
InsurTech(インシュアテック)の企業事例!保険業界の将来性についても解説
インシュアテックとは保険(Insurance)×テクノロジー(Technology)を掛け合わせた言葉であり、保険分野において革新をもたらしています。今回は、インシュアテックの事業内容から将来性、必要とされる職種などを徹底解説します。インシュアテックの具体的な企業も紹介しているので、転職を考える方も参考にしてください。
目次
インシュアテックとは?
インシュアテック(Insurtech)とは、「Insurance(保険)」と「Technology(テクノロジー)」をかけ合わせた言葉で、保険分野におけるフィンテックを指します。
AIやIoTといった最新技術を用いて、企業の業務効率化や収益化を図ったり、新しい保険商品を開発したりしています。
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保険業界について
保険商品の変化により、保険業界はここ数年で大きく変わってきています。
万が一の時に備えるという保険が多かった中で、近年は「QOL(生活の質)の向上」に関する保険が注目されるようになりました。
また、商品が変われば顧客にも変化があり、従来はセールスでの販売が主でしたが、近年ではインターネットを使ったオンラインによる非対面型のセールスが増加しています。
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インシュアテックの歴史と背景
インシュアテックはいつからできた言葉なのか、また注目される背景について解説していきます。
歴史や背景を知ることで、業界についての理解をより深められるのでぜひ参考にしてください。
インシュアテックの歴史
インシュアテックは、2015年あたりから欧米諸国で流行し始めた言葉です。
2017年には経済産業省が「FinTech ビジョン」を掲げ、保険業界のフィンテックとしてより知られるようになりました。
欧米に比べると日本ではまだまだ浸透していませんが、国内でもソフトバンク株式会社が2017年にアメリカのインシュアテック「Lemonade」に出資したことが話題になりました。
インシュアテックが注目される背景
2017年5月に「FinTechビジョン」という経済産業省の報告書で、「ビッグデータや人工知能といったテクノロジーを用いた金融サービス(=フィンテック)」について提言されています。
参考:経済産業省『FinTech ビジョン』
そこで、フィンテックの具体的な方向性が国から示されたこと、保険分野におけるFinTechは、「InsurTech」と呼ばれているといった記述があったことが、日本国内でインシュアテックが広まるポイントになったと言われています。
インシュアテックは保険業界の業務の効率化、テクノロジーを活用したサービス商品などのメリットがあり、DXやAIが推進される現代でより注目を浴びています。
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インシュアテックの市場規模と将来性
矢野経済研究所によると、2021年度のインシュアテック市場規模は1,880億円で前年度比145.7%増大、2022年度は2,450億円到達予測と、急成長が見込まれています。
また、Fintech Journalは、2022年のフィンテックをめぐる10大トレンド一つとして、インシュアテックを挙げています。
システムインフラの構造変化が進むとともに、新しい保険商品の開発、保険代理店も含めたデジタル化の進展が見込まれているためです。
このようにデジタル化の推進に伴って、インシュアテック業界は今後需要が高まっていくと推測されています。
(参考:株式会社矢野経済研究所『生命保険領域における国内InsurTech市場に関する調査を実施(2021年)』)
(参考:FinTech Journal『2022年は“激動”、フィンテックをめぐる「10大トレンド」を解説』)
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インシュアテックによる保険業界の変化
インシュアテックが広まるにつれ、保険業界も変化してきました。
- ・保険手続きの効率化
- ・保険料の適正化
- ・ユーザーデータの活用
膨大な顧客データを取り扱う保険業界では、インシュアテックによる作業効率化が今後ますます欠かせないものとなってくるでしょう。
保険手続きの効率化
インシュアテックによる保険手続きの効率化としては、以下のようなものがあります。
・デジタル化により手続きに関する照会等にチャットボットが24時間いつでも対応
・企業側でも、オペレーターや査定者の業務負荷を軽減する等、顧客の利便性向上と業務効率化の両立が実現
・紙媒体を減らしAIや、手書き文字認識技術等の活用による、契約手続きや引受査定業務等の業務プロセス改革
今後は従来の対面式からデジタル化による、スマートフォンやパソコンによるコミュニケーションへ変化していくことが予想されます。
また、書面でのやりとりが必要だった保険金請求の書類手続き、損害調査や現地調査などはIT技術を活用した効率的な運用への変革はすでに始まっています。
保険料の適正化
