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ファッションテックの有名企業5社を紹介!取り組み事例や各社の特徴とは?転職エージェントが解説します!
ファッション、と聞くとやはり呉服やバッグ、靴といった印象を持つ人が多いでしょう。仕事となればブランドや商品を送り出すアパレル産業など、ファッションで連想する仕事はもちろん多いと思われます。しかし「ファッションテック」は初めて聞いた、という人も多いのではないでしょうか。ここではファッションテックについてと業界の現状、そして時代を牽引するファッションテック企業を紹介します。
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目次
ファッションテックとは
ファッションテックとは造語で、「ファッション」に技術を意味する単語「テクノロジー」を足した言葉です。
今までファッション市場をリードしてきたのはアパレル産業でした。
衣服をデザインし、縫製工場を経て商品を市場に流通させるのがアパレル産業となります。
そこから変化してきたのがファッションテック業界です。
世間では未だに聞き慣れない言葉ですが、今まさにこのファッションテックがファッション・アパレル業界で注目を集めているのです。
ファッションテックによりその立ち位置を大きくしている企業もあります。
そのためこれからのアパレル業界で生き残るためには、ファッションテックが必要になってくるといっても過言ではありません。
ファションテックなしには企業も拡大できないことになるでしょう。
「ファッション」を取り巻く環境は変わりつつある
インターネットを通じて、
・ファッションアイテムの開発
・物流システムの構築
・販路拡大
・業務効率化
・データ分析
などあらゆる面で新しい試みが試され、新たなトレンドファッションが生まれる時代になりました。
今やショッピングはお店に足を運ばなくてもできる時代です。
検索すれば日本のみならず、世界中のあらゆる店にある商品の情報を手に入れて、購入を検討することが出来ます。
そして購入ボタン一つで、運送業者が商品を指定した日時に自宅まで届くようにもなりました。
これもまさにファッションテックといえるでしょう。いらなくなった服は捨てることもなくなりました。
フリマアプリに登録していれば新たに買い手がついて、新品販売価格より安価に購入できます。
新品であれば高価で手が届かなかった服も、リサイクルで損傷もほとんどないものがたくさん出品されています。
気に入らなかった、サイズが合わなかったとかの理由でせっかく購入した服が無駄になる、ということもありません。
これらはまさにインターネット技術の賜物といえます。
ファッションテック企業の一例
ここでファッションテックの最先端を行く企業を一例として紹介しましょう。
株式会社ホワイトプラス
株式会社ホワイトプラスは、ネット完結型のクリーニングを請け負う企業です。
早朝・深夜時間を問わずインターネットからクリーニングの注文ができ、集配も在宅で翌日には受け取れるシステムを展開しています。
そのため共働きの夫婦や単身者に、利便性の高いサービスを提供している存在です。
今や請け負うのは衣服のクリーニングだけではなくなりました。
持ち運びが大変な布団、クリーニングが難しそうな靴のクリーニングもできます。
更に現在は布製品を飛び出し、ハウスクリーニング事業も手掛けるようになりました。
株式会社エアークローゼット
株式会社エアークローゼットは、服をレンタルできるサービスを運営する企業です。
自分で新しい服を買いたくても、結局似合わなくて着ないままで終わってしまったという経験をした人もいるのではないでしょうか。
エアークローゼットでは月額料金を支払うことで、約30万着の衣服の中から洋服をレンタルすることができます。
さらに好みや体形・着ていくシーンを聞き、プロのスタイリストが選んでくれた自分に似合う服をレンタルすることができます。
毎朝忙しい女性にとっても、迷わず服を選び着ることのできるシステムです。
今や洋服はレンタルする時代になりつつあります。その時代の先駆けと呼べる企業といえるでしょう。
株式会社Gunosy
そんな最先端な情報を提供しているのが株式会社Gunosyです。知名度が高く、その企業の名を知っている人もいるでしょう。
とはいえ、Gunosyとファッションがあまり結びつかないという人もいるかもしれません。
株式会社Gunosyはファッションからニュース、エンタメ、スポーツなどあらゆる分野の情報を扱う企業なのです。
そしてその情報を、インターネットを通じて発信し続けています。
ファッションがインターネットを駆使して事業を拡大する時代
インターネットは24時間全世界とつながり、人々に多くの情報を提供します。
直接店舗に行って並んでいるもの、お店の中にあるだけの限定されている商品の中から選択するだけの世界ではなくなりました。
株式会社エアークローゼットのように、購入するのではなくレンタルするという事業も広がりつつあるのが現状です。
ファッションテック業界は新たな事業形態を創り出し、大きく成長する分野となっています。
これから注目されるファッションテック企業5社
ここからは現在アパレル業界を引っ張り、将来の飛躍も注目されているファッションテック企業を紹介しましょう。
株式会社ZOZO
今や多くの人々が耳にしたことのある、超有名企業です。
ZOZOTOWNは株式会社ZOZOが運営するファションEC(電子商取引)サイトです。
もちろん普通のショッピングサイトのように買い物を楽しむことができます。
しかしZOZOTOWNの特筆すべきところは「ZOZOスーツ」です。
ZOZOスーツは特殊なセンサーを張り巡らせたスーツを着用します。
これにより自分のサイズ、体形に合った服を選ぶことができるようになるのです。これもまたファッションテックの一つといえます。
ZOZOTOWNではZOZOスーツを無料で配布したことで大きな話題となりました。
当然ながら、通信販売では試着することが不可能です。
購入してからサイズが合わず失敗したという経験をした人も少なくありません。
株式会社ZOZOはこうした不安を解消する、画期的な技術を構築したのです。
株式会社ステイト・オブ・マインド
