ペイロールとは?意味や導入メリットをわかりやすく解説
ペイロール(payroll)は、給与計算業務の負担を軽減する給与支払いシステムです。現金、銀行口座振り込みに次ぐ第3の給与支払い方法として普及していますが、どのようなシステムなのでしょうか。この記事では、ペイロールの特徴や導入のメリットの他、注意点についても解説します。
目次 [閉じる]
ペイロール(payroll)とは?
ペイロールの意味
ペイロールとは、給与支払いシステムの総称を意味します。
例えば給与計算をはじめ、賞与や勤怠、社会保険、退職金、年末調整といった給与関連の業務を効率化してくれるITシステムです。
給与計算業務を自動化することによって、給与計算業務の工数や経費を削減できるメリットがあります。
ペイロールの特徴
ペイロールのシステムには、内製でのシステム構築と外部企業にアウトソーシングするケースの2つがあります。
株式会社ペイロールをはじめ、さまざまな企業が独自のペイロールのシステムを提供しています。
また、顧客の給与システムを活用した給与計算業務の代行・アウトソーシングサービスの増加傾向です。
システムやアウトソーシング型ペイロールのサービスを提供している企業によっては、業種に特化したサービスもあります。
ペイロールでできる事
ペイロールの最も代表的な役割は給与計算業務です。
ペイロールの場合は給与計算と勤怠が連携されているため、給与計算ソフトの機能を包含しています。
また、シンプルに給与を計算するだけでなく、退職金に関する昇進・昇格や入社・退職者の計算などの情報入力も自動化でき、作業を軽減することができます。
社会保険の手続きから届け出までを一貫して行ってくれる、社会保険業務のサポートが提供されるサービスがある点も特徴です。
年末調整の際の資料配布、社員の保険や住宅ローンの控除などのチェック業務もペイロールが代行してくれます。
ただし、ペイロールシステムによって対応している業務が異なる点には注意が必要です。
ペイロールカードとは?
ペイロールには、給与を受け取る際に振込先として使うペイロールカードというものがあります。
外国人労働者をはじめ、口座を作れない就労者であっても給料を受け取るために必要なカードです。
ペイロールカードには、クレジットカード機能がついているものや、福利厚生が充実した機能がついているものもあります。
ペイロールに付帯する福利厚生が給与に追加されるという仕組みですが、ペイロールの福利厚生は通常の企業の福利厚生の仕組みとは異なっています。
福利厚生制度がない場合はペイロールカードで受ける事ができるという仕組みです。
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ペイロールのメリット【企業側】
工数・人件費・手数料をカットできる
ペイロールを導入すれば、給与計算業務にかかる時間や手間をカットできます。
給与計算業務において、多くの企業が人材不足と時間的コストを課題として抱えており、企業規模が大きければ大きいほど従業員の人数も多くなり負担も大きくなる傾向です。
給与計算は企業にとって必要不可欠な業務であると同時に、ミスが許されない負担の大きい業務です。
自動化を活用して業務時間を短縮できれば、担当者の残業時間なども減らすことができます。
また、銀行口座への給与振り込みにかかる手数料も、ペイロールを利用することで軽減できるケースがあります。
給与計算のミスや不正を防ぐことができる
ミスが許されない給与計算業務においては、正確な計算を行えるペイロールの活用によるメリットが大きいです。
給与計算で誤りが起こってしまうと、修正作業などの業務が増えるだけでなく、企業の信用問題にもかかわります。
ヒューマンエラーによる支払額のミスなどを未然に防げるシステムの導入は、企業にとっては大きな恩恵を受けられるでしょう。
また、社内での不正防止にも繋がります。
アウトソーシング型の場合では、専門知識のあるスタッフが給与計算業務を行ってくれる点や、委託する業務の範囲を選択できる点もメリットです。
属人化を防げる
給与計算業務では、特定の人しか業務のやり方がわからないという属人化が起こりがちです。
複数人が常に対応できる体制を構築しなければ、担当者の急な欠勤や退職によって誰も対応できないという状態に陥るリスクがあります。
しかしペイロールを導入すれば、業務が可視化され、属人化の防止に役立ちます。
ペイロール導入でメリットを感じやすい企業の特徴
ペイロール導入によって、上記のようなメリットを感じやすい企業には次のような特徴があります。
・人の出入りが多い企業
・フィンテック企業
・従業員の人数が多い大企業
・経理部の人数が少ない中小企業
パートやアルバイトの雇用形態がメインの企業などでは、入退社が多い分、給与計算業務が煩雑になりがちです。
ペイロールを導入して計算を自動化できれば、時給計算業務などの工数は大幅に削減できるでしょう。
従業員の人数が多い企業や、限られた人員で経理業務のすべてを行わなければならない企業にとっても、ペイロールで給与計算を行えれば繁忙期などに発生しやすい担当者の残業なども減らすことができます。
また、ペイロールはフィンテック企業にとってビジネスチャンスになり得るとして期待されるシステムです。
給与計算関連サービス「e-pay sugumo(イーペイスグモ)」の事例のように、従業員のニーズに沿った給与支払いができるサービスにも注目が集まっています。
