
REST APIとは?仕組みと使い方を初心者向けに解説
REST APIという言葉は目にするものの、実際に何を指すのか説明できないという方も多いのではないでしょうか。
REST APIとは、URL(リソース)とGET・POST・PUT・DELETEなど4種類のHTTPメソッドを組み合わせて、システム同士がデータをやり取りするための設計スタイルです。
本記事を読むと、REST APIの仕組みからSOAP・GraphQLとの違い、Postmanやサンプルコードを使った実践的な使い方、設計時に押さえるべきポイントまで一通り理解できます。
【この記事はこんな人におすすめ】
- REST APIの基本を初めて学ぶ方
- SOAPやGraphQLとの違いを整理したい方
- 実装・設計の実務でREST APIを扱う予定がある方
この記事のまとめ
- REST APIはURIとHTTPメソッドでデータを操作する設計スタイル
- ステートレス性がSOAPやGraphQLとの違いを生む重要な特徴
- 設計原則と認証方法を押さえると実務でのミスを防げる
目次
REST APIとは?
Web開発で頻繁に登場する「REST API」とは、ソフトウェア同士がインターネットを通じてデータをやり取りするための設計ルールに沿ったAPIのことです。
HTTPを使ったシンプルな仕組みで、現在のWebサービスでは事実上の標準となっています。
以下解説します。
REST APIの概要
REST APIとは、リソースをURIで表現し、HTTPメソッドを使って操作するAPI設計のスタイルです。
RESTはRepresentational State Transferの略称で、2000年にロイ・フィールディングが提唱した設計思想を指します。この思想に基づいて構築されたAPIが、一般にREST APIと呼ばれています。
データやサービスなどWeb上のあらゆるリソースを、URLという形で一意に識別できる点が特徴です。
さらにHTTPという広く普及したプロトコルを使うため、プログラミング言語やプラットフォームを問わず利用できます。
この汎用性の高さから、現在では多くのWebサービスやスマートフォンアプリの裏側でREST APIが採用されています。
参考:Roy Thomas Fielding『Architectural Styles and the Design of Network-based Software Architectures』
RESTとRESTfulの意味
RESTは設計思想そのものを指し、RESTfulはその原則に忠実に従って設計されたAPIを指す言葉です。両者は似ていますが、意味する範囲が異なります。
たとえばRESTの原則の一部しか満たしていないAPIは、RESTベースのAPIと呼ばれることはあっても、厳密にはRESTfulとは呼びにくいでしょう。
用語の違いを理解しておくと、技術記事や設計ドキュメントを読む際の解釈がスムーズになります。
REST APIとWeb APIは同じもの?
REST APIとWeb APIは、同じものではありません。Web APIはインターネット経由で利用できるAPI全般を指す総称であり、REST APIはそのなかの一つの設計スタイルです。
Web APIにはREST API以外にも、SOAPやGraphQLを使ったAPIが含まれます。Web API=REST APIと誤解されがちですが、実際には包含関係にあると捉えるとわかりやすいでしょう。
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REST APIの仕組み
REST APIの仕組みは、URI・HTTPメソッド・ステートレス性・JSONという4つの基本要素と、Roy Fielding氏が定義した6つの原則で成り立っています。
実務でREST APIに触れる際は、まず4つの基本要素を押さえると全体像をつかみやすくなります。
そのうえで、本来の設計思想である6原則まで理解しておくと、設計や実装時の判断に迷いにくくなるでしょう。
リソースをURI(URL)で表す
REST APIでは、操作の対象となるデータや機能をリソースと呼び、それぞれをURIで一意に識別します。たとえば特定のユーザー情報を取得したい場合は、/users/123のようなURIでそのユーザーを指定します。
このように名詞的なURIでリソースを表現する設計が、REST APIの基本的な考え方です。動詞を含めず、リソース自体を表す点がポイントです。
HTTPメソッドで操作を表す
リソースに対する操作は、URIではなくHTTPメソッドで表現します。代表的な4つのメソッドとCRUD操作の対応は、以下のとおりです。
| HTTPメソッド | 対応するCRUD操作 | 概要 |
| GET | Read | リソースを取得する |
| POST | Create | 新しいリソースを作成する |
| PUT | Update | リソースを更新する |
| DELETE | Delete | リソースを削除する |
同じURIであっても、メソッドを変えるだけで異なる操作を表現できる点が効率的です。
ステートレスである
ステートレスとは、サーバー側が過去のリクエストの状態を保持しない設計原則です。1回ごとのリクエストに必要な情報がすべて含まれるため、サーバーは前回のやり取りを覚えておく必要がありません。
この特徴により、サーバーの負荷分散やスケールアウトがしやすくなります。一方でクライアント側は、認証情報などを毎回のリクエストに含める必要があります。
そのほかの原則
ロイ・フィールディングの博士論文では、ステートレス性のほかにも複数の原則が定義されています。代表的なものは、キャッシュ可能性・統一インターフェース・階層化システム・コードオンデマンドの4つです。
