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PMIとPMPの違いは何?資格の将来性/メリット/更新手順まで徹底解説

PMIもPMPも聞いたことがあるが違いがイマイチ分かっていないという方へ、違いをわかりやすく解説します。資格がどのように活かせるのかについても解説しますので、是非ご一読ください。

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PMIとは

 

 

PMIとは、Project Management Insitute(プロジェクトマネジメント協会)の略称です。

PMIはアメリカで発足した一般社団法人で、その会員数は世界中で50万人にも及んでいます。
PMBOKというプロジェクトマネジメントを体系立てた標準策定や、プロジェクトマネジメントに関する資格の認定などを行っています。

日本支部は1998年に発足し、活動の目的は以下のように表されています。

 

1.世界に開かれた日本における窓口としての機能を維持し、広くプロジェクトマネジメントおよびその職能の発展に貢献します。
2.PMI日本支部はPMIの支部の機能を果たすと共にPMを実践する日本の産業界全般を対象にした活動を行う組織を目指します。
3.非営利活動法人としての性格を持つ法人として、公益を増進する自立した活動を行うことを目指します。

(引用出典:PMI JAPAN

 

IT業界におけるプロジェクトマネージャーにとどまらず、あらゆる業界でのプロジェクト管理を対象に活動を行っています。

 

PMBOK

 

PMBOKについてもう少し詳しく解説します。

読み方は「ピンボック」です。

1987年にPMIが「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」というガイドブックを発表したことで知られるようになりました。

近年ではプロジェクトマネジメントの世界標準として扱われ世界で活用されていることから、PMBOKの概念を理解しプロジェクトに活かすPMP保持者の市場価値の高さが伺えます。

なお、PMBOKの内容は1996年の初版依頼およそ4年に1度のペースで改定されており、現在の最新版は2021年の第7版です。

 

 

PMPとは

 

 

PMPとは、PMIが認定しているプロジェクトマネジメントに関する資格です。

PMIはPMPの概要を以下のように表明しています。

 

グローバルに認められ求められている PMP 資格は、プロジェクト・マネジャーがプロジェクトを成功させるためのプロジェクトマネジメントの知識、経験、スキルを有することを、雇用主、クライアントや同僚に対して証明します。

(引用出典:PMPハンドブック

 

PMPを持っていれば、「実務経験」「知識」双方を持っていることが証明され、プロジェクトマネジメント領域で一目置かれることは間違いありません。実務経験に関しては受験時に自ら申告し、知識に関しては試験によって問われます。

一度取得すれば一生有効という資格ではなく、取得後も継続してCCRというプログラムに参加し、更新をする必要があります。

PMIは「一般社団法人」であり、PMPは「一般社団法人が認定している資格」という点で大きく異なっているので注意が必要です。

 

資格取得の流れ

 

  1. PMIサイトでアカウントを作成し、申請書類を作成する
  2. 35時間の公式研修を受講する
  3. PMIによる申請書類のレビュー
  4. 受験料の支払い
  5. 申込内容書でIDを確認し、試験を予約

 

以上が受験までの流れです。

合格後は、3年の間に60PDU(勉強時間)を取得し、PMIサイトにて登録を行う事で資格取得となります。

この後詳しく解説しますが、受験料がPMI会員と非会員で異なること、その他にも入会者に費用面でメリットがあるため、入会を考える方は受験手続き前のPMI会員登録がおすすめです。

また、監査対象となった場合は資料の提出が求められる場合があります。

 

難易度や合格率は?

 

PMP試験では、200問の選択問題が出題されます。

そのうち25問が統計データ取得を目的としたダミー問題であり、よって採点対象は175問です。合格水準は106問以上の合格なので、正答率60%以上となります。非公開ですが、合格率はおよそ60%程度とされています。

上述の通り、受験料が高めの設定であることから合格に自信のある人だけが挑戦する傾向にあるようですが、それでも6割にとどまることから難易度の高さが伺えます。

なお、難易度は偏差値でいうとおよそ64程度とも言われています。

 

勉強方法

 

PMPの勉強方法として一般的なものは、PMIが発行している公式の参考書「PMBOKガイド」を使った学習です。

時間をかけて読み込むことや、自身の経験と照らし合わせること、インプット・アウトプットを繰り返すことがポイントです。

また、試験での出題傾向をつかむためにも問題集は複数を繰り返し解きましょう。

 

