
【アンケート調査】IT人材のAIの使用状況とキャリアへの影響は?
弊社ギークリーでは、2025年10月にGeekly(ギークリー)のサービスをご利用いただいたエンジニア、クリエイター、ゲーム、営業人材の方を対象に「AIへの関心と利用状況」についてアンケート調査を実施しました。転職を決意したきっかけにAI普及がどの程度関係しているかについても調査しているので、ぜひご覧ください。
アンケート方法概要
IT人材のAIツール使用状況についてアンケートを実施。
【調査対象】弊社をご利用いただいたIT業界にお勤めの転職希望の方
【対象人数】1,427名(有効回答のみ)
【調査期間】2025年10月1日~2025年10月31日
【調査方法】Web上のアンケートフォームへの入力
【質問項目】
1. AI(人工知能)全般に対して、どの程度関心がありますか?
2. 現在の業務でAI(例:生成AI、機械学習、自然言語処理など)を使った経験はありますか?(複数選択可)
3. 使用したことがあるAIツール・サービスがあれば教えてください(複数選択可)
4. 直近、AIの普及を受けてご自身のキャリアを見直し・再検討することはありましたか?
5. 転職活動での企業選びの際にAIの導入や活用が積極的な企業かどうかは重視しますか?
【全体】アンケート集計結果
ほぼすべてのIT人材がAI(人工知能)に関心をもっている
アンケート結果から、IT人材のほとんどがAIに高い関心を寄せていることが明らかになりました。
「非常に関心がある」が47%、「ある程度関心がある」が49%と、合わせて96%がAIを重要な技術テーマとして捉えています。
一方で「あまり関心がない」と回答した人はわずか3%に留まり、IT領域ではAIが避けて通れないテーマになっているといえるでしょう。
生成AIや自動化ツールの普及が加速する中で、IT人材にとってAIは「知っておくべき技術」から「日常的に向き合う技術」へと位置づけが変化している様子がうかがえます。
IT人材は業務でだけでなく個人的なAI使用も
AIツールの利用状況を見ると、「よく使う」(40%)、「部分的に使う」(20%)に加えて、「個人的に使っている」という回答も23%にのぼり、業務とプライベートの両面でAI活用が広がっていることが分かりました。
業務での活用は、生産性向上やアイデア出しの効率化、分析の自動化など、専門領域に直結したメリットが中心であることが想定されます。
一方プライベートでは、「調べものをする」「コンテンツの要約・翻訳をする」に次いで「対話型AIと会話する」が多いことが総務省のデータでわかっています。
AIが業務ツールの一部にとどまらず、IT人材の生活全体に浸透し始めている状況がうかがえる結果となりました。
(参考:総務省『情報通信白書』)
使用したことがあるAIツールはChatGPTが最多
使用経験のあるAIツールについては、ChatGPTが40%と最も多く、次いでGeminiが22%、GitHub Copilotが13%という結果でした。
ChatGPTは汎用性の高さや使いやすさから、職種を問わず幅広いIT人材に利用されていると考えられます。
Geminiも多くのユーザーに浸透しており、特定領域に強みのあるツールとして支持を集めているようです。
GitHub Copilotは割合こそ小さいものの、専門性の高さからニッチな用途で選ばれている可能性があります。
IT人材は複数のAIツールを使い分けながら、自分の業務やスキルに合った最適な活用方法を模索していることがうかがえます。
キャリアや転職へのAIの影響度の高さは「人による」という結果に
AIの普及がキャリアに与える影響については、「見直すきっかけになった」という回答が約半数に達し、多くのIT人材が将来のキャリア形成にAIを重要要素として捉えていることが分かります。
一方で「自分には影響しない」と考える人も約3割いることから、AIの影響度の感じ方は個々の職種や業務内容によって異なることが読み取れます。
AIスキルの重要性は増す一方で、どこまでキャリアに組み込むかは人それぞれだとも捉えられるでしょう。
以下は、転職先選びの際に、企業がAIへの取り組みに積極的であるかどうかを判断基準にするかどうかを尋ねた結果です。
