
コスパのいい年収とは?損しない手取りと税金・社会保険料の関係
この記事では、コスパのいい年収について解説します。税金・社会保険料のバランスから、コスパがいいとされる年収は600万円です。手取りではいくらになるのか、独身と既婚それぞれでシミュレーションしながら、IT業界での該当職種を確認してみましょう。
目次
コスパのいい年収額は約600万円!理由を解説
「コスパのいい年収」とはコストパフォーマンスがよい、費用対効果が高い年収を指します。
本来は費用に見合った性能や効果という意味の「コスパ」ですが、現代では費用だけでなく労力や時間などの要素も含めた総合的な満足度を表す意味で用いられます。
そのため、「コスパのいい年収」とは、総支給額と天引きされる税金や社会保険料とのバランスがよく「もっとも損をしない年収」のことです。
- 「コスパのいい年収」とは働きに対する手取りと満足度の高さ
- 年収600万円台は税負担感と生活水準のバランスが最強
- 年収800万円を超えるとコスパが悪化する理由は「幸福度の限界」説
コスパのいい年収は600万円とされていますが、まずはその理由について解説します。
「コスパのいい年収」とは働きに対する手取りと満足度の高さ
「コスパのいい年収」とは、単に額面の高さだけを指すのではなく、働き方・負荷・手取り額・生活満足度のバランスが最もよいラインを意味します。
年収が上がれば税金や社会保険料も増えますが、そのぶん生活の余裕や心理的な安定が得られれば「コスパがいい」と感じられるでしょう。一方で、年収が上がるほど業務負荷やプレッシャーが増え、手取りの伸び率は鈍化する傾向があります。
つまり、年収は「多ければ多いほどよい」のではなく、「どれだけ快適に働き、どれだけ満足を得られるか」で真価が決まると考えられています。
年収600万円台は税負担感と生活水準のバランスが最強
年収600万円台は、手取りと生活満足度のバランスが非常に良いとされる水準です。
税金・社会保険料の負担は増えるものの、まだ急激に手取りが減るラインではなく、可処分所得は安定して伸びます。
都市部でも無理なく生活でき、趣味や自己投資にも回しやすいため心理的余裕が得られる点が特徴です。
また、この年収帯はワークライフバランスを保ちやすい働き方を維持しつつ到達できることも多く、過度な残業や責任の重さに押しつぶされにくい点から「最強のコスパ年収」と言われることが増えています。
年収800万円を超えるとコスパが悪化する理由は「幸福度の限界」説
年収800万円を超えると手取りの伸びが鈍化し、社会保険料や税金の負担感が一気に増します。
心理学や経済学では「収入と幸福度には限界点がある」という研究結果も知られており、一定ラインを超えると「収入増=幸福度増」の相関が弱まるとされています。
また、この年収帯ではマネジメントや高負荷業務を任されるケースが増え、責任とプレッシャーが比例して上昇しがちです。
結果として、生活の満足度や自由度がむしろ低下し、「年収は増えたのに幸福度は下がる」というコスパの悪化が生まれやすくなるラインが年収800万円といわれています。
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年収と税金の関係は?600万円が「働き損」にならない理由
年収が上がれば上がるほど幸福とは限らないとされています。その理由が年収と税金の関係です。
日本の課税の仕組みは「累進課税」であり、実はこのシステムがコスパのいい年収に大きく関わります。
- 額面600万円の手取りは約〇〇万円
- 年収が上がると所得税・社会保険料の負担率が急激に増える
- 所得制限にかからないラインは見極める必要がある
ここでは、年収600万円が損をしない理由を解説します。
額面600万円の手取りは約〇〇万円
額面(総支給額)が600万円の場合の手取りは約450万~510万円が目安です。ボーナスなしの場合で月収の手取りは約37万5000~42万5000円となります。
税金・社会保険料を差し引いても、可処分所得として40万円前後が毎月残る計算になり、十分な生活余裕が生まれる水準です。
特にこの年収帯は、所得税・住民税・社会保険料の増え方がまだ比較的緩やかで、額面の伸びに対して手取りの減りが小さく「損しにくいライン」と言えます。
家賃、食費、貯蓄、趣味、自己投資のいずれも無理なくバランスが取れることが、「コスパのいい年収」の象徴的な年収ゾーンとして評価される理由です。
年収が上がると所得税・社会保険料の負担率が急激に増える
年収が600万円を超えて700万円、800万円へと到達すると、所得税の累進課税によって税率が段階的に上がり、社会保険料も連動して増加します。
そのため、額面の伸びに対して「手取りがほとんど増えない」という現象が起こります。たとえば年収が100万円上がっても、手取りは数万円~十数万円しか増えないケースも珍しくありません。
これが「年収は上がっているのに生活の余裕が増えない」「働き損を感じる」と言われる理由です。
600万円台は負担率が急上昇する前のゾーンで、額面の伸びが素直に可処分所得として反映されやすい点が大きな魅力です。
所得制限にかからないラインは見極める必要がある
こどもがいる世帯では、児童手当や学校の無償化などのラインに注意する必要があります。
子育て支援、医療費助成、各種控除制度には所得制限ラインが設けられており、一定の年収を超えると補助や支援の対象外になります。
これに該当すると、実質的な可処分所得が下がるケースも多く、年収が上がったにもかかわらず「手元に残るお金は減った」という状況が起こり得ます。
年収600万円台は、多くの制度で「制限にかからず恩恵を受けやすい」ゾーンであり、生活の安定性と支援策のバランスが取れている点が大きなメリットです。
転職で年収アップを狙う際も、こうした“制度面でのコスパ”を踏まえて年収レンジを見極めることが重要になります。
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【世帯別】コスパのいい年収は?
