンチャーキャピタル(VC)です。ベンチャーキャピタルは投資を行う“投資会社”のことを指し、有望な企業への投資でハイリターンを期待します。

企業のこれまでの業績や、これから仕掛ける事業の期待値を元に、株式公開前(株式上場前)に株式を引き受け、株式公開後(株式上場後)のキャピタルゲインを獲得します。

株式上場には資金が必要ですが、上場を目指す企業はそれまでの実績を持っていますよね。これらを企業価値として資金調達を行う時に、ベンチャーキャピタルを頼るわけです。

 

エンジェル投資家の特徴

 

エンジェル投資家は、実績も存在しないまさにスタートアップ企業に投資する個人です。資産を持つ個人が、期待値の高いスタートアップに投資します。また、企業にとってエンジェル投資家から受けた融資は、事業そのものを実現するための資金になります。

ベンチャーキャピタルが投資する目的は企業価値を更に高め、その価値による大きなリターンを得ることです。それに対してエンジェル投資家が投資する目的は、もちろん企業が成功してリターンを得ることもひとつですが、有望な企業をスタートから支えることで若い起業家や次世代を応援することなのです。

エンジェル投資家のほとんどは自身が事業で成功した資産家などで、資金と同時にノウハウも提供するというスタイルが多く、経験値の少ない起業家にとっては頼れる存在です。

ただし、実績のないスタートアップ企業への投資は、すでに実績のある企業への投資と比べても遥かにリスクの高い投資です。どんなに成功率が期待できる事業計画でも、途中で頓挫してしまうことは常に考慮しなければなりません。

一方スタートアップ企業側から見れば、実績がない状態でも投資をしてくれるエンジェル投資家は、強力な支援者となるのです。

 

 

クラウドファンディングとの違い

 

エンジェル投資とクラウドファンディングの違いは、その事業の幅です。

クラウドファンディングでは、スタートアップ企業の他にもアーティスト活動や個人の活動をサポートします。調達資金額も非常に少なく、投資する側も複数の一般の個人が少額ずつ支援するといったスタイルです。

 

 

エンジェル投資家から資金調達を受けるメリット

 

 

エンジェル投資家から資金調達をするメリットには以下のようなものがあります。

 

・調達資金は返済しなくてよい

・エンジェル投資家の経験を踏まえたアドバイスを受けられる

・エンジェル投資家のブランド力がある

 

調達資金は返済しなくてよい

 

金融機関などからの資金調達では計画的に返済をする必要がありますが、エンジェル投資家から調達した資金は返済の必要がありません

事業主の信頼性や事業計画に将来性が、資金調達時の担保となりますので、事業が成長し価値が上がればエンジェル投資家にリターンをもたらすことができます。しかし、万が一事業が失敗したとしても、借金を抱えるようなことはなく、ただ投資金がなくなるだけなのです。

時間や信頼性を失うといったリスクはありますが、返済だけが残ってしまうといった心配はありません。

 

エンジェル投資家の経験を踏まえたアドバイスを受けられる

 

エンジェル投資家は自分自身が既に事業に成功している人がほとんどです。事業を成功させるために様々な苦難を乗り越えており、多くのノウハウを持っています。

ですので、資金を調達できるだけではなく経営や事業遂行のノウハウのアドバイスを受けられるという期待があります。場合によっては、経営により近いポジションで事業に関わるということも考えられます。

 

エンジェル投資家のブランド力がある

 

自身でも事業を成功させている実績から、その名前にブランド力を持つ人も多いでしょう。スタートアップ企業が名のある人物から出資を受けたということで、そのブランド力によって信頼性を得ることが期待できます。

信頼性は事業における取引にとっても非常に優位に働くので、勢いを得ることができるのです。

 

 

エンジェル投資家から資金調達を受けるデメリット

 

 

エンジェル投資家から資金調達を受けるデメリットには以下のようなものがあります。

 

・事業への影響力が強くなる場合がある

・調達できる資金が少ない場合がある

 

事業への影響力が強くなる場合がある

 

エンジェル投資家から資金調達を受けることで、投資家からのアドバイスが期待できる反面、経営にも深く関わることで起業家が会社を思い通りに経営できなくなる場合があります。

資金の援助を受けているため、投資家との関係は対等、もしくは投資家の声の方が強くなる場合もあるのです。そうなると、企業当初に思い描いた経営ができなくなったり、極端な言い方をすると会社を自由にコントロールできなくなります。

 

調達できる資金が少ない場合がある

 

エンジェル投資家は資産家であることが多いのですが、調達できる金額は金融機関に比べて少ない場合が多いのです。あくまでも個人の投資ですので、巨額の出資を期待することはできません。

スタートアップ企業への投資という意味でも、実績がなく投資家にとって大きなリスクとなりますので、必要最小限の投資となるのです。

 

 

エンジェル投資家とのマッチング

 

実際にエンジェル投資家を探す方法としては、マッチングサイトを利用するのが便利です。エンジェル投資家とのマッチングサイトは増えており、インターネット上を検索すればすぐに見つけることができるでしょう。

比較的有名なマッチングサイトとしては以下のものが挙げられます。

 

・Angel List(エンジェルリスト)

・FUNDINNO(ファンディーノ)

・ANGEL PROT(エンジェルポート)

 

これまで、起業家とエンジェル投資家は双方を探すことが難しかったことと、既存するマッチングサイトが丁寧な運営がなされていなかったなど使い勝手の悪いものでした。

しかし近年、日本国内でもエンジェル投資が広まるにつれてマッチングサイトの質も上がり、スタートアップ企業も投資家を見つけやすくなったのです。米国に比べると日本ではまだまだ拡大の余地がありますので、マッチングサイトも充実していくでしょう。

 

 

まとめ

 

スタートアップ企業にとって、事業の将来性や可能性を担保に資金調達ができるエンジェル投資家の存在は非常に大きく、実力のある若い起業家が育つ環境が構築されています。

個人からの出資ですので、経営自体に深く関わり大きな影響を与える存在というデメリットもありますが、事業を実現したい起業家にとってなくてはならない存在です。

日本国内では今後もエンジェル投資というキーワードが拡大し、様々な事業が日本国内から発信されるきっかけになるかもしれません。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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