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有名タイトルに慢心せず常に情熱を注ぐ。『ストリートファイター6』のゲームプランナーが語る使命とは

有名タイトルに慢心せず常に情熱を注ぐ。『ストリートファイター6』のゲームプランナーが語る使命とは

「最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる企業」というビジョンを掲げ、大ヒットタイトルを次々に生み出している株式会社カプコン。今回はゲームプランナーとして『ストリートファイター6』の制作に携わっている薮下 剛史様に、ゲーム制作への熱い想いや、ゲームプランナーの魅力を語っていただきました。

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■ 薮下 剛史(やぶした つよし)様

2018年にゲームプランナーとして株式会社カプコンに新卒入社。
入社以来、ストリートファイター6チームに所属し、自動実況機能やバトルハブなどゲームの要となる多くの機能を担当。
現在は、第三ゲームデザイン室 副室長として、組織マネジメントおよび人材育成を担いながら、ストリートファイター6のさらなるアップデートに尽力している。

 

入社の決め手や入社後のキャリアの歩み

 株式会社カプコン ゲームプランナー 薮下 剛史

 

―数ある企業の中で株式会社カプコンに入社を決めた理由を教えてください。

 

薮下様:元々格闘ゲームが好きで、ゲーム制作に携われる会社を何社か受けており、その中で1番フィーリングが合ったのがカプコンでした。

 

格闘ゲームの制作に携われるという点も大きな魅力でしたが、決め手となったのは、社員の方と話したときに「楽しい」というフィーリングがあったことです。直感的に感じたことではありますが、入社後にその時の社員さんと同じチームで働く機会があり、実際にすごく楽しかったので、「あの時感じたことは間違っていなかったんだな」と思っています。

 

ゲームに対する愛はどの会社さんでも持っている部分だとは思いますが、その上で「人」という部分でカプコンに入社を決めました。

 

―入社されてから今までのキャリアの歩みについてお聞かせください。

 

薮下様:キャリアという感じではないかもしれませんが、入社後は志望していた『ストリートファイター6』チームにアサインされ、ゲームの機能に関する企画やアイデア出しをしていました。
企画が通ったものもあればボツになったものももちろんありますが、「やる」と決まったものは企画書を出して終わりではなく、最後のリリースまで担当させてもらっていました。

 

入社して1~3年目の頃には、先輩からノウハウを学びつつ、自動実況機能やバトルハブをはじめとした、自身が提案した内容を企画設計から仕様策定、実装まで全般的に任せていただけるようになりました。ストリートファイターチームに関しては「やりたいことがあれば、まずは手を挙げた者に任せてみる」という懐の深い文化があります。

 

僕の上司にあたるリーダーの方がそういった考えを持っていたので、若手の熱意を削ぐことのない、責任ある仕事を任せてくれる環境があったからこそ今の自分があるのだと感じています。

 

―入社後してから今までで一番印象的だった出来事はありますか?

 

薮下様:2022年2月21日に『ストリートファイター6』のティザートレーラーが世界に向けて初公開された時のことは忘れられません。

私にとってこのタイトルは、新卒で入社して初めて携わり、スタッフロールに名前が載った最初のタイトルで、初めてのタイトルは1つしかないものなので非常に感動したことを覚えています。

 

2月21日の公開当時は会社のフロアで1人で配信を見ていました。もちろん開発チームの一員として、公開前に映像の内容は見ていましたが、本公開の様子を見てあまりに感動してしまい、気づいたら会社の近くを流れる川まで歩いていました。

川を眺めながら、「自分はこのタイトルに対して、それだけ本気で頑張ってきたんだな」という実感が湧いてきて思わず泣いてしまいました。自分が子どもの頃遊んでいたシリーズでもありますし、そういった思い出がよみがえってきて川に行きましたね(笑)それが1番強烈に覚えている出来事です。

 

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ゲームプランナーの業務内容や魅力について

 

株式会社カプコン ゲームプランナー 薮下 剛史

 

―現在の業務内容について教えてください。

 

薮下様:現在は主に2つの軸で動いています。1つは既にリリースされているタイトルの運営です。ユーザーの皆様からのリアルな反応やご意見を分析し、より遊びやすく改良したり、新しい機能を追加したりといった、タイトルを育てていく業務です。

 

もう1つは他社様とのコラボレーションに関する業務で、ゲーム内での企画内容を詰めたり、他社の方々と打ち合わせを重ねて詳細を決定したりする役割を担っています。プランナーは、プログラマー、デザイナー、サウンドなど各セクションの人に作業依頼する「橋渡し役」なので、各職種の方とコミュニケーションを密に取る機会が多くあります。

 

―1日中デスクにいるというより、アクティブに動くことが多いでしょうか?

