
失業保険(失業手当)とは?もらえる条件や手続き方法をわかりやすく解説
この記事では、失業保険(失業手当)をもらえる条件やもらえる期間、金額や手続きの方法を解説しています。会社を退職して不安な方もいるかと思いますが、失業保険をもらう流れを理解して、適切な方法で失業保険を申請するようにしましょう。
目次
失業保険とは?
失業保険とは、雇用保険の被保険者が、何らかの理由で離職し、再就職するために支給される手当を指します。
失業保険を給付される日数は離職時点での年齢、期間、離職理由によって90日~360日の間から決められます。
倒産・解雇など会社都合の場合は給付日数が多くなるケースもあります。
失業手当との違い
失業保険と失業手当は同じ意味で、離職した人を対象に給付されます。
正式名称は基本手当となり、一般的には失業保険もしくは失業手当と呼ばれています。
【あわせて読みたい】再就職手当についてはこちら⇓
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
失業保険をもらえる条件
失業保険をもらえる条件は、以下の3つです。
- 離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上ある
- 働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている
- ハローワークで求職の申し込みをしている
失業保険が受給されるのは、これらすべての条件をクリアしていることが必要です。
ひとつずつ解説します。
離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上ある
まず、失業保険を受け取るためには、離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが条件です。
つまり、2年の間に12か月以上雇用保険に加入している必要があるということです。
直近2年で12か月以上雇用保険に加入していないと、失業保険は受け取れません。
また、失業保険を受け取るにあたって、雇用保険の加入が必須条件ですが、退職した理由によって受給資格の条件が変わる点にも注意が必要です。
退職理由は大きく分けて、リストラや会社の倒産による会社都合の退職と、転職などによる自ら意思を示す自己都合の2つに分けられます。
会社都合の場合:退職前の1年間のうち6カ月以上雇用保険に加入していること
自己都合の場合:退職前の2年間のうち12カ月以上雇用保険に加入していた場合
なお、出勤日数が11日以上の場合の限り1カ月とみなされます。また、転職をしている場合でも通算で月数が超えていれば対象となります。
働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている
失業保険を受け取るための条件として「働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている」という条件もあります。
働く意思や能力があるにも関わらず、転職先が見つからず無職になってしまっている状態です。
つまり、病気や産休などにより、働くのが難しい場合の失業に対しては無効になります。
失業保険を貰っているからといって、次の職を探そうとする意志がない場合は打ち切られることもあるためご注意ください。
ハローワークで求職の申し込みをしている
ハローワークに来所して求職の申し込みを行うことも条件のひとつです。
いつでも就職できる能力があるにも関わらず、就職先が見つからない「失業中」の状態となるため、ハローワークでも就職先を探しましょう。
ハローワークで求職の申し込みをしなければ、働く意思がないとみなされ、失業保険を受けることができません。
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
失業保険をもらえる期間
失業保険の受給期間は、原則として離職した翌日から1年間となります。
ですが、自己都合退職か会社都合退職かによって失業保険をもらえる期間は異なります。
また、受給期間に病気やけが、妊娠・出産などの理由によち引き続き30日以上働くことができない場合は、働けなくなった日数だけ受給期間を延長することができます。(最長3年間)
退職理由別の期間について解説します。
自己都合の退職は90日~150日間
自分から会社を退職するなど、自己都合の退職では失業保険を受給できる日数は90日~150日間となっています。
年齢によって差はなく、被保険者期間によって受給日数が異なります。
| 被保険者期間 | |||||
| 1年未満 |
1年以上~ 5年未満 |
5年以上~ 10年未満 |
10年以上~ 20年未満 |
20年以上 | |
| 全年齢 | 90日 | 120日 | 150日 | ||
会社都合の退職は90日~330日
倒産や解雇など、会社都合での退職の場合は、90日~330日の受給期間となっています。
自己都合退職よりも年齢や被保険者期間によって細分化されており、30歳未満であっても10年以上の被保険者期間がある場合は180日の受給期間となります。
| 被保険者期間 | |||||
| 1年未満 |
1年以上~ 5年未満 |
5年以上~ 10年未満 |
10年以上~ 20年未満 |
20年以上 | |
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
| 35歳以上45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | ||
| 45歳以上60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
| 60歳以上65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
【あわせて読みたい】退職後の失業保険はいつからもらえるのかについてはこちら⇓
