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有給休暇

有給買取が認められるケース3例!退職時に確認すべき法律の規定は?

有給休暇は、労働者にとって大きな権利のひとつです。近年では、働き方改革の推進により積極的に有給休暇の消費がされていますが、有給休暇の消費について戸惑う方も多く、有給休暇の買取はそのひとつです。本項では、有給休暇の買取についての解説と、特に転職時に多い有給休暇の買取について解説していきます。有給休暇の買取をよく理解して、転職先での活躍に繋げましょう。

退職時に有給休暇の買取は可能?

 

有給休暇

 

有給休暇が余った場合は?

 

有給休暇を思うように消費できず、余らせているという方は多いのではないでしょうか。

特に転職などで会社を退職する場合に、有給休暇を消費できず退職してしまうというケースが多くなっています。

有給休暇は労働者の権利であり、本来休暇に使用するべき有給休暇を有効活用する方法はないでしょうか。

そんな時に活用されるのが有給休暇の買取制度です。

本項では、有給休暇の買取制度について詳しくみていきます。

 

有給休暇の買取は就業規則によっては可能

 

退職時に有給休暇の買取は可能でしょうか?

結論から申し上げますと、ケースバイケースで就業規則によることが多いです。

法律で有給休暇の買取義務はなく、有給休暇の買取は各自会社の裁量で行われることになっています。

有給休暇の買取をしてもらいたい場合は、お勤めの会社の就業規則等をよく確認しましょう。

ご自身が持つ権利にとってしっかりと理解を深めて、転職後の活躍に繋げていきましょう。

 

有給休暇とは何か

 

有給休暇

 

有給休暇(有休)とは

 

そもそも有給休暇とは、社員が休暇をとることで心身の回復を促し、意欲的に労働してもらうための制度です。

有給休暇の付与は労働基準法によって義務付けられており、一定の条件を満たした従業員が必ず取得できる制度です。

 

有給休暇取得の条件

 

有給休暇を取得できるのは正社員だけではありません。

以下の2つの条件を満たしている場合、すべての労働者が有給休暇を取得することができます。

1つは、勤務開始日から6か月間継続して勤務していること。

もう1つは、6か月間の全勤務日のうち8割以上出勤していることです。

これらの条件を満たしている限り、どの労働者も有給休暇を取得する権利があります。

 

有給休暇の付与日数は?

 

有給休暇

 

法律で定められている有給休暇の最低日数

 

労働基準法第39条により、付与しなければならない有給休暇の日数の下限が定められています。

具体的な付与日数は、以下の通りです。

 

・半年間:10日

・1年半:11日

・2年半:12日

・3年半:14日

・4年半:16日

・5年半:18日

・6年半以上:20日

(勤続年数:有給休暇の下限日数)※通常の労働者の場合

 

これらの日付は有給休暇の付与日数の最低ラインであるため、実際の付与日数はもっと多くなっています。

ご自身が勤めている会社がどれだけ有給休暇を付与しているかは、就業規則で定められています。

 

有給休暇の消費は1日単位?

 

有給休暇の消費は1日でなければならないということはなく、半日ということも認められます。

例えば、半日休で0.5日を消費するという使い方もできますし、時間単位で消費することもできます。

就業時間が7時間と定められている場合、2時間休、2時間休、4時間休で1日休としてカウントします。

 

 

有給休暇取得の義務化

 

有給休暇

 

有給休暇の取得は義務

 

2019年4月に施行された働き方改革関連法により、有給休暇取得が義務とされました。

年間10日以上の有給休暇が付与されている場合には、5日以上の有給休暇を与えることが会社に義務付けられています。

有給休暇については、取得をしたくても休みづらい風土が職場にあることが珍しくありません。

法律で有給休暇の取得を義務化することにより、積極的に有給休暇を取得することができます。

 

働き方改革の一環

 

有給休暇取得の義務は働き方改革の一環であり、有給休暇のスムーズな消費を促すための制度です。

勤勉な日本人は有給休暇を消費しない傾向にあり、有給休暇の義務化で労働者に積極的に休んでもらおうというものです。

また、労働者が有給休暇を希望したにも関わらず会社がそれを認めなかった場合には、労働基準法により罰則があります。

有給休暇の取得を推進することにより、有給休暇が余ってしまうということも減ってくるでしょう。

 

 

退職時に有給を買い取ってもらう方法を解説!

 

有給休暇

 

有給休暇の買取は、ご自身が持っている有給休暇の日数を確認して、会社に請求します。

有給休暇を管理している部署は主に人事部なので、人事部に連絡をとって手続きをとりましょう。

特に、転職のため退職するという場合は人事部と手続きをとることになります。

退職手続きの際に有給休暇について調整していく必要があります。

ただし、必ずしも有給休暇の買取が認められるわけではないので注意する必要があります。

 

 

有給休暇の買い取り義務や法律の規定は?