現在既成衣料品のほとんどが、海外の縫製工場で作られています。人件費を抑えるため単価の安い商品を海外で大量に生産するのです。
しかし株式会社ステイト・オブ・マインドのサービス・nutteは、1着~少ない枚数の衣服を国内の職人に縫製してもらうことができます。
作製枚数が少なく、海外に発注できない作品を国内に存在する縫製の職人に依頼することができるシステムです。
またこのシステムは全国に存在する職人をシステム化することで、依頼者の希望に合った職人を紹介することができます。
CAD(コンピュータによる設計)、製図から縫製など、職人の特性に合わせた依頼をすることができるのも大きな強みです。
バーチャサイズ株式会社
サイズの問題は通信販売の大きな問題です。
先にZOZOスーツを紹介しましたが、バーチャサイズ株式会社が提供するVirtusizeも画期的な技術を誕生させました。
自分の持っているアイテムのサイズと比較して、同じフィット感の得られるサイズを選択してくれるというものです。
MAGASEEKやユナイテッドアローズ、ルミネ、アーバンリサーチなど大手のサイトに導入されています。
ZOZOスーツは実際に着てみる必要があります。
しかしこれは試着をバーチャルでできるという点で、更に1歩進んだテクノロジーといえるでしょう。
株式会社YR Japan
株式会社YR Japanが提供するYR LIVE。
大型タッチスクリーンで自分がデザインした服やカバンなどを、その場でプリント・持ち帰りできるという日本初のサービスです。
自分がその場でデザインするだけでなく、持ち帰ることができるというのは何ともインパクトの強いサービスといえます。
また作ったものはSNSでシェアされ、自分だけでなくつながっている人たちの間で話題が共有可能です。
今までもプリントサービスはありましたが、その場でデザインしたアイテムが瞬時に完成して持ち帰るという点では新しい試みと呼べるものです。
株式会社エアークローゼット
「ファッションテック企業の一例」でも紹介した株式会社エアークローゼット。
洋服のレンタルという新しい事業は、今後も広がっていくことになるでしょう。
ファッションテック企業にもAIが参入
様々な業界で参入を続けるAIですが、ファッションテックにもAIが取り込まれつつあります。
AIについてと、AIを先駆けて取り入れている企業を見てみましょう。
AIとは
今やITに携わる人にとって、「AI」はお馴染みの単語ではないでしょうか。
AIとはartificial intelligenceの略称で、よく「人工知能」と呼ばれます。
計算という概念とコンピュータという道具を用いて「知能」を研究する分野を示す言葉です。
大量の情報を蓄積分析することで人間の思考行動までコンピュータに再現させようとする技術となります。
人と寄り添うロボットなどの開発でも有名になりました。そのAIがファッションテックに進出しているのです。
SENSY(センシー) SENSY株式会社
SENSYはAIテクノロジーを駆使したコーディネート提案、それを基にした市場計画まで提案する最先端技術をもつ企業です。
服を買うという行為は様々な深層心理から行動が生まれます。その一つ一つを感性工学に基づいたAIに認識させ提案していくのです。
例えば服の種類やブランド、どの店舗で買ったかという地理的情報、買った時の天気までAIに学習させます。
その結果、なぜその人がその場所でその商品を買ったのかという関係性を導いていくのです。
自分のクローゼットの写真を撮影しAIに読み込ませると、自分のファッションの傾向がわかります。
たくさんのデータを取り込むことで、これからの市場調査や販売計画、また販売戦略まで提案できるというシステムです。
やみくもに商品を生産して在庫を抱えてしまうリスクが、このシステムを使うことで現実的で着実な販売が可能になるという仕組みです。
ファッションテック業界に求められる人材とは
ファッションテックを取り入れたファッション業界では、今どのような人材が求められているのでしょうか。
これを把握するためには、ファッション業界の変化を知っておく必要があります。
変わりつつあるファッション業界
ファッションテック業界の一端を紹介してきました。
ファッション業界は一昔前までアパレル産業と呼ばれ、更にオートクチュールという文化もある、どちらかといえば職人気質の世界でした。
職人がいてデザインのセンスや、縫製の緻密さを要求された世界でもあります。
しかし現在、その多くがインターネットやAIテクノロジーに取って代われる時代となってきたのです。
極端な話ですがファッションの基礎を知らなくても、データさえ入力できればAIが市場調査をすることもできてしまいます。
さらに手描きのデザインもFAXを介して送付していたのを、パソコンソフトでデザインすることもできるようになりました。
さらに描いたデザインを、そのままインターネットで相手に伝えることができる時代になったのです。
変わっていく「専門」
専門的資格、専門職。仕事をしていく時、求められる特性です。仕事をしていく以上求めていく技量でもあります。
しかし今や多種多様な業種が存在し、今までの常識以上の柔軟な発想が必要になってきた時代になりました。
一時期のようにパソコンができればこの仕事に就きましょう、という時代ではありません。
しかし専門性にパソコンスキルやインターネットをプラスすれば、意外な可能性にチャレンジできる時代にもなりました。
ファッションテックもまた、コンピュータのスキルを持つ人が求められているのです。
ファションテック企業へチャレンジしてみよう
ファッション業界は、コンピュータや工業系のスキルを持っている人でもチャレンジできる分野になりました。
これからますますファッションと工業系、情報系テクノロジーのコラボが進んでいくはずです。
デザインから商品開発、在庫管理に市場調査など、どれをとってもコンピュータなしには語れない世界に突入しているのです。
実際、先ほど紹介した企業の中では、建築設計に使うソフトのCADを扱えるエンジニアを募集している企業もあります。
いろいろな専門性を合わせて、新しい仕事を構築することができるのです。
興味がある人は転職エージェントにファションテック企業への転職をご相談ください。
新たな可能性が開けるのではないでしょうか。