エンジニアの転職回数が多いと不利になる?転職成功のポイント5選をプロがご紹介
エンジニアにとって転職回数の多さは転職に影響があるのか。エンジニアはスキルアップやより良い技術環境を求めて転職をするということが、他の職種と比較して多いです。そういったエンジニアならではの事情に対して、転職活動を成功させるためのポイントを紹介します。
目次
エンジニアは転職回数が多い?
エンジニアはその他の職種と比較すると転職回数が多い職業であると言えます。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開している「IT人材白書2017」によれば、IT業界で働く20代でさえも約20%が1回以上転職を経験しており、20〜50代までの全ての年齢を含めて見ると50%近くが転職を経験しているのが現状です。
また、40代となればエンジニアとして働く人の約20%が3回以上の転職を経験しています。
参考:「IT人材白書2017」独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
2021年の同様の調査においても、ITエンジニアとしての転職回数1回が約50%、2回が約30%、そして3回以上は20%にのぼります。
このように、3回以上転職する人の割合がかなり多い職業であることが見て取れます。
では、なぜエンジニアはここまで転職回数が多いのでしょうか?
エンジニアの転職回数が増える理由
エンジニアが転職を重ねる理由は以下の3つです。
- スキルアップを考えているから
- 給料や待遇の改善を求めているから
- やりたいことが他にあるから
IT業界は、業種や現場によって学べるスキルに偏りがあります。
その上IT業界で使用される技術は進化のスピードが速く様々なスキルを身につけたいと考える人は多いです。
様々なスキルを学び、スキルアップを考えて他業種に転職するといった理由で転職する人が増えています。
また、IT業界は開発業務を下請け企業に依頼するピラミッド構造をとっている場合が多いです。
このピラミッド構造自体は他の業種と同じように、下請け企業が獲得する仕事の予算や納期は発注者側が決定します。
下請け企業で働いている人の給料や労働時間に対する悩みも他の業種と大きく変わりはありません。
より良い待遇を求めて一時請け企業に転職を考える人が多いのも、エンジニアの転職回数が多い理由の1つです。
転職回数の多さは転職で不利になる?
冒頭でも話した通りIT業界は転職回数が多いため、転職回数には一定の理解があります。
「スキルアップのため」「やりたいことのため」といった向上心による転職が多いことから、むしろ転職が歓迎されている職種であると言えるでしょう。
そのため、一般的に考えられているように「転職回数の多さ=転職に不利」とは一概にはいえません。
ただ、目的がないのに転職したり、短期間で転職を繰り返したり、転職先の仕事内容に変化がなかったりすると「意欲・向上心に欠けている」と判断されてしまう可能性があります。
企業は向上心があり積極的に業務に臨む人材を求めているからです。
企業に向上心がないと悟られてしまうと転職で不利になるので注意しましょう。
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転職回数の多いエンジニアに企業側が思うこと
他の業種と比較すると転職回数に理解がある業種であるとはいえ、企業が転職回数が多い人に対して不安は感じるものです。
そこで、具体的にどんなことを不安に思う可能性があるかについて解説します。
すぐ辞めてしまうのではないか
IT人材の需要に供給が追いついていないため、現在優秀なIT人材の確保は極めて難しく企業の課題となっています。
そのためエンジニアを採用する企業側としては、採用した人材にできるだけ長く働いてほしいと考えています。
転職回数が多ければ「うちもすぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまう可能性は拭えません。
思いつきで転職ばかりしてないか
「キャリアアップがしたい」「自分のスキルを磨きたい」といった成長目的の転職を繰り返している人なら企業も悪いイメージは持ちません。
しかし、スキルがそれほど身についていなかったり同じ業種に転職したりしていると、「前の会社で上手くいかなかったから転職したのではないか」「思いつきで転職しているのではないか」とマイナスな印象を持ってしまう可能性があります。
人間性に問題があるのではないか
転職回数が多いエンジニアは、何か重大なトラブルやミスを繰り返しているのではないか、人間性に問題があるのではないかと思われてしまう可能性があります。
IT業界に限らず、どの企業も人間性や社会適性のある人材を採用したいと考えています。