 

有給休暇

 

労働基準法では原則として有給休暇の買取は認めておらず、会社にとって義務でもありません。

ただし、例外として有給休暇の買取が認められるケースもあります。

その条件や理由について、詳しく見ていきましょう。

 

有給休暇の買取が原則認められない理由

 

これは、有給休暇の買取と称して実質的に有給休暇を与えないことを防ぐためです。

本来、有給休暇は従業員に休暇を与えて心身ともに休養をとることが目的です。

有給休暇を買取制にしてしまうと本来の目的と反してしまうため、原則として法律で禁じられています。

 

有給休暇の買取は例外的に認められる場合がある

 

有給休暇の買取は原則で禁止されていますが、例外的に認められる場合があります。

特に、退職する従業員が有給休暇の買取を要求するというケースが多くなっています。

次の項で詳しく解説していきます。

 

 

有給休暇の買取が認められる場合

 

有給休暇

 

買取が認められる有給休暇

 

買取が認められる有給休暇は、「法定基準を上回る有給休暇」「時効となる有給休暇」「退職で無効になる有給休暇」の3つです。

「法定基準を上回る有給休暇」は、労働基準法で定められた所定の日数を超えた分の有給休暇です。

例えば、2年半務めた従業員の最低基準は12日ですが、就業規則で20日有給休暇を与えている場合のケース。

このときは、12日を超えたうち8日分が買取の対象になります。

「時効となる有給休暇」は、時効で消滅してしまう有給休暇です。

有給休暇は勤務開始後6ヶ月で発生し、その後2年間で消滅してしまうと労働基準法で定められています。

時効により消えてしまう有給休暇は買取の対象になります。

「退職で無効になる有給休暇」は、従業員が退職した時に未消費のまま残る有給休暇です。

この場合は、未消費の分を買取が認められています。

(参考:厚生労働省『労働基準法第39条(年次有給休暇)について』)

 

有給休暇の買取は会社と要交渉

 

以上にあげた有給休暇の買取は、あくまで認められているにとどまります。

法律で、有給休暇の買取をしなければならない、という義務はないため、会社とよく交渉しましょう。

ただし、本来与えられるべき有給休暇が与えられていない場合は、その請求を会社にすることができます。

 

 

有給休暇の単価算出法

 

 

有給休暇の買取の認可について見ていきました。

では、有給休暇を買取する場合、いくらで取引されるでしょうか。

一般的に算出される有給休暇の買取単価の算出方法を見ていきましょう。

 

単価は会社が設定する

 

有給休暇の単価の決定には法的拘束はありません

有給休暇の買取が法的に拘束されていないのと同様、買取単価にも法的な拘束はないのです。

就業規則を確認して会社と交渉しましょう。

 

有給休暇の買取単価の相場

 

有給休暇の買取が法的に拘束されていませんが、おおよその相場はどうでしょうか。

有給休暇の単価とは、有給休暇1日あたりの買取金額のことです。

一般的には、月給を勤務日数で割り引いたものを単価とすることが多いようです。

例えば、月給が20万円で勤務日数が20日の場合は、20万円を20日で割った1万円が買取単価になります。

その他「一律で5,000円を支給する」などと規定されている会社もあります。

 

有給休暇の買取単価に納得できない場合は?

 

有給休暇の買取単価が想定していたケースよりも低い場合はどうすればいいでしょうか。

法的には会社側には買取義務、単価に関する制限はありません。

残念ながら、会社の設定した価格に従うしかありません。

会社には有給休暇を買い取る義務もありませんので、買い取ってくれることも当たり前ではありません。

有給休暇は、そもそも買取を行うためのものではなく、従業員が休暇をとるためのものです。

ご自身が持つ有給休暇の権利を使えるように、計画を立てて休暇をとるようにしましょう。

 

 

転職と有給休暇

 

有給休暇

 

有給休暇の買取をすることが最も多いのが、転職により会社を退職するケースです。

溜めていた有給休暇の権利をどう消費するのか、事例を見ていきましょう。

 

有給休暇の買取を行ってもらう

 

1つは、有給休暇の買取を行ってもらうケースです。

本来活用するべき休暇として活用できなかったものを、金銭として取得できます。

ただ、先に述べたように有給休暇の買取には法的制限はないので、交渉が難航することも考えられます。

 

有給休暇をすべて使えるように最終出社日を調整する

 

もう1つは、有給休暇を休暇として消費できるよう、最終出社日を調整するケースです。

例えば、有給休暇が20日余っているという場合は、最終勤務日から逆算して20日前の勤務を最終出社日にします。

転職先の会社と最初の出社日について事前によく交渉する必要があります。

 

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有給休暇の使い方は?

 

有給休暇の本来の使い方であり、有給休暇の間に次の転職先で活躍するために心身を休めます

自宅で療養する人や、旅行でリラックスする人、資格取得など自己啓発に励む人など様々なケースがあります。

転職前の会社では忙しくて中々休めなかったという人も少なくないでしょうから、ご自身の時間を大切にする機会です。

いずれにしても、次の職業で活躍するための期間なので大事に使いたいですね。

 

 

まとめ

 

有給休暇

 

有給休暇の買取について、事例を交えながら見ていきました。

有給休暇は労働者にとっての権利であり、その活用法は計画を立ててうまく活用していきましょう。

特に、転職時に有給休暇の買取が問題になる場合があります。

転職は人生にとって大きな転機ですので、計画立てて転職活動をする必要があります。

ご自身の有給休暇を最大限活用して、転職先での活躍に繋げていきましょう。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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