キャッシュ可能性は、レスポンスをキャッシュ可能かどうか明示することで、通信の効率を高める原則です。
統一インターフェースは、リソースの操作方法を一貫させることで、システム全体の見通しをよくします。
階層化システムは、クライアントとサーバーの間にロードバランサやプロキシなどを介在させても機能するよう設計する考え方です。
参考:Roy Thomas Fielding『Architectural Styles and the Design of Network-based Software Architectures』
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REST APIとSOAP・GraphQL・Web APIとの違い
REST APIとよく比較される技術に、SOAP・GraphQL・Web APIがあります。それぞれの違いを理解すると、技術選定の判断がしやすくなります。
- SOAPとの違い
- GraphQLとの違い
- Web APIとの違い
SOAPとの違い
SOAPはプロトコルであり、RESTは設計スタイルである点が大きな違いです。データ形式も異なり、SOAPは主にXMLを使うのに対し、REST APIは軽量なJSONを使うケースが一般的です。
| 比較項目 | SOAP | REST API |
| 種別 | プロトコル | 設計スタイル |
| データ形式 | XML | JSON(XMLも可) |
| 通信規約 | 厳格 | 柔軟 |
SOAPは仕様が厳格で堅牢性に優れる一方、REST APIは軽量で扱いやすいという特徴があります。
GraphQLとの違い
GraphQLは単一のエンドポイントに対してクエリを送り、必要なデータだけを指定して取得できる技術です。対してREST APIは、リソースごとに複数のエンドポイントを用意する構成が基本となります。
必要なデータのみを柔軟に取得したい場合はGraphQLが向いており、シンプルな構成で運用したい場合はREST APIが適しているといえます。
どちらを選ぶかは、扱うデータの複雑さやチームの経験によって変わってくるでしょう。
Web APIとの違い
前述のとおり、Web APIはインターネット経由で利用できるAPI全般を指す上位概念です。REST APIは、そのなかでもHTTPメソッドとURIを用いる設計スタイルの一つです。
そのためSOAPやGraphQLを使ったAPIも、広い意味ではWeb APIに含まれます。REST API=Web APIではなく、REST APIはWeb APIの一種と捉えると整理しやすくなります。
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REST APIの基本的な使い方
REST APIの理解を深めるには、実際にリクエストを送ってレスポンスを確認する経験が近道です。
ここではPostmanを使った動作確認方法と、Python・Javaのサンプルコードを紹介します。
Postmanで動作確認する方法
Postmanは、プログラムを書かずにAPIリクエストを送信・確認できる無料ツールです。REST APIを初めて学ぶ際の入り口として広く使われています。
基本的な手順は、以下のとおりです。
- Postmanを起動し、新規リクエストを作成する
- HTTPメソッド(GETなど)とリクエスト先のURLを入力する
- 必要に応じてヘッダーやパラメータを設定する
- 「Send」ボタンを押し、レスポンスを確認する
実際に画面上でリクエストとレスポンスを見比べることで、REST APIの動作イメージがつかみやすくなります。
Python・Javaでのサンプルコード
プログラムからREST APIを呼び出す際は、各言語が提供するライブラリを利用するのが一般的です。Pythonではrequestsライブラリ、JavaではHttpClientクラスがよく使われます。
Pythonの例は、以下のとおりです。
import requests
response = requests.get("https://api.example.com/users/123")
print(response.json())
Javaの例は、以下のようになります。
HttpClient client = HttpClient.newHttpClient();
HttpRequest request = HttpRequest.newBuilder()
.uri(URI.create("https://api.example.com/users/123"))
.GET()
.build();
HttpResponse<String> response = client.send(request, HttpResponse.BodyHandlers.ofString());
System.out.println(response.body());
どちらの言語も、数行のコードでGETリクエストを送信できる手軽さが魅力です。
主なHTTPステータスコード一覧
REST APIのレスポンスには、処理結果を表すHTTPステータスコードが含まれます。代表的なコードは、以下のとおりです。
| コード | 分類 | 意味 |
| 200 OK | 成功 | リクエストが正常に処理された |
| 201 Created | 成功 | リソースが新規作成された |
| 400 Bad Request | クライアントエラー | リクエスト内容に不備がある |
| 401 Unauthorized | クライアントエラー | 認証情報が不足している |