受験資格

 

①プロジェクトマネジメント経験

・大学卒業またはそれに相当する資格保有者で、直近8年間に3年以上かつ4,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験があることの証明。

・ 高校卒業またはそれに相当する資格保有者で、直近8年間に5年以上かつ7,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験があることの証明。

 

上記いずれかが、プロジェクトマネジメント経験の証明として必要です。

 

②35時間の公式研修の受講

先ほど資格取得の流れで説明した通りです。なお、自習やPMI支部のミーティングは公式研修に含まれません。

 

取得・維持にかかる費用

 

PMPの費用は、「受験費用」「PMI入会費用」「公式研修の受講費用」「維持費用」の4種類です。(以下ご紹介する費用のドルはUSDなので最新情報はPMIサイトでの確認が必要です。)

 

①受験費用

PMP取得にかかる費用は、PMI会員か否かで変わります。

受験費用はPMI会員であれば405ドル、非会員は555ドルです。

また有効期間内であれば同じIDで3回まで受験できるシステムが採用されており、再受験費はPMI会員であれば275ドル、非会員は375ドルとなります。

 

②PMI入会費用

PMIへの入会は、まずPMI本部へ入会し、その後日本支部へ入会するという流れです。

本部への入会金は10ドルで年会費が139ドル、日本支部の年会費は50ドルです。

PMI入会には次のようなメリットがあります。

 

  • ・PMBOKガイドのPDFファイル(英語版)が無料
  • ・PMI会員向けの情報発信がある
  • ・日本支部の情報が実務に役立つことがある

 

紙のPMBOKガイド(日本語版)を購入する場合、PMI会員は8,000円ですが非会員は12,000円かかります。

 

③35時間の公式研修受講費用

受講費用は、オンラインのe-Learningで2~5万円、講座受講で5~10万円が目安です。

受講にかかる総時間で費用が変わる場合がありますので、進め方を決めてから選ぶと良いでしょう。

 

④更新費用

PMPは3年ごとに資格の更新が必要です。

この費用もPMI会員であれば60ドル、非会員は150ドルかかります。

 

費用総額シミュレーション

ここまでの費用を合算してみます。

 

【例①:PMI入会・初回受験・無料のPMBOKガイド(英語版)で学習・オンラインのe-Learning3万円で35時間研修】

10ドル(本部入会金)+139ドル(年会費)+50ドル(日本支部年会費)+405ドル(受験費用)+30,000円(e-Learning研修費)=約118,000円

 

【例②:PMI非入会・初回受験・紙のPMBOKガイドで学習・5万円の講座で35時間研修】

555ドル(受験費用)+12,000円(紙のPMBOKガイド)+50,000(講座受講費)=約143,000円

 

資格取得までにかかる「受験費用」「PMI入会費用」「公式研修の受講費用」の合計は、PMI会員入会前提でおよそ11万~16万円が目安ということになります。

ただし追加で教材を購入する方や、e-Learningの期間限定セールで金額が下がるケースもあるため、参考程度にとどめてください。

 

まずはキャリアの相談をしてみる

 

 

PMP取得後に必要な更新手順

 

本棚の前でNever Stop Learningと書かれた黒板を持つ女性

 

試験に合格して資格保有者となった後も、3年ごとの更新が必要です。

更新の手順は60PDU取得→更新手続きという流れで行います。

 

PDUとは

 

PDU(Professional Development Unit)は継続学習やプロフェッショナルとしてのサービスやアクティビティを定量的に計測するための単位です。

まずはCCRサイクル(更新サイクル)の期限内に60PDUを取得します。

なお、60PDU以上を満たしたら更新期限を待たずに申請できます。

 

CCRとは

CCRサイクルとはPMP更新期限である3年間を指します。

資格の更新期限はこの更新サイクルの3年以内です。

 

60PDU取得後

 

60PDUを取得すると、数日後に更新の案内メールが届きます。

PMI本部に入会している場合はmy PMIからもアクセス可能です。

「Renew Now」のリンクをクリックし「PMP Certification Renewal」の購入手続きを行います。

この際の費用は、先述した通りPMI会員であれば60ドル、非会員は150ドルです。

CCRSダッシュボードに反映しているのを確認したら、更新手続きは完了です。

 