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
失業保険でもらえる金額
失業保険でもらえる金額については、年代や直近の賃金によって異なります。
ここでは、失業保険でもらえる金額について詳しく解説しているため、ご自身の条件を当てはめて計算してみてください。
1日当たりの上限金額
令和7年8月1日から改定された失業保険の1日あたりの上限額は以下の通りです。
離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金日数は14,510円~17,740円となり、基本手当(失業保険)の日額の上限額は7,255円~8,870円となります。
離職前の賃金が上限より超えている場合は、上限分の給付金しか受け取れないので注意しましょう。
| 賃金日額の上限額(円) | 基本手当日額の上限額(円) | |
|
29歳以下 |
14,510 | 7,255 |
| 30~44歳 | 16,110 | 8,055 |
| 45歳~59歳 | 17,740 | 8,870 |
| 60~64歳 | 16,940 |
7,623 |
【例】 29 歳で賃金日額が17,000 円の人は、上限額(14,510 円)が適用されますので、令和7年8月1日以降分の基本手当日額(1日当たりの支給額)は、7,255円となります。
失業保険の計算方法
失業保険の計算方法は以下の通りになります。
①直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与は除く)÷180
②1日あたりの賃金(①) x 給付率(50~80%)
③1日あたりの失業保険支給額(③)x 給付日数
給付率は年齢や賃金日額によって異なり、それによって給付される金額も変化します。
ご自身が当てはまる区分から、1日当たりの支給額と総支給額を算出してみましょう。
| 離職時の年齢 | 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
| 29 歳以下 | 3,014 円以上 5,340 円未満 | 80% | 2,411 円~4,271 円 |
| 5,340 円以上 13,140 円以下 | 80%~50% | 4,272 円~6,570 円 | |
| 13,140 円超 14,510 円以下 | 50% | 6,570 円~7,255 円 | |
| 14,510 円(上限額)超 | – | 7,255 円(上限額) | |
| 30~44 歳 | 3,014 円以上 5,340 円未満 | 80% | 2,411 円~4,271 円 |
| 5,340 円以上 13,140 円以下 | 80%~50% | 4,272 円~6,570 円 | |
| 13,140 円超 16,110 円以下 | 50% | 6,570 円~8,055 円 | |
| 16,110 円(上限額)超 | – | 8,055 円(上限額) | |
| 45~59 歳 | 3,014 円以上 5,340 円未満 | 80% | 2,411 円~4,271 円 |
| 5,340 円以上 13,140 円以下 | 80%~50% | 4,272 円~6,570 円 | |
| 13,140 円超 17,740 円以下 | 50% | 6,570 円~8,870 円 | |
| 17,740 円(上限額)超 | – | 8,870 円(上限額) | |
| 60~64 歳 | 3,014 円以上 5,340 円未満 | 80% | 2,411 円~4,271 円 |
| 5,340 円以上 11,800 円以下 | 80%~45% | 4,272 円~5,310 円 | |
| 11,800 円超 16,940 円以下 | 45% | 5,310 円~7,623 円 | |
| 16,940 円(上限額)超 | – | 7,623 円(上限額) |
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
失業保険を受け取るまでの流れ
失業保険(雇用保険)を貰うにあたっての流れは以下の通りです。
- ①雇用保険被保険者離職票を用意する
- ②ハローワークへ行き、失業保険の手続きをする(その際に雇用保険説明会の日時が決まる)
- ③受給説明会へ行き、手順を確認する(失業保険認定日がここで決まる)
- ④求職活動を行う
- ⑤失業保険認定日にもう一度ハローワークへ行く
- ⑥支給開始
失業保険を受け取る流れを解説します。
失業保険の申請に必要な持ち物
・雇用保険被保険者離職票(1・2)
・雇用保険被保険者証
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票)
・身元確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した写真付きの身分証明書・資格証明書など)
・写真(たて3cm×よこ2.5cmの正面上半身のもの2枚)
・本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード
上記を準備して、住居地を管轄するハローワークで手続きを行いましょう。
なお退職後に引っ越している場合は、退職時の住居地ではなくその時点での住居地です。
実際に失業保険が給付されるまでにはさまざまな手続きがありますが、必要書類を準備し、ハローワークでしっかりと話を聞いて手続きをすれば問題なく失業保険をもらうことができます。
①雇用保険被保険者離職票を用意する
まず、初めのステップとして雇用保険被保険者離職票を用意しましょう。
雇用保険被保険者離職票とは、離職したことを公的に証明する書類です。
離職した後、前の職場から受け取ることができるので必要な場合は労務担当者に問い合わせるようにしましょう。
②ハローワークへ行き、失業保険の手続きをする
雇用保険被保険者離職票と事前に用意した持ち物をもって、ハローワークへ行き、失業保険の手続きをしましょう。