コスパのいい年収は世帯によって異なります。
- 独身世帯は695万円
- こどもがいない共働き世帯は700万円
- こどもがいる共働き世帯は600万円
- こどもがいて夫または妻の一方だけが働く世帯は600万円
以下、それぞれ解説します。
独身世帯は695万円が目安
独身世帯にとってもっともコスパがよいとされるのが、年収695万円前後のラインです。
これは、所得税率が694万9,000円までは20%、695万円以上で23%に上がる境界であり、税負担の増加が最も緩やかに抑えられる水準であるためです。
独身の場合は扶養控除や配偶者控除などの支援が少ないため、税率がわずかに上がるだけでも手取りへの影響が大きくなります。
そのため、税負担を極力抑えつつ、生活に十分な余裕が生まれる「695万円付近」が、最も損をしないコスパのいい年収です。
こどもがいない共働き世帯は700万円が目安
こどもがいない共働き世帯は、二人で収入を分散できるため税負担が比較的軽く、700万円前後がもっともコスパのいい生活を実現しやすい年収とされています。
900万円を超えると税率は33%に達し、一気に手取りの伸びが鈍化しますが、700万円付近であれば税率の上昇が比較的緩く、可処分所得も安定します。
特に、配偶者の年収が103万円以下の場合は配偶者控除が使えるため、世帯全体の税負担を大きく下げることが可能です。
負担と生活水準のバランスが最も整う位置が、年収700万円付近でしょう。
こどもがいる共働き世帯は600万円が目安
こどもがいる共働き世帯では、公的支援や控除制度を最大限活用できる年収帯が非常に重要です。
特に年収850万円を超えると給与所得控除が固定となり、960万円を超えると児童手当の所得制限にかかる可能性が高まります。
同時に、高校授業料の支援制度も対象外となり、年間十数万〜数十万円の負担増につながります。
これらを理由に、支援を受けながら安定した生活を維持できる年収600万円前後が最も損をしない、コスパのいい年収ラインでしょう。
手取りと支援制度のバランスが取れ、家計の負担が大きく跳ね上がりにくい点が大きなメリットです。
こどもがいて夫または妻の一方だけが働く世帯は600万円が目安
片働きで子どもがいる世帯では、配偶者控除・扶養控除・児童手当など多数の制度を活用できるため、年収600万円付近が最もコスパのいい年収とされています。
600万円の範囲であれば児童手当の所得制限にかからず、年間で受けられる支援額が最大限維持されます。
また、夫婦どちらか一方だけが働く片働き世帯では、税金・社会保険料の負担率が世帯全体の生活に大きく影響するため、控除を活かしながら手取りを確保できる年収600万円は非常にコスパがいい水準です。
生活の安定性と支援の最大活用が両立する理想的な年収ゾーンと言えるでしょう。
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【自社データで見る】コスパのいい年収が狙いやすいIT職種
ここからは、コスパのいい年収である600万円が狙いやすいIT業界のエンジニア職種について解説します。
- 社内SE/開発(平均年収673万円)
- データサイエンティスト(平均年収650万円)
- インストラクター/技術教育(平均年収634万円)
- AI・機械学習エンジニア(平均年収606万円)
- 社内SE/ネットワーク(平均年収581万円)
- セキュリティエンジニア(平均年収578万円)
国税庁の調査では、令和5年の日本の給与所得者全体の平均年収は478万円です。600万円は高年収に該当するといえるでしょう。
実際、ITエンジニアにもさまざまな職種がありますが、年収600円の水準に該当するこれらの職種はGeekly(ギークリー)の自社データによるとITエンジニアの年収ランキングで上位10位以内です。
なお、提示しているのは平均年収であり、キャリアップやスキルアップでより高年収を得ることも可能です。
(参考:国税庁『民間給与実態統計調査結果』)
社内SE/開発(平均年収673万円)
社内SE(開発系)は、自社向けの業務システム開発や機能改善を担うポジションです。外部ベンダーとの調整、要件定義、運用改善など幅広く関わるため、技術だけでなくビジネス理解も身につきます。
開発経験を活かしながら残業が比較的少ない傾向にあり、年収600万〜700万円帯の働きやすく稼げる領域に到達しやすい点が魅力です。
また、自社内で長期的にスキルを磨けるため安定性が高く、今後もDXに伴って需要は継続して伸びていく職種です。
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データサイエンティスト(平均年収650万円)
データサイエンティストは、企業の保有データを分析し、意思決定やビジネス改善につなげる役割を担います。
統計・機械学習・プログラミングの知識が必要な専門職で、年収水準は高めかつ労働環境も整いやすい傾向があります。
特にデータ活用を重視する企業が増えているため安定した需要が見込め、600万〜800万円のコスパのいい年収帯に到達しやすい職種です。