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ペイロールのメリット【従業員側】
給与を目的別に管理できる
ペイロールでは、受け取る給与の範囲や種類ごとに選択して管理することができます。
例えばペイロールカードで毎月給与から決まった額を受け取り、残りを銀行口座で管理するという方法なども可能です。
口座残高が100万円を超えない範囲で、個人のライフスタイルや希望する資産管理方法に合わせて給与を管理できる点はペイロール利用の大きなメリットでしょう。
キャッシュレス決済の利便性が上がる
ペイロールを利用すれば、銀行口座からのチャージが不要となり、それに掛かる手数料の負担もなくなります。
先述のように、毎月固定でペイロールカードに給与振り込みがあれば、その金額を上限として使用するといった使い方も可能です。
特にキャッシュレス決済の利用が増えた現代では、チャージを忘れるリスクや手間がなくなる点にメリットを感じやすいでしょう。
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ペイロール導入の際注意しておきたいポイント
システム導入時にコストが掛かる
ペイロール導入後にコストは大幅に削減できますが、導入時には大きなコストを要します。
提供する業者やシステムによってば、給与計算業務のほかにもさまざまな対応項目が付帯していることがあり、導入にかかる金額はさまざまです。
課金体系をとっているシステムの場合は、あらかじめ不要なサービスは省くことができる一方で、都度必要なサービスを追加する必要に迫られる可能性もあるでしょう。
そのため、導入に際しては自社のニーズに合っているか慎重に検討することや、複数社を比較すること、導入後のメリットとのバランスを見極めることをおすすめします。
情報漏洩の危険性がある
アウトソーシング型のペイロールは、専門知識のあるスタッフが給与計算業務を行ってくれるメリットがあります。
ただし情報漏洩のリスクがある点には注意が必要です。
給与計算には、重要な個人情報が含まれます。リスクを認識し、セキュリティを強化しておくなど対策を行いましょう。
社内でノウハウが蓄積されない
外部から派遣された専門スタッフが給与計算業務などをこなしてくれる点は、アウトソーシング型のペイロールの大きなメリットです。
しかし、業務手順などのノウハウが社内に蓄積されないという問題も出てきます。
イレギュラーな問題が発生した際に、アウトソーシング型にしていたことで対応しにくくなってしまう可能性も考えられるでしょう。
企業によって受託してくれる業務範囲が異なる
ペイロールシステムを提供している企業の業務範囲が、自社のニーズに合っているとは限りません。
システムや外部委託する業者によって運用内容が異なります。
そのため、システム導入を依頼する企業が自社のニーズにマッチしているかを考えましょう。
導入後の業務の進め方やコストといったイメージも考えたうえで選ぶ必要があります。
システム保守および仕様変更を自社で行う必要が出てくる
内製でのシステム構築は、運用が変わらないというメリットがあります。
しかし、外部企業へのアウトソーシングではシステム保守や仕様変更を自社で行う必要はありませんが、内製でシステムを構築する場合は保守や仕様変更を自社で行う必要が生じます。
対応できる技術や知識をもった人材が必要になる点にも注意が必要です。
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ペイロールの活用例
ペイロールは給与計算と社会保険の業務で活用されることが多いシステムです。
給与計算では、等級が昇格した場合、それに伴い退職金のポイントが上昇するケースがあります。
このような場合、本来であれば入力時間が掛かりますが、一元管理がされているペイロールを活用することで入力業務に割く時間を削減できます。
社会保険業務では行政手続きが必要で本来であれば面倒な手続きが多いです。
ペイロールを活用した場合、社会保険業務は社労士事務所などへの外注がされているため、担当者が手続きや届け出の提出なども不要になります。
また「ADVASA」のような随時払いのシステムと組み合わせて活用することも可能です。
給与の前払いができることで、人事・経理担当の業務の負担も減らせるでしょう。
このように前払いや日払いなど給与支払いに関するシステムとペイロールを上手く組み合わせれば、負担を減らすことができます。
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ペイロールの仕組みを十分に理解しておくことが重要
ペイロールにはシステムやアウトソーシング先によって受託業務の範囲が異なります。
アウトソーシング型を選ぶか内製でのシステム構築を選ぶかで運用の仕方も変わるため、導入する際はしっかりと上記の点を踏まえて導入を検討しましょう。
ペイロールを導入する事で社員の業務の負担軽減やコスト削減、業務改善などを実現でき、企業側も社員側にもメリットが大きいです。
また、IT転職で財務や経理の仕事を考えている方はペイロールの仕組みへの理解を深め転職に役立てましょう。
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