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フレックスタイム制を徹底解説!仕組みや特徴から企業の導入事例までご紹介します!

新しい働き方として、「フレックスタイム制」を導入する企業が増えています。フルタイム勤務とは違った働き方であることはわかっていても、その実態はよくわからない方も多いのではないでしょうか。今回は「フレックスタイム制」の仕組みや特徴を徹底的に解説。企業の導入事例もご紹介します。

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フレックスタイム制とは?

 

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フレックスタイム制とは、労働者が始業と終業の時間を自由に決められる制度です。多くは「コアタイム」があり、1ヶ月などの一定期間において決められた総労働時間をクリアできるように勤務時間を調整します。

フレックスタイム制の歴史は古く、日本での導入は1988年と30年以上前から制度として存在していました。労働者が働きやすくなるように導入されたフレックスタイム制は、まさに「働き方改革」の始まりとも言われています。

少子高齢化によって労働人口の減少が社会問題となっている昨今、働き方の多様化を目指して導入されたフレックスタイム制は、これからますます注目されるでしょう。

 

 

フレックスタイム制の仕組み

 

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フレックスタイム制がフルタイム勤務と大きく異なるのは、勤務時間です。一般的なフルタイムは始業・終業時間が企業側で定めていますが、フレックスタイム制は労働者が自由に始業・終業時間を決められます。

しかし、勤務時間の決め方には「コアタイム・フレキシブルタイム」「総労働時間」という、2つのルールがあります。それぞれの仕組みについて解説しましょう。

 

コアタイム・フレキシブルタイム

 

フレックスタイムには、企業側が定める「コアタイム」「フレキシブルタイム」という時間帯があります。

「コアタイム」は必ず勤務していないといけない時間帯で、「フレキシブルタイム」は始業、もしくは終業を選べる時間帯を指します。

 

例えば、フレキシブルタイムが8時~10時、コアタイムが10〜15時、もう一つのフレキシブルタイムが15〜20時と企業が定めているとします。

この場合フレックスタイム制の労働者は、8〜10時の間に業務を開始し、10〜15時は必ず業務を行い、15〜20時にいつでも業務を終了できるのです。

 

フレックスタイムの中にコアタイムがあるのは、勤務時間をスタッフの裁量に完全に任せてしまうと社内のコミュニケーション不足が懸念されるためです。

コアタイムによってスタッフが必ず揃う時間帯を作り、スタッフ同士のすれ違いを回避させ、業務を円滑に進める狙いがあります。

 

総労働時間

 

総労働時間とは、一定期間において企業側が定める労働者が必要な労働時間を指します。

コアタイムとフレキシブルタイムだけでは、最小限にコアタイムの時間帯だけ勤務が可能になり、一日の勤務時間が一般的な8時間より少なくなる場合も。そのために定められたのが総労働時間です。

 

例えば1ヶ月の総労働時間が160時間と定められている場合、労働者はコアタイムとフレキシブルタイムをうまく調整して、1ヶ月で160時間以上になるように働きます。

毎日8時間勤務×出勤20日間で160時間にすることはもちろん、プライベートの都合に合わせて6時間しか働かない日もあれば10時間働く日を作って全部で160時間にしても問題ありません。

 

スーパーフレックスタイム制

 

フレックスタイム制に2つのルールがある一方、同じフレックスタイム制でもコアタイム・フレキシブルタイムを定めない「スーパーフレックスタイム制」というものもあります。

コアタイムがないため「会社に出社しなければいけない」という時間がなくなり、自分で働く時間や場所を選択できる制度です。

スーパーフレックスタイム制を利用して、完全リモートワーク(在宅ワーク)を導入する企業も増えており、よりフレキシブルな働き方を可能とします。

 

 

フレックスタイム制に残業はある?

 

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フレックスタイム制には明確な終業時間がないため、残業に該当する時間がないように感じるかもしれません。

しかしフレックスタイムにも、残業はしっかり存在しています。

フレックスタイムならではの残業ルールを解説するとともに、勤務時間がフレキシブルだからこそ起こる違法な残業を紹介します。

 

残業ルール

 

フルタイムの場合、基本的には決められた終業時間を超過して業務を行えば、その時間は残業とみなされます。

では、終業時間が決まっていないフレックスタイム制は、いつから残業となるのでしょうか。

 

フレックスタイム制の場合、「総労働時間」を基準に、超過した時間が残業とみなされます。

例えば1か月間の総労働時間が160時間と定められていて、実労働時間が170時間になった場合、10時間が超過勤務(残業)です。

企業はフレックスタイム制の労働者に対し、総労働時間と実労働時間の差分に応じて、別途超過分の残業代を支給します。(※1)

 

このような残業ルールが設けられているため、に、フレックスタイム制であってもフルタイム同様に残業が存在しているのです。

※1 雇用契約の内容によっては、超過数時間を「みなし残業」として給与に組み込んでいるケースもあります。

 

違法な働き方

 

フレックスタイム制を導入する企業は年々増加していますが、中にはそのフレキシブルさを悪用する企業も存在します。フレックスタイム制を使った違法な働き方について紹介しましょう。

 

残業代を支払わない

フレックスタイム制の残業ルールがうやむやにされることで、残業代を支払わない企業も存在します。これは、たびたびニュースにもなる問題です。

 

勤務時間を命令される

フレックスタイム制は労働者が始業と終業の時間を決められる働き方のため、企業側が勤務時間を命令することは違法になります。ただし、業務命令ではなく「勤務時間変更のお願い」のスタンスであれば、違法になりません。