DXとAI普及の追い風もあり、将来性は極めて高い分野といえます。
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インストラクター/技術教育(平均年収634万円)
ITインストラクターや技術教育担当は、エンジニアや社員向けに技術知識を教えるポジションです。
過度な残業が発生しにくく、安定した働き方がしやすいため、年収500万〜600万円台の満足度の高いコスパのいい年収を目指せます。
リスキリング需要の高まりにより、今後も教育領域の需要は増加していく見込みです。
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AI・機械学習エンジニア(平均年収606万円)
AI・機械学習エンジニアは、モデル開発・データ処理・アルゴリズム実装など高度な技術を扱う専門職です。
スキル難易度が高いため年収水準も高く、早期に600万〜800万円帯へ到達しやすいのが特徴です。
企業のAI活用が一般化しつつある今、需要は年々増加しており、将来性はIT職種の中でもトップクラスでしょう。
専門性の割に長時間労働が発生しにくい現場も多いため、高年収と働きやすさの両立が期待できるコスパ最上位クラスの職種といえます。
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社内SE/ネットワーク(平均年収581万円)
社内ネットワーク担当は、自社のネットワーク環境の構築・運用・セキュリティ対策を担う職種です。
企業のIT基盤を支える重要なポジションで、障害対応や運用管理のスキルが生かせます。
クラウド化が進む中でネットワーク知識の重要度はむしろ増しており、安定した需要が続いています。
過度な労働負荷が少ない企業も多く、年収550万〜650万円のコスパの良い年収帯を狙いやすい点も魅力です。
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セキュリティエンジニア(平均年収578万円)
セキュリティエンジニアは、脆弱性診断、ログ監視、セキュリティ設計など企業の情報資産を守る専門職です。
サイバー攻撃が増加する中でニーズが急拡大しており、高単価かつ安定した職種として注目されています。
専門性が高い分、年収600万〜800万円の帯に乗りやすく、手取りと働き方のバランスも取りやすい傾向があります。
今後も需要が右肩上がりに増えるため、長期的にコスパのいいキャリアを築きやすい分野です。
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コスパのいい年収:約600万円を目指すには?
コスパのいい年収を目指すための方法として、以下2つを解説します。
- 現職での昇給が難しいなら自己研鑽よりも「環境を変える」が近道
- キャリアチェンジ転職で「業界の平均給与が高い場所」へ移る
現在の状況と照らし合わせて、より合った方法を選択しましょう。
現職での昇給が難しいなら自己研鑽よりも「環境を変える」が近道
ITエンジニアが年収600万円に到達するためには、スキルアップだけでは限界を感じるケースもあるでしょう。
どれだけ努力しても、昇給率は企業の規模など自分の努力では変えられない要素で決まっています。成果を出しても、想定以上に昇給できないケースは珍しくありません。
そのため、最も効率的な方法は「評価される環境」へ移ることです。
業界全体で見ると、同じスキルでも企業によって年収の伸び率は大きく変わります。現職で昇給が見込めないと感じたら、まずは市場価値を知り、今より待遇のよい環境に移ることが600万円到達への最短ルートとなります。
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キャリアチェンジ転職で「業界の平均給与が高い場所」へ移る
IT業界の中でも、データ系・AI系・クラウド・セキュリティといった領域は平均年収が高く、未経験からのキャリアチェンジや近しい領域からのステップアップでも到達しやすい傾向があります。
職種によっては「同じ経験年数でも年収が100万円以上違う」ことも珍しくありません。
今の仕事から将来性のある領域へシフトすることで、年収600万円ラインへ現実的に到達する可能性が上がることも考えられるでしょう。
転職エージェントに相談して、希望年収を実現しよう
コスパがいいと感じる年収は状況によって人それぞれですが、手元に残る収入と差し引かれる金額のバランスがよいと感じやすい年収は600万円という方が多いでしょう。
IT業界では、環境を変えるだけで自分に見合う適正年収を得られるようになり、結果として希望する年収を実現できる方も多くいらっしゃいます。
まずは市場価値を知り、具体的な年収アップ方法を選択するのがおすすめです。
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