自社でトラブルや重大なミスの発生のリスクを極限まで抑え、効率よく作業を進めたいと考えているからです。
そのため、採用する企業としては人間性は重視して採用しようとする傾向にあります。
特に、短期間で何度も転職を繰り返していると企業は不安感を募らせてしまうので注意しましょう。
転職回数が不利になるかどうかはキャリアや理由次第
上記のような懸念を抱く一方で、転職が自社にポジティブな効果を生む事を採用担当者も期待しています。
転職回数が不利に働くかどうかは、その理由や現時点でのキャリア次第です。
それでは転職回数が多くても転職を成功させるためには、具体的にどのような事に注意したらいいのでしょうか。
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転職回数の多いエンジニアが転職成功させるポイント
少なからず転職回数の多さに不安を抱く企業に納得してもらうためには、転職回数が多いことを前向きなものとして捉えてもらう必要があります。
そこで、具体的にどのように考えどのようにアピールしていけば良いかについて解説します。
キャリアに一貫性をもたせる
例え転職回数が多くても、キャリアに一貫性があれば転職そのものが有利に働きます。
将来的に目指すキャリアのために必要なスキルを身につけたいと考えての転職であれば、複数回転職していることはそれほど問題視されません。
むしろ、先の見通しを立てて計画的に且つ意欲を持って行動しているとして高く評価されるでしょう。転職をする時は自分の将来のキャリアを考え、一貫性を持たせることが大切です。
キャリアプランを明確にする
「数年後のなりたいキャリアのために、この会社で必要なスキルを磨きたい」とキャリアプランを明確にして転職をしているなら、採用する企業からの印象もよくなります。
採用する企業からすれば、転職回数が多い人は「明確なキャリアプランを持たずに転職をしてはすぐに辞めているのではないか」と不安に思うものです。面接時に具体的なキャリアプランをアピールすることが大切になります。
自分がどのようなキャリアを歩んでいきたいかがまだ明確でないのであれば、まずは自己分析などを行い明確なキャリアプランを立てるようにしましょう。
他責ではない転職理由を伝える
転職を考えるタイミングは現職に何かしらの不満を抱いている場合が多いです。もちろんそれが他責の場合も大いに考えられます。
しかし、転職先の企業の面接で転職の理由を他責にしてしまうと「うちでも同じように他責にして辞めていくのではないか」と悪いイメージを持たれる可能性が高いです。
そのため、仮に前職の不満の原因が他責であったとしても他責を理由に転職するのは避けるようにしましょう。
キャリアアップや新たなスキルの獲得など前向きな転職理由を伝えることが大切です。
転職で経験したスキルを説明する
転職を繰り返してきたことでスキルアップしてきたことをアピールできれば、転職回数がマイナスなイメージとして捉えられることはありません。
「目標とするキャリアに必要なスキルを習得するために転職は欠かせなかった」
「転職したことで様々なスキルが身についた」
など、これまでの転職経験がキャリアアップに繋がっていることを伝えることができれば、採用する企業は意欲や熱意を感じ取ってくれるはずです。
転職回数そのものが大きな強みとしてアピールできるでしょう。
多様なプロジェクトへの対応力向上を示す
多くの企業を経験した=多様なプロジェクトに対応して来た事で適応力が向上したと捉えてもらう事ができれば、転職回数の多さがアドバンテージになる可能性があります。
IT業界の仕事はプロジェクト単位のものがほとんどです。
様々な内容のプロジェクトをそれぞれ異なる環境でこなして来た実績は、「あらゆる仕事にコミットして来た対応力」というかたちで伝えるようにしましょう。
ヒューマンスキルをアピールする
企業側の「人間性に問題があるのではないか」という懸念を払拭するためには、コミュニケーション能力がある事を伝えましょう。
まずは気持ちの良い挨拶をして、相手の目を見て受け答えする、質問事項に的確に答えるといった基本事項をしっかり押さえたうえで、協調性がある事が分かるエピソードを話します。
例えばチームで行って来た仕事での自分の役回りや、マネジメント経験について、上司や同僚との関係が分かるような話です。
転職回数が多いという事は、それだけ多くの人と関わって来たという事でもあります。
「この人なら自社でも良い人間関係を築けるだろう」と感じてもらえれば、転職回数の多さがネガティブなイメージになる事はありません。
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ITエンジニアの転職知識Q&A
Q:ITエンジニアの転職スパンおすすめは?