 

 

フレックスタイム制のメリット・デメリット

 

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フレックスタイム制は、ライフスタイルに合わせた自由な働き方ができるため、時間に縛られるフルタイム勤務よりメリットが多く感じます。

フレックスタイム制を導入することによって、労働者と企業が得られる具体的なメリットと、逆にどのようなデメリットを受けるのか確認しましょう。

 

メリット

 

労働者にとってフレックスタイム制の大きなメリットと言えば、「柔軟に勤務時間の調整ができること」です。

通勤ラッシュの時間帯を避けて出社できたり、その日の業務量に応じた勤務時間を設定できたり、時間に囚われることが少なくなります。

 

そのため、プライベート時間の確保がしやすくなり、出産・育児、介護などライフステージに合わせた働き方も可能になります。

企業側にとってもフレックスタイム制は、雇用者のモチベーションが上がり生産性の向上につながるでしょう。その上、雇用満足度や定着率が高まるといったポジティブな相乗効果も期待できます。

 

デメリット

 

フレックスタイム制は勤務時間が自由になる分、「周りへの調和が取りにくいこと」がデメリットになるでしょう。

 

取引先企業と勤務時間にズレが生じたり、社内のコミュニケーション不足や連携が難しくなったり、時間が自由が故の懸念がささやかれます。

自己管理ができないタイプの雇用者は勤務状況がルーズになり、生産性を落とす可能性も否めません。

 

また、フレックスタイム制を導入するために企業は、社内ルールの改正・整備、雇用者とフレックスタイムに対する正しい認識のすり合わせなどが必要となります。

企業側は導入のハードルが高く、安易にフレックスタイム制を取り入れられないこともデメリットの一つと言えるでしょう。

 

 

企業のフレックスタイム制の実態は?

 

 

どのような企業がフレックスタイム制を導入しているのか、実態を紹介します。

 

導入企業例

 

厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」によると、フレックスタイム制を導入している企業は全体の6.5%と、まだまだ少ない状況です。企業の規模別にみると、「1,000人以上」が76.4%、「300~999人」が69.5%、「100~299人」が63.1%、「30~99人」が56.9%となりました。

また、フレックスタイム制を導入している企業例としては下記企業があげられます。

 

・アマゾンジャパン合同会社

・株式会社オリエンタルランド

・サントリーホールディングス株式会社

・三菱商事株式会社

・トヨタ自動車株式会社

 

導入しやすい業種1位は情報通信業

 

厚生労働省の調査によると、フレックス制の導入率が高い業種は第1位が情報通信業で30.0%という結果になりました。

2位が金融・保険業(14.7%)、3位が電気・ガス・熱供給・水道業(14.2%)と続いています。

情報通信業の中でも、エンジニアやプログラマー、WEBデザイナーといった職種では、個人の裁量で仕事を進行・完結させやすいのが特徴と言えます。

こういったフレックスタイム制との相性の良さが導入率を上げているようです。

 

企業が導入しているかはどう調べる?

 

実際に、企業がフレックスタイム制を導入しているかどうかを調べるためには、以下の方法が考えられます。

・求人票を確認する

・面接で直接確認する

 

職種によってはフレックスタイムでの勤務が難しい場合もあり、フレックスタイム制を導入している企業でもフレックスで働けないことが起こりえます。

新しい働き方として注目されるフレックスタイム制ですが、企業にとって導入のハードルはまだまだ高いのが実態として窺えるでしょう。

 

フレックスタイム制のよくあるQ&A

 

 

Q:休憩時間の決め方は?

 

A:休憩時間は、労働時間が6時間を超える場合は45分8時間を超える場合は1時間が原則です。

この休憩時間を、労働の途中に、一斉もしくは自由に与えて利用できるようにすると厚生労働省によって定められています。(一斉休憩の規定には適用除外業種もあり)

 

Q:半休は利用可能?

 

A:半休制度の導入は可能です。

総労働時間の範囲内であれば、1日4時間働いた後に退社をすることが可能で、通常の働き方と異なり事前申告が不要という特徴があります。

 

Q:フレックスタイム制における残業の考え方は?

 

A:36協定が締結されれば時間外労働が認められます。

ただし、1日8時間・1週40時間を超えても、ただちに時間外労働とはならないこともあるので、注意が必要です。

 

Q:清算期間って何?

 

A:その期間を平均して法定労働時間の週40時間に収まるよう働く期間の事です。

フレックスタイム制では、まず清算期間中の法定労働時間が全部でどのくらいかを計算して、そのなかにおさまるように総労働時間を決めます。

【法定労働時間の総枠】清算期間の暦日数×40時間÷7

 

例えば、子どもがいて長期休暇中は早めに退勤したいというようなケースで活用できます。

2019年4月の法改正により、清算期間は1ヶ月から3ヶ月に延長しました。

1ヶ月を超える場合「繁忙月に偏った労働時間とすることはできない」「労使協定の届出が必要」というルールが加わっています。

これは、一定期間に労働が集中する事による健康被害を防ぐ目的があります。

 

(参考:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」)

 

まとめ

 

 

労働者のプライベートやライフステージを尊重するため、今後もフレックスタイム制を導入企業の増加が見込まれるフレックスタイム制。

一方で、導入ハードルの高さが、企業にとっては悩ましい問題にもなっています。

 

新しい働き方として、労働者にとっても企業にとってもメリットが大きいフレックスタイム制を、これからも注目してみましょう。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

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