SESは30代も続けられる？キャリアパス例と年収データを公開
30代SESの将来は行動次第で明るく、経験を活かせばキャリアアップや年収アップも十分に可能です。本記事では、「やめとけ」という不安の声の真偽や市場価値を高めるキャリアパス、失敗しない企業選びのポイントを解説します。自分の市場価値を適切に把握して、理想のキャリアを実現しましょう。
目次
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【自社データ公開】30代SESエンジニアの年収の現実は？
30代は、エンジニアとして働き盛りである一方、ライフイベントの変化により収入面への意識が増す時期です。
SESという働き方において、30代が手にする報酬の実態はどのようになっているのでしょうか。
客観的なデータに基づき、現在の立ち位置を確認していきましょう。
- 30代SESの平均年収を調査｜全体・他年代との比較
- SESエンジニアはやめとけ？年収が上がりにくい構造的な4つの壁
まずは、自社データをもとに以下解説します。
30代SESの平均年収を調査｜全体・他年代との比較
Geekly（ギークリー）の自社データでは、SES全体の平均年収は約408万円です。
その中でも30代の平均年収が全体と同じ約408万円であることから、30代以降平均よりも高水準に転じていることがわかります。
年齢に伴い平均年収が上昇しているため、スキルや経験によってより高い年収水準を目指せることが期待できるでしょう。
【あわせて読みたい】SESの平均年収データについて詳しくはこちら⇓
SESエンジニアはやめとけ？年収が上がりにくい構造的な4つの壁
「SESエンジニアはやめとけ」と言われる理由として、年収が上がりにくいという声が挙げられます。
30代になっても年収が伸び悩むと感じる方がいる背景には、個人のスキル不足だけでなく、SES業界特有の仕組みが大きく関係しています。主な要因は以下の4点です。
①還元率の低さと商流の問題（準委任契約）
SESは「準委任契約」であり、エンジニアの単価から会社の利益を引いた額が給与となります。商流が深い（下請け構造の）案件では、元の単価が低くなるため、どれだけ働いても給与の上限が決まってしまいます。
②案件単価による給与格差
テストや運用保守などの「下流工程」ばかりを請け負う企業にいる場合、案件単価自体が低いため、昇給が難しくなります。
③スキルアップ機会の欠如
裁量権のない現場や、単純作業の繰り返しでは、市場価値を高めるためのスキルが身につきません。結果として単価交渉の材料がなく、年収が停滞します。
④待機期間による収入減のリスク
営業力が弱い会社では「案件が決まらない（待機）」期間が発生するリスクがあります。この間、休業手当として給与が6割程度に減額されるケースもあり、年収を下げる要因となります。
【あわせて読みたい】SESの待機期間について詳しくはこちら⇓
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30代SESエンジニアが年収アップするためのキャリアパス
現状の年収に満足できない場合、闇雲に努力するのではなく「どこで戦うか」という戦略が重要になります。
30代から年収を確実に引き上げるための主なルートは、以下の3つです。
- 商流の浅い高還元SESへ移り給与水準をベースアップする
- 自社開発やSIerへ転職し、上流工程やマネジメント経験を積む
- 特定の技術領域に特化してスペシャリストを目指す
それぞれの特徴を理解し、自分の適性や希望する働き方に合った道を選択しましょう。
商流の浅い高還元SESへ移り給与水準をベースアップする
年収アップが期待できるのは、エンジニアの単価を給与に直結してくれる高還元SESへの転職です。
高還元SESであれば単価の大部分が給与として反映されるため、思うように年収が得られない原因が環境にある場合は、現場での業務内容は大きく変わらずに年収アップできる可能性もあります。
現場での実務経験が豊富な30代は、高単価案件を獲得しやすい点が強みです。特に案件選択制度がある企業を選べば、自分の年収を自分でコントロールする感覚を掴むことも可能です。
しかし、教育体制が薄い企業も多いため、自走できるスキルがあることが前提となります。
自社開発やSIerへ転職し、上流工程やマネジメント経験を積む
長期的な年収の最大化を目指すなら、開発の「上流工程」へシフトすることも選択肢の一つです。SESで培った現場の知見を武器に、自社プロダクトを持つ企業や大手SIerへの転身を図ります。
要件定義や基本設計などの上流工程は、実装工程に比べて人件費単価が高く設定されている点が特徴です。プロジェクトマネジメントの経験があれば、市場価値を劇的に高められるでしょう。
技術の流行に左右されにくいポータブルスキルを身につけられる点も大きなメリットです。
特定の技術領域に特化してスペシャリストを目指す
マネジメントよりも技術を極めたい場合は、希少性の高いスペシャリストを目指す道もあります。
セキュリティ・クラウドアーキテクチャ・大規模データ処理などの領域は、常に人手不足です。「誰にでもできる技術」ではなく「あなたにしか頼めない技術」を持つことで、重宝される人材になれるでしょう。