転職のスパンとして、最低2年前後が目安と言われています。
ただし2年目であったとしても、プロジェクトの途中で抜けるかたちでの転職は避けましょう。
現職の上司や同僚、クライアントに迷惑を掛けるのはもちろんですが、面接時にもプラスのイメージを持ってもらいづらくなります。
ITエンジニアは転職回数が多いとは言え、1年程度での転職もマイナスに捉えられがちです。
Q:転職回数が多くても需要があるのはどんなエンジニア?
先述の通り、転職回数が不利になるかどうかはキャリアや理由次第です。
特にスキルや経験重視の傾向が強いIT業界ですので、転職回数が多くても採用するに見合うだけの実力を兼ね備えていれば特に問題と思われる事もありません。
希少な開発言語経験を持っているなど市場価値が高い、マネジメント経験が豊富などプラスαの魅力があるITエンジニアは需要があると言えます。
Q:ITエンジニアはいつまで売り手市場?
IT業界の人材不足が叫ばれて久しいなか、実は経済産業省は「IT人材が2030年には最大で79万人不足する」と算出しているのをご存じでしょうか。(参考:経済産業省「IT人材育成の状況等について」)
一方で、2030年までIT人材の平均年齢は上昇の一途をたどるともされている事をふまえると、同職種間での転職はより受け入れられやすくなると考えられそうです。
IT人材の供給は2019年をピークに減少していると言われています。
これらを鑑みると、ITエンジニアの売り手市場はしばらく続くと言えるでしょう。
Q:転職を繰り返して年収を上げるコツは?
年収を上げるコツは、実績が年収に反映される企業を選ぶ事です。
繰り返しになりますが、実力があるエンジニアは転職回数が多くても需要があります。
あとはそのスキルを正当に評価し、給与に反映してくれる企業を選びましょう。
例えばSESから経験をスタートさせ、ベンチャーやスタートアップ企業でスキルをいてマネジメントなどの経験を積み、大幅に年収がアップしたという事例もあります。
Q:何回転職しても構わない?
なかには、転職回数が多い事が当たり前という話を真に受けすぎたが故の失敗談もあります。
これはIT業界に限った事ではありませんが、キャリアビジョンが定まっていない転職は失敗しがちです。
この場合、問題は転職の回数ではありません。
なぜ転職したいのか、どのような自己実現を目指して転職という方法を選択するのか、その軸が定まっていないと「思ったようなプロジェクトに携われない」「キャリアアップできない」「給与が下がった」という結果に終わりかねませんので注意が必要です。
転職回数が多い人は転職エージェントの利用がおすすめ
転職を成功させるには、専門知識のある第三者の意見やノウハウを聞くことが大切になります。
そのため、転職回数が多い人が転職の成功率を上げるなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職回数が多いことを活かした転職がしやすいため、転職回数が多いことで悩んでいる人はぜひ一度相談してみてください。
まとめ
今回は、IT業界の転職回数についてご紹介しました。IT業界では、スキルアップやキャリアアップを求めて転職する人は多いです。
その上、IT業界は実力や実績が重視されるため企業からも複数回の転職には一定の理解があります。
しかし、キャリアプランが明確でなかったり、他責による転職であることが悟られたり、意欲や熱意が伝わらなかったりすると企業からマイナスなイメージを持たれてしまうでしょう。
転職回数が多い人が転職を成功させるためには、過去の転職が自分の求めるキャリアに必要なキャリアアップやスキルアップに繋がっていることをアピールすることが大切です。
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