顧客によってはインシュアテックによって、これまでより保険料が安くなる人もいます。
例えば腕につけているスマートウォッチを活用し、顧客の各種健康データを集め、それを元に一定の数値をクリアしている顧客の保険料を安くすることも可能です。
これは、インシュアテックによって顧客個人に合わせた保険商品のサービスが適用可能となり、保険料の適正化が実現できるようになるということです。
ユーザーデータの活用
例えば、ビックデータとしてウェアラブル端末(手首や腕、頭などに装着するコンピューターデバイス)やスマートフォン、GPS、ドライブレコーダーといったデバイスを通じ、保険関連情報のみならず、人の活動情報、自動車の運転情報といった様々な情報が取得できます。
上記のようなビックデータを集め、AIで解析することで人の生活情報、活動情報、疾患の有り・無し、自動車の事故詳報とそれに関連した事故の発生確率といった因果関係が分かるようになります。
非常に細かい部分までリスク解析し、保険の引き下げやキャッシュバックなどの適用にもインシュアテックは活用できます。
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インシュアテックの事例と企業紹介
ここからは、インシュアテックの事例と企業を紹介します。
中にはギークリーで取り扱いのある企業の求人もあるため、気になる企業がある方はぜひ求人を覗いてみてください。
保険のオンライン契約
保険のオンライン契約では、ブラウザ上からユーザーがいくつかの質問に答えるだけで、自動でニーズに合った保険を提案される仕組みになっています。
Sasuke Financial Lab 株式会社
Sasuke Financial Lab 株式会社は、「コのほけん!」という保険のオンライン契約サービスを展開しています。
コの保険では保険の診断、一括比較、見積もり等をオンラインで顧客の保険選びをサポートし、顧客のニーズを明らかにすることで、オンラインで保険を検討する全ての顧客が、自分にマッチした保険商品を選択できるサービスです。
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テレマティクス保険
テレマティクス保険とは、具体的には自動車に端末を取り付け、走行距離や運転速度・ブレーキのかけ方まで運転情報を保険会社が端末により取得し、その情報と運転者の事故リスクを分析して保険料を算定するような保険を指します。
イーデザイン損害保険株式会社
イーデザイン損害保険株式会社は、顧客のもっとも多いニーズである「事故に合わないこと」に応えるため、『&e(アンディー)』という保険を打ち出しました。
『&e(アンディー)』には以下のような特徴があります。
・IoTセンサーが事故を感知するとスマートフォンに事故連絡ボタンが表示
・日頃の運転状況をIoTセンサーがチェック、運転を診断しスマートフォンでチェックすることが可能
・『&e(アンディー)』加入者のビックデータを解析し、結果を自治体や企業が共有でき、結果として事故の少ない社会を実現する
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マイクロ保険
マイクロ保険とはマイクロインシュランスとも呼ばれ、補償対象が限定的である点が特徴です。
一般的に少ない保険料、狭い範囲の保険のを指します。
MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社
MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社は、災害リスクにつながるリアルタイム気象データ、・30時間以上先の洪水予測データ、発災後のAIによる被害推定をわかりやすく一元的に可視化し、地方自治体といった地域の防災・減災を支援する自治体向けた「防災ダッシュボード」といったシステムを展開しています。
他にもリアルタイム被害予測Webサイト「cmap(シーマップ)」はcmapの機能に“災害時の緊急情報”の通知機能を備えたアプリをリリースしており、そのアプリにはAIで解析した気象・災害・ライフラインに関するSNS情報をcmap上に表示する機能があります。
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P2P(割り勘)保険
P2P保険の特徴は簡単にいうとグループ加入型保険です。
コンピュータ同士がデータ交信を行うという意味のIT用語「P2P(ピアツーピア、peer-to-peer)」からその名がきています。
この保険は知り合い同士で加入すれば一人あたりの保険料負担が減り、リスクに対して知り合い同士で分散して保険料をシェアする仕組みとなっています。
例えば一人の加入者が保険料を受け取れば、保険金額分を加入者全員で割り勘して保険料として支払います。
株式会社 justInCase
株式会社 justInCaseのわりかん保険は、誰かががんになった時、契約者全員で保険金をわりかんするP2Pがん保険で、IT技術を活用した助け合い実現により、既存の保険料より低価格が可能となりました。
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オンデマンド保険