スペシャリストとして成功するためには、複数の技術を掛け合わせる戦略が効果的です。インフラ × セキュリティやJava × AWSのように領域を跨いだ知識を持つことで、代替不可能な存在になれます。
30代のうちに一つ核となる強みを確立できれば、40代以降も第一線で活躍し続けられるでしょう。
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30代SESエンジニアが希望のキャリアパスを実現するためのポイント
30代のエンジニアが市場から求められる人材になるためには、スキルのアップデートと戦略的な環境選びが不可欠です。
ここでは、具体的にどのようなアクションを起こすべきかを解説します。
- クラウド、AI、データエンジニアリングなど需要が高い領域のスキルを身につける
- マネジメント経験を積む
- 資格で体系的な知識を証明する
- キャリアプラン実現に必要なら環境を変える
目指したい方向性に必要な方法を選択しましょう。
クラウド、AI、データエンジニアリングなど需要が高い領域のスキルを身につける
現代のIT市場において、レガシーな技術だけに依存するのはリスクが伴います。
クラウド・AI・データエンジニアリングといった需要が高いモダンな技術を習得することで、SESとしての単価も、転職時の評価も高められるでしょう。
クラウド・AI・データエンジニアリングなどのスキルを身につけることで、以下のようなキャリアパスを目指せます。
- ・ITアーキテクト
- ・テックリード
- ・フルスタックエンジニア
30代後半以降のキャリアを固めるためにも、これらを目指す過程で得られるスキルを武器として活用することが大切です。
マネジメント経験を積む
30代後半に差し掛かると、企業からは「チームを回せるか」を問われるようになります。たとえ小規模なチームリーダーでも、人を動かして成果を出した経験は大きな強みとなるでしょう。
開発の現場でメンバーをフォローしたり、進捗管理を手伝ったりすることから始めてみることが大切です。
マネジメント経験を積むことで、以下のようなキャリアパスを目指せます。
- ・プロジェクトマネージャー / プロジェクトリーダー
- ・エンジニアリングマネージャー
- ・社内SE
- ・SRE（Site Reliability Engineering）
マネジメント能力はどの企業・業界に転職しても通用する汎用性の高いスキルであるため、身につけておけるとよいでしょう。
資格で体系的な知識を証明する
「何ができるか」を客観的に証明する手段として、資格取得は効果的です。難易度の高い国家資格やベンダー資格を取得しておくと、学習意欲と専門性を同時にアピールできるでしょう。
資格取得を目指したい注目の領域は、以下のとおりです。
- ・クラウドエンジニア
- ・データエンジニア / データサイエンティスト
- ・セキュリティエンジニア
- ・AIエンジニア
資格取得は単なる肩書きではなく、足りていない知識を補い、技術の解像度を上げるプロセスでもあります。
30代以降のキャリア形成に役立つスキルを身につけるためにも、資格取得のための勉強はおすすめです。
キャリアプラン実現に必要なら環境を変える
どれほど個人が努力しても、所属するSES企業のビジネスモデルがよくなければ、努力に見合った報酬は得られません。
30代はキャリアの柔軟性が残されている貴重な時期です。30代のうちにモダンな開発環境や上流工程の経験を積んでおくことは、40代や50代の生存戦略に直結します。
自分の理想とする技術に触れられない環境、マネジメントの機会が全く与えられず、この先も見込めないようであれば、早めに環境を変える決断をしましょう。
転職は逃げではなく、自分の市場価値を最大化するための手段です。「今の場所でいつか報われる」と期待するのではなく、自らキャリアを掴み取りに行く姿勢を持ちましょう。
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【30代向け】SES企業選びの基準
30代は20代と比較して求められるスキルレベルが上がる一方で、ライフイベントなどが多い兼ね合いでしっかりと条件を絞って企業選びをする必要があります。
転職先がその後のキャリアに直結しやすい年代でもあることから、まずは転職軸やキャリアプランなどを明確にして転職活動に臨みましょう。
以下、企業選びの基準のなかでも、30代が特に重視したい3つのポイントです。
- ①評価制度が明確で、単価連動型やスキル手当が充実しているか
- ②常駐先の選定権があり、モダンな技術環境やリモート案件を選べるか
- ③研修制度や資格取得支援があり、社員の長期的な成長に投資しているか
以下、それぞれ具体的に解説します。
①評価制度が明確で、単価連動型やスキル手当が充実しているか
30代でSES企業を選ぶ際、評価制度の確認は必須です。自分の市場価値が上がっても給与に反映されない会社では、モチベーションを維持できません。
「単価の◯％を支給する」という明確な基準があるか、難関資格や高度なスキルに対して適切な手当が出るかを確認しましょう。
とくに単価連動型の給与体系は、透明性が高くおすすめです。会社がどれだけマージンを取っているかがわかるため、自身の立ち位置を把握しやすくなります。