転職においても、企業のAI活用への姿勢を重視する人と、そこまで重きを置かない人が共存している現状が見えました。
しかしIT人材は企業のAI活用に一定の期待を寄せていることもわかります。AIがキャリアへ及ぼす影響については大きいと捉えている人が多いという傾向がうかがえる結果となりました。
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【年代別】アンケート集計結果
AIへの関心は全年代を通して高い
年代別にAIへの関心度をみると、20代〜50代のいずれにおいても高水準で推移しており、世代を問わずAIが重要テーマとして認識されていることがうかがえます。
20代〜30代は「ある程度関心がある」が約半数を占める一方、40代・50代は「非常に関心がある」が55%と最も高く、ミドル層ほどAIを深く捉えている傾向も特徴的です。
「あまり関心がない」と回答したのは各年代3〜4%に留まり、年代差はほとんど見られません。
若手からベテランまで、IT人材全体がAIの進化をキャリアや業務の変化に直結する重要要素と捉えている様子がわかる結果です。
20代から40代は仕事でのAI活用が6割
業務でのAI活用状況を年代別にみると、20代〜40代では「よく使う」「部分的に使う」を合わせて約6割を占め、職場におけるAI活用が日常化していることが分かります。
一方でプライベート利用は全年代で2割前後と横ばいで、世代差は大きくありません。IT人材は年齢を問わず、業務だけでなく自己学習や生活改善など、AIを個人用途で活用しているようです。
使用ツールはChatGPTが4割、Geminiが2割
年代別の使用ツールを比較すると、どの年代でもChatGPTが約40%前後で最多、Geminiが約20%と、全体の傾向と大きく変わらない結果となりました。
職種やキャリア歴に関係なく、ChatGPTがもっとも幅広く使われていることが分かります。
一方、GitHub Copilotは年代によって差があり、50代は17%とやや高い割合を示しています。専門性の高いツールへの関心が、一部のベテラン層に強く表れている可能性があるでしょう。
全体としてはChatGPT・Geminiの利用が中心で、年代を問わず「使いやすく実務に直結するツール」が選ばれやすい傾向が見てとれます。
AIの普及は多くの年代でキャリアを見直すきっかけに
AIの普及がキャリアに与える影響をみると、20代〜40代では「キャリアを見直すきっかけになった」が約半数にのぼり、若手から中堅層にかけてAIを成長機会として積極的に捉えていることが分かります。
一方で「AIの普及で転職を考えた」と回答した人は各年代1割と少数派で、多くの人にとってAIはキャリアの方向性を考え直す刺激として作用しているようです。
50代では「影響しない」が約4割と他年代より高く、AIが業務や立場に与える影響を限定的とみなす傾向も見られます。
全体としてAIの存在が働き方やキャリア観を揺さぶる要素になっている点は共通しています。
AI導入への取り組みは企業選びの参考になっている
AIに対する積極性は、全年代で重視する人の割合が多い結果となりました。
ただし、「非常に重視する」の割合に対し「ある程度重視する」の割合がおよそ3倍以上であることから、IT人材にとってAI導入や活用の取り組みが企業選びの基準として最重要項目ではないこともうかがえます。
転職で「今の会社を選んだ理由」についてのアンケート結果は以下の記事をご覧ください。
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【職種別】アンケート集計結果
AIへの関心の強さは、職種によって一部に差も
AIへの関心について職種別の回答を見ると、大きく分けて「関心がある」に該当する割合は全職種でおよそ95%と高い結果でした。
一方、関心の高さに注目すると「非常に関心がある」という回答の割合がもっとも多いのは営業で、もっとも少ないのはゲームです。「ある程度関心がある」についてはその反対の結果となりました。
この理由については、次の用途についてたずねたアンケート結果で内情をうかがうことができます。
クリエーター・営業は業務で、ゲーム人材はプライベートでAIを使用