ハローワークで求職申込をし、離職票を提出すると、受給資格が本当にあるか確認されます。
その後、受給説明会の日時が設定されるので忘れずに参加しましょう。
③受給説明会へ行き、手順を確認する
受給説明会で雇用保険制度について話を聞くと、「雇用保険受給資格者証」、「失業認定申告書」を受け取れます。
また、第一回目の「失業認定日」が決定します。
④求職活動を行う
失業認定日までの間はハローワークの窓口などを活用して、積極的に求職活動を行いましょう。
失業保険の受給には、「積極的に求職活動を行っている」が条件です。
認定後も求職活動は継続して行うようにしましょう。
⑤失業保険認定日にもう一度ハローワークへ行く
失業認定日にもう一度ハローワークへ行き、失業の認定を受けます。
失業の認定は、原則4週間に1度行われます。
その際、「失業認定申告書」に求職活動の状況などを記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。
⑥支給開始
手続きが完了すると、失業保険が支給されます。
失業認定日から、通常5営業費で指定の口座へ振り込まれます。
再就職が決まるまでは、所定給付日数まで失業認定を都度受けることで、受給されます。
\ 簡単3分で適正年収が分かる! /
失業保険をもらうメリット
失業保険をもらうと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
失業保険をもらうメリットは以下の通りです。
- 経済的に安心できる
- 転職・就職活動へ集中できる
それぞれ解説します。
経済的に安心できる
失業保険を受けるにあたってのメリットは、なによりも金銭面での不安が解消されることが大きいでしょう。
仕事を辞めてしまうと当然今まで毎月貰っていたお給料がもらえなくなり、今まで通りの生活を続けることは困難になります。
失業保険が支給されると今まで通りとは言えませんが、ある程度の金額はもらうことができるため、今までの水準通りの生活から大きく変わる心配はなくなるでしょう。
転職・就職活動へ集中できる
もう1つのメリットとして、安心して次の転職活動ができます。
次の就職先を早く見つけないと、貯金を切り崩すなどしながら生活していかなければならないため、精神的な不安も大きくなります。
また生活費を稼ぐためにアルバイトを始めるとなると、集中して転職活動ができまないでしょう。
失業保険を受けることで、さまざまなストレスから解放されることが期待できます。
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
失業保険に関するよくある質問
ここからは、失業保険に関するよくある質問について解説します。
より詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
Q.失業保険について注意する点は?
A.失業保険が入るからといって安心しすぎない
求職中でも安定してお金がはいってくるからと、転職活動が停滞すると、退社から次の就職まで空白の期間ができてしまいます。
そうなると次の就職先での面接で空白期間について質問をされる可能性あり、空白期間が長ければ長いほど就職に不利になるかもしれません。また、失業保険にも限りがあるため、消耗戦になってしまします。
お金があるからと言って安心せず、気合を入れて転職活動に取り組みましょう。
【あわせて読みたい】空白期間が長くなった時の対処法はこちら⇓
Q.転職先がすでに決まっている場合でも失業保険はもらえる?
A.転職先が決まると、失業保険は受給できません。
転職先が決まると、失業保険の受給条件から外れるため受給することはできません。
転職せずとも自営業を開始した人や開業届を提出した場合は対象外になります。
Q.失業手当受給中にアルバイト・パートとして働いても問題ない?
A.原則週20時間以上の労働となる場合は、「就職」の扱いとなり受給ができません。
失業保険給付中にアルバイトやパートをする場合は、週20時間以上で「就職の届出」が必要となり、失業保険は受給できません。
週20時間未満の場合は、並行して他に週20時間以上の労働をするための意思、能力があれば、受給は可能となります。
週20時間以上働いているのも関わらず届出をせずに不正受給を行うと、不正受給金額の返還が命ぜられます。
Q.失業保険の受給中に転職が決まった場合はどうなる?
A.転職先が決まると、受給は打ち切りとなります。
転職先が決まっているにも関わらず受給を継続してしまうと、不正受給となる可能性があるためハローワークに報告して確認するようにしましょう。
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
次のキャリアに悩んだら転職のプロに相談!
失業保険は退職してから転職するまでの間、国が生活を支援してくれる制度です。しかし、ずっと失業保険手当がもらえるわけではなく、期間は決まっています。
雇用保険の加入期間や年齢によっても貰うことのできる手当が変わることや、失業保険をもらうためにはハローワークへ行き次の職を探さなければならない点にも注意が必要です。
制度を活用して、転職活動を有利に進めましょう。
「エンジニアとして上流工程に携わりたい」
「IT業界に転職して年収を上げたい!」
「もっとモダンな環境で働きたい!」
などのキャリアのお悩みは是非、「IT・Web業界の知見が豊富なキャリアアドバイザー」にご相談ください!
IT特化の転職エージェントのGeekly(ギークリー)なら、専門職種ならではのお悩みも解決できる専任のキャリアアドバイザーがカウンセリングから入社後まで完全無料で全面サポートいたします!
転職しようか少しでも悩んでいる方は、お気軽に以下のボタンからご相談ください。
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
あわせて読みたい関連記事
新着記事はこちら