面接の際は、昇給の基準や平均的な昇給額、賞与の計算根拠を具体的に質問することが大切です。
②常駐先の選定権があり、モダンな技術環境やリモート案件を選べるか
「案件ガチャ」という言葉がある通り、SESのキャリアは参画するプロジェクトに大きく左右されます。
30代であれば、自分のキャリアプランに基づいた案件を選べる案件選択制を採用している企業を選ぶことが大切です。
また、ReactやGo、AWSなどモダンな技術に触れられるかどうかは、数年後の市場価値に大きく影響します。会社がどのような案件を保有しているか、営業力がどの程度あるかをチェックしましょう。
希望しない案件を無理やり押し付けられるような企業を見極め、避けることが大切です。
【あわせて読みたい】SESの案件ガチャについて詳しくはこちら⇓
③研修制度や資格取得支援があり、社員の長期的な成長に投資しているか
エンジニアを大切にしている企業か見極めるために、教育への投資額も確認することが大切です。
30代はアウトプットが中心になりますが、インプットを怠るとすぐに技術のトレンドから遅れてしまいます。高額な研修費の補助や資格試験の受験料負担などがある会社は、社員の長期的な成長を支援する文化が期待できるでしょう。
また、社内勉強会が活発かどうかや、技術情報のシェアが行われているかも重要な指標です。
常駐先で孤立しがちなSESにおいて、社内に切磋琢磨できるエンジニア仲間がいることは大きな支えとなるでしょう。
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【あわせて読みたい】第一志望の企業への転職に成功した事例はこちら⇓
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30代SESエンジニアについてよくある悩みと質問
ここからは、30代のSESエンジニアについてよくある悩みと質問に回答します。
- Q. 30代未経験からでもSESへの転職は可能？
- Q. 将来性の高いSES企業の特徴は？
- Q. SESから異業種や完全未経験のエンジニア職へ挑戦するのは手遅れ？
転職後に後悔しないためにも、事前に把握しておきましょう。
Q. 30代未経験からでもSESへの転職は可能？
30代でも未経験からSESに転職することは可能ですが、20代に比べるとハードルは高くなります。
20代のように、ポテンシャルだけでは採用されにくいのが現状です。これまでの社会人経験で得られたコミュニケーション力や業界知識をどうエンジニア業務に活かせるかが評価のポイントとなります。
また、まったくスキルのない状態での転職も難しいでしょう。独学やスクールでポートフォリオを作成し、意欲と基礎技術を証明することが大切です。
Q. 将来性の高いSES企業の特徴は？
将来性の高いSES企業の特徴は、主に以下の4つです。
- ・直請け（プライム）案件の比率が高い
- ・特定の技術領域に強みを持つ
- ・トレンドの領域に食い込める営業力がある
- ・環境に合わせて変化し続けられる
「直請け（プライム）案件」の比率が高い企業や、特定の技術領域に強みを持つ企業は将来性が高いでしょう。クライアントから信頼されている企業であると考えられるためです。
また、DX推進やAI導入など、トレンドの領域に食い込める企業も将来性が高いです。
環境に合わせて変化し続けられる企業であれば、技術の移り変わりが激しいIT業界でも将来性が期待できるでしょう。
Q. SESから異業種や完全未経験のエンジニア職へ挑戦するのは手遅れ？
30代であれば、異業種やエンジニア職を目指すことも手遅れではありません。
SESで身につけた現場対応力や、多種多様なシステムに触れた経験は、自社開発企業やSIerなど異なる職種でも高く評価されるでしょう。
まずは「自分は何ができるのか」を棚卸しし、次に自分のスキルを求める企業に適切にアピールすることが大切です。
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30代からのキャリア相談は、IT特化型転職エージェントGeeklyへ
30代SESエンジニアが将来の不安を解消し、理想の年収とキャリアを手に入れるためには、戦略的な環境選びが重要です。
今の職場での努力が正当に評価されないと感じているなら、一度外の世界に目を向けてみることも一つでしょう。
「今のスキルで年収を上げることはできる？」
「自分に合ったキャリアパスがわからない」
「高還元SESや自社開発企業へ転職して市場価値を高めたい」
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この記事の監修者
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【国家資格保有】キャリアアドバイザー 小峰涼平
5年間インフラエンジニアとして新規顧客提案や既存顧客への提案〜運用保守業務を経験。業務を行う中で人材業界へ興味を持ち、22年1月国家資格キャリアコンサルタントを取得。現在、資格を活かしキャリアアドバイザーとしてエンジニアの転職支援を行っております。
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