職種別にAI活用をみると、エンジニアやクリエイターは「よく使う」「部分的に使う」を合わせて6割超と、業務内での積極的なAI活用が進んでいることが分かります。
資料作成や提案業務など、アウトプット量の多い職種ほどAIの恩恵を受けやすい傾向が表れています。
一方でゲーム関連人材は「個人的に使っている」が34%と最も高い結果です。
プライベートでの創作支援やアイデア生成、学習目的でAIを利用する割合が多いことを、先ほどの「関心はあるがそこまで高くはない」という結果と照らし合わせると、ゲーム人材はAIをあくまで生活を便利にするツールとして捉えている傾向があるのかもしれません。
業務利用が中心の職種と、プライベート起点でAIを活用する職種が分かれる結果となりました。
ChatGPT・Geminiに続きエンジニアは○○利用が多い
ツール利用の傾向を見ると、どの職種でもChatGPTが約40%、Geminiが20〜28%と最多で、基本ツールの選択傾向は共通しています。
GitHub Copilotはコーディングアシスタントとしてコーディング作業効率化に用いられるため、エンジニアの利用は他職種と比較して多い傾向となりました。また、ゲーム人材でも一定活用されているようです。
職種ごとに「必要とするAI機能」が異なり、ツール選択にもその特性が反映されているのが分かります。
AIの普及がキャリアに直接影響しないと感じるIT職種も
AI普及によるキャリア意識の変化を見ると、どの職種でも「キャリアを考えるきっかけになった」がおよそ4割以上を占め、AIがキャリア戦略に影響を与えていることは共通しています。
しかし一方で、「自分には影響しない」と回答した割合には職種差が見られます。
営業は20%と比較的低めであるのに対し、クリエイターは29%とやや高く、AIを補助的技術として捉えている様子がうかがえます。
またゲームは「わからない」が28%と最も高く、将来の影響を判断しづらいという不確実性が特徴的です。
AIとの距離感は業務特性によって大きく変化しています。
転職において、企業のAI活用への感度が最も高いのは営業
キャリア見直しの観点から、企業のAI活用姿勢をどれだけ重視するかをみると、営業が最も強くAIの影響を意識している傾向があります。
業務効率化や提案の質に直結するAIの存在が、転職基準にも反映されていると考えられるでしょう。
一方で、ゲーム人材は判断が分かれており、「あまり重視しない」が41%と最多です。AIが業界構造にどう影響するかを見極めたい段階にあることがうかがえます。
総じて、AIの活用に積極的な企業へ魅力を感じる傾向は全職種で高まりつつあり、転職の判断材料として重要度が増しています。
ただし実態として、AI活用については「方針を明確に定めていない」とする企業が41%にのぼるなど、日本はAI活用が後進している現状もあります。
企業選びの参考材料になっていることも踏まえて、導入を進めることが企業の課題にもなっているでしょう。
(参考:総務省『令和6年版 情報通信白書』)
\ エンジニアのキャリアに迷ったら! /
AI活用に積極的な企業への転職は、業界特化型転職エージェントにご相談ください
今回のアンケート調査では、「IT人材のAI活用の実態とキャリアへの影響」について調査しました。
IT人材は総じてAIへの関心が高く、業務だけでなくプライベートでも活用していることがわかりました。
しかし自身のキャリアへの影響については慎重な見方をしている人も多く、AIが身近だからこそ実態のない噂などによって過度に不安視していない様子もうかがえます。
実際に使用しているAIツールは、全体、年代別、職種別すべてにおいてChatGPTが最多でしたが、職種別ではGeminiの割合も高くなっています。
Gemini 3 Proの登場により改めてプロンプトの重要性を見直す意見なども出るなか、日本の企業がIT人材のキャリアにとって魅力的なAI活用事例を提示できるかどうかも注目されるようになるでしょう。
IT人材は、より将来性の高い業界や企業、技術などの情報収集における感度が高いことが特徴です。
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