オンデマンド保険とは、入りたいと思ったときに入れる保険という保険のことを指します。
スマートフォンアプリから、携帯品や家財など保険をかけたい物にだけかけられる特徴があります。
スマートフォンアプリで、保険をかけたい製品写真や動画をアプリからカメラでアップロードし、保険会社の審査にそれが通れば手続きが完了するといったことが可能です。
東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動火災保険株式会社ではAIを活用した自動車保険における不正請求の早期検知の取組みをしており、AIが膨大な保険金の支払いのビックデータを解析し、不正請求に対応します。
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インシュアテックの注目職種
インシュアテックで働きたいとなった際に、注目すべき職種があります。
- ・サーバーエンジニア
- ・セキュリティエンジニア
- ・AWSエンジニア
- ・AI/機械学習エンジニア
インシュアテックを促進させるためには、さまざまな職種の知識や知見が必要です。技術を活かせる職種があればキャリアチェンジを検討してみるのもおすすめです。
サーバーエンジニア
サーバーの構築と運用・保守に特化しているのが「サーバーエンジニア」です。
インシュアテックでは膨大なビックデータを扱います。
保険分野では顧客情報や事故情報など、ビックデータが収まったサーバーの構築や運用・管理もサーバーエンジニアの役割です。
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セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアとは、セキュリティに配慮したネットワークの設計や運用、管理などを行うスペシャリストになります。
顧客の個人データをAIで分析して保険商品のパーソナライズや保険料のキャッシュバックを行っているため、プライバシー保護や情報セキュリティに特に慎重になる必要があります。
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AWSエンジニア
Amazonが提供しているクラウドサービスである「AWS」を扱うエンジニアのことを指します。
近年、インフラの構築環境を従来のオンプレのシステムから柔軟で拡張性の高いAWSのシステムに刷新している企業が多く、AWSエンジニアの需要が増加しています。
AWSそのものに対する理解も必要ですが、それ以外にもシステム開発の知識、サーバーOSの構築、運用するスキル、セキュリティの知識、ハードウェアの知識など幅広いスキルが必要です。
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AI/機械学習エンジニア
機械学習とは、コンピュータに命令やデータを与えて学習させることを指します。
例えば、ウェアラブル端末やドライブレコーダーといったデバイスを通じて取得した情報をAIで分析することにより、人の活動情報と疾病の発症確率、自動車の運転情報と事故の発生確率との相関関係が分かります。
この分析結果を個人のデータと照合することにより、より精緻な分析に基づく保険料の引き下げやキャッシュバックが可能になります。
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インシュアテックのメリット
保険会社のメリット
保険会社にとっては、インシュアテックを活用することによって業務効率化や営業費削減につながります。
IT技術を情報収集や分析に用いることで、人のみで行うよりも的確な提案を行うことができ、結果として顧客満足度にもよい影響を与えることができれば、ブランディングや売り上げ向上も期待できるでしょう。
また、従業員にとっても事務領域の自動化は労力削減できる点がメリットです。
契約者のメリット
契約者にとっては、これまで専門家の判断にゆだねていた最適な保険商品の選別や見直しを、AIを活用し自身で行うことができるようになります。
近年、人々の健康への意識は高まっており、自分の手で手続きを行えることで健康寿命にもよい影響を与えることが考えられるでしょう。
また、保険の申込や保険金受け取りの手続きが簡単に行えるようになるなど、利便性の向上も契約者にとっての大きなメリットです。
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インシュアテックへの理解を深め、転職しよう
保険分野の先進技術であるインシュアテックは、これから日本国内でも浸透していく見込みのため、多くの企業が参入し、求人が伸びることが見込まれます。
新しい業界でスキルを研鑽したいITエンジニアの方などは、インシュアテックへの理解を深め、保険分野での活躍を目指してみてはどうでしょうか。
「インシュアテック企業で働きたい!」
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などのキャリアのお悩みは是非、「IT・Web業界の知見が豊富なキャリアアドバイザー」にご相談ください!
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