| 404 Not Found | クライアントエラー | 指定したリソースが存在しない |
| 500 Internal Server Error | サーバーエラー | サーバー側で処理が失敗した |
参考:IETF「RFC 9110 HTTP Semantics」15. Status Codes
ステータスコードを正しく読み取ることで、エラーの原因がクライアント側とサーバー側のどちらにあるか切り分けやすくなります。
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REST API設計のベストプラクティス
REST APIを実務で設計する際は、エンドポイントの命名・認証方法・バージョニングという3つの観点を押さえておくと失敗を防ぎやすくなります。
- エンドポイント(URI)設計のポイント
- 認証・認可の方法(APIキー・OAuth・JWT)
- バージョニングとエラーハンドリングの考え方
エンドポイント(URI)設計のポイント
エンドポイントは、名詞かつ複数形で表現するのが基本です。たとえばユーザー一覧を取得するエンドポイントは、/getUsersではなく/usersのように設計します。
階層構造を意識し、/users/123/ordersのように関連するリソースを表現する方法も広く使われています。動詞を含めず、リソースの構造をそのままURIに反映させる点がポイントです。
認証・認可の方法(APIキー・OAuth・JWT)
REST APIの認証方法には、主にAPIキー・OAuth・JWTの3種類があります。
APIキーはシンプルに導入できる一方、セキュリティ強度はやや低めです。OAuthは第三者のサービスに権限を委譲する場合に適しており、GoogleやSNS連携などで広く採用されています。
JWTはトークン自体に情報を含められるため、サーバー側での状態管理が不要になる点が特徴です。
用途や求めるセキュリティレベルに応じて、適切な方式を選ぶことが重要です。
バージョニングとエラーハンドリングの考え方
REST APIを長期運用する際は、仕様変更に備えたバージョニングが欠かせません。/v1/usersのようにURIにバージョン番号を含める方法が、代表的な手法の一つです。
エラーハンドリングについては、ステータスコードだけでなく、エラーの詳細を示すメッセージをレスポンスボディに含める設計が有効です。利用者がエラー内容を把握しやすくなり、開発効率の向上にもつながります。
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REST APIを扱うエンジニアに求められるスキルとキャリアパス
REST APIの知識は、Webサービス開発に携わるエンジニアにとって欠かせないスキルの一つです。
ここでは、求められる知識やキャリアパスについて紹介します。
- REST APIに関連して求められるスキル・知識
- 関連する職種・求人動向
- 未経験からREST APIを扱うエンジニアを目指すには
REST APIに関連して求められるスキル・知識
REST APIを扱うエンジニアには、HTTPやJSONといった基礎知識に加えて、認証・認可の仕組みへの理解が求められます。
加えて、Node.jsやDjango、Spring Bootといったフレームワークを使った実装経験があると、選考の場でも評価されやすくなるでしょう。
近年はマイクロサービス化が進んでいることから、複数のAPIを連携させる設計力も重視される傾向にあります。
関連する職種・求人動向
REST APIの知識が生かせる職種には、バックエンドエンジニア・APIエンジニア・サーバーサイドエンジニアなどが挙げられます。
自社サービスを展開する企業だけでなく、SaaS企業やSIerでも、REST API関連のスキルのニーズは高まっています。
求人票では「REST API設計経験」「認証基盤の実装経験」といった条件が具体的に記載されるケースも増えてきました。
転職市場の動向は変化しやすいため、詳しい求人状況を知りたい場合は転職エージェントへの相談も選択肢の一つです。
REST APIに関連する職種の年収帯
REST APIに関連する職種の中で、平均年収が最も高いのはサーバーエンジニア(自社)の638万円です。中央値も600万円と3職種の中で最も高くなっています。
web系SE・PG(自社製品)は平均518万円、スマホ系SE・PGは平均495万円で、どちらも中央値は500万円です。
最大年収を見ると、サーバーエンジニア(自社)とスマホ系SE・PGはどちらも1,500万円に達しています。スキルや経験次第で大幅な年収アップを狙える職種だといえます。
バックエンドの設計・運用からアプリとのAPI連携まで幅広く対応できる人材は市場価値が高く、REST APIの知識はキャリアアップの強い武器になるでしょう。
未経験からREST APIを扱うエンジニアを目指すには
未経験からREST APIを扱うエンジニアを目指す場合は、まずHTTPの基本やJSON形式の扱い方を学ぶところから始めるとよいでしょう。
そのうえで、PostmanなどのツールでAPIを実際に操作し、簡単なAPIを自作するとより理解が深まります。
学習した内容をポートフォリオとして形に残しておくと、転職活動の際に実務経験の少なさを補う材料になります。
学習の進め方やポートフォリオの作り方に迷う場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。
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