更新のタイミング

 

PMPの更新は、60PDUを取得済みでかつPMP資格が有効な間であればいつでも可能です。

例えば2023年にPMPを取得したとして、最初の更新期限は2026年です。

期限を待たずに2025年に60PDU取得した場合、次の更新期限は2028年に前倒しされず2029年のままです。

PDUの対象となるアクティビティを実行したら、その都度申請するのがおすすめです。

 

また、60PDU以上は翌年に持ち越しも可能です。

ただし次期のCCRサイクルに持ち越すことができるのは「3年目に取得した20PDUまで」となります。

1年目に30PDU、2年目に35PDU、3年目に25PDU取得した場合、合計で90PDUとなりますが、次期に持ち越すことができるのは30PDUでなく20PDUということです。

 

更新期限に間に合わなかったら?

 

CCRサイクルに間に合わなかった場合、期限終了後の翌年1年間は資格がサスペンド(停止)となります。

この1年間に過去の3年間とあわせて60PDUを満たすアクティビティを実行すれば、更新が可能です。

実行できなければ資格を喪失します。

なお、サスペンド期間はPMPを名乗ることや名刺に記載することはできず、PMP資格保有者として氏名がPMI本部WebサイトのOnline Registryに掲載されることもありません。

PDUの取得は計画的に行いましょう。

 

 

PMPは役に立つ?将来性やメリットは?

 

 

本記事をご覧頂いている方は、「PMPを持っていて役に立つの?」という疑問を抱いているかと思いますが、結論、役に立ちます。

 

①グローバルに通用するスキルの証明に

 

前記の通り、PMIはもともとアメリカで設立された一般社団法人であり、そのPMIが認定する資格のPMPもグローバルで通用するものです。

ワールドワイドなプロジェクトで自身がプロジェクトマネージャーを務める際にも、海外の現地の方へのスキルの証明になります。

 

②知識が実務に役立つ

 

PMPを取得するためには、標準であるPMBOKの理解が必要不可欠であり、PMBOKはもちろん実務に活かすができます。

PMPを取得していなくてもプロジェクトマネージャーを務めることはできますが、全く知識が無い状態からプロジェクトマネジメントを行うよりも、ベースとなる知識を有していた方がプロジェクトの成功確率が上がることは自明かと思います。

 

③転職活動でも

 

プロジェクトマネージャーの求人を調べているとよく見かけるのが、「PMP保有者優遇」という言葉です。

特にIT業界においては、株式会社日経BPの調査『昇給や昇進に役立つIT資格トップ20』によると、『転職に役立った』資格の部門で2位にランクしています。

PMPハンドブックの中でも、PMPの保有者は非保有者に対して収入が高い、ということが公式に表明されています。

転職で年収をアップしたいという方は保有しておくとプラスに働くことがあるでしょう。

 

 

PMP以外のPMの資格はある?

 

 

PMP以外のPMに関する資格で有名なものだと、IPA(情報処理推進機構)のプロジェクトマネージャ試験があります。

認定している母体の違いの他にも、PMPが毎日受験可能、プロジェクトマネージャ試験が年1回実施であったり、PMPは自己申告により実務経験を見ている反面プロジェクトマネージャ試験は受験資格を設けていない等の違いがあります。

試験の難易度は論述があるためにプロジェクトマネージャ試験の方が難しいとされています。

PMP同様に転職等で有利に働く場面もありますが、PMPはグローバルな資格であるため、海外と仕事をする場面が多い方はまずPMPを取得する方が無難でしょう。

 

 

まとめ

 

 

PMIとPMPについて説明をしてきました。

資格には転職に有利なものと、そうでもないものがありますが、PMPは転職に有利になる可能性が高い資格です。

IT業界においては、プロジェクトマネジメントができる人材のニーズが高まっています。

プロジェクトマネージャーに興味を持っている方は、PMPを受験するか否かは置いておいても、PMBOKの基礎からでも学んでおくと今後のキャリアに活かせるでしょう。

 

まずはキャリアの相談をしてみる

この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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