 

薮下様:そうですね。現在はオンライン通話も活用していますが、やはり実際に相手の席に行き、一緒に画面を見ながら話したほうが効率良いことが多いです。
1日の業務スケジュールはこのような感じです。

 

1日の業務スケジュール例

10:00 企画A仕様書作成、必要に応じて相談
11:00 他セクションメンバーと打合せ、仕様調整
12:30 昼休憩(時間が余ればフロアで対戦)
13:30 定例MTGで進捗の確認、問題点の洗い出しなど
15:00 企画Bの実装状況のチェックプレイ
16:00 他社コラボの内容検討、各所連絡
18:30 定時、夕食や息抜きの対戦など
19:00 企画Cの概要検討、資料作成
20:30 退社

 

業務内容は主に企画書作成打ち合わせ実機チェックの3パターンがあります。
まず企画書作成とは、自分の頭の中にあるアイデアを言語化していく作業です。「こういう機能があったら便利だろうな」とか「こういうコラボをしてみたい」というように考えたことを書き起こしていくのですが、「こうだったら形になりそう」という道筋が見えると手が進みます。

 

打ち合わせはデザイナーさんやプログラマーさんに対して相談し、コミュニケーションを取りながら企画を具体化していくターンです。こちらの意図を相手が理解してくれて、そのアウトプットが想定よりもすごく良い時は「それそれ!」と嬉しくなります。お互いアイデアを持ち寄って企画をより良くしていこうとするコミュニケーションが楽しいですね。

 

実機チェックでは実際にゲームを触り、バグがないか、想像通りに動いているかを確認しています。最初はただの資料だった企画が、実際に形になってゲーム内で動いている様子を見ることができるのはやっぱり嬉しいですし、感動します。この瞬間は何物にも代えがたい達成感があります。

 

―有名タイトルの開発に携わることのやりがいや魅力を教えてください。

 

薮下様:「有名タイトルだからやりがいがある」という視点は、実は自分の中にはあまりありません。ただ、世界中のお客様に遊んでいただけていることは本当にありがたいことだと日々感謝しています。
一言で表現するのは難しいですが、やはり圧倒的な反響の大きさはやりがいにつながります。 シリーズとして世界中にお客様がいてくださるので、何かを発表したときなどに反響をもらうと影響力の大きさを実感します。

 

その一方で、タイトルのバリューを過信したくないという思いもあります。人気になっていくシリーズタイトルは、毎作新しい挑戦を行い、それがお客様に受け入れられてきたからだと考えています。うまくいったこともあれば、いかなかったこともある。そんな挑戦の積み重ねがシリーズの歴史を作っていくのだと思います。ですので、むしろその歴史にリスペクトを払いつつ、今このタイトルには何が必要で、お客様にどう楽しんでもらうか?を考えて、情熱を注ぐべきだというのが私の持論です。

 

―有名だから売れるのではない。その言葉から薮下様のプロ意識が真っ直ぐに伝わってきます。

 

薮下様:まさに、おっしゃる通りです。どちらかといえば危機感を持っています。過去を振り返れば、弊社の中でも、かつて人気を博しながらも途中で途絶えてしまったシリーズが存在します。ブランドは、ただ維持するだけでは消えてしまうんです。

そういったシリーズを皆さんに知ってもらう努力をすべきなので、こういうお話をするたびにありがたい気持ちと身の引き締まる思いが両方ありますね。

 

今、このシリーズが世界中で愛されているのは偉大な先人たちが『ストリートファイター』という文化を爆発的に広めてくれた歴史があるからです。
そのシリーズを途絶えさせずに、もっと多くのユーザーに遊んでもらいたい。チームとしてゲーム開発に関わる以上は、そういった使命を持って取り組んでいます。

 

―業務に携わる上で、日々大切にしている考え方や仕事観はありますか?

 

薮下様:とにかく、まずはやってみるという姿勢を大切にしています。何かを始める前に「これは微妙かもしれない」「失敗したらどうしよう」と頭で考えすぎて、自分から可能性を閉ざしてしまいがちですが、誰かが思いつくようなアイデアでも形にするかしないかで0と100の差があるので、やったもん勝ちだと思っています。

 

昔は慎重派で考えすぎてしまうタイプでしたが、カプコンに入ってからは「あとで後悔するならやってみよう」というマインドに変わりました。 トライアンドエラーを繰り返すことで、失敗も自分の経験になります。

 

―今後目指しているキャリアや、やってみたい仕事があれば教えてください。

 

薮下様:やってみたい仕事でいうと、ゲームをもっと日常の身近なところに近づけたいと思っています。コントローラーを握って画面を見るだけでなく、もっと日常とゲームがリンクする可能性を探りたいです。

 

例えばオフラインでeスポーツの大会を観て楽しむのもそうですし、様々な企業さんとコラボしたり、ゲームって色々な場面に展開していける面白いメディアだと思っています。まだぼんやりとしたアイデアですが、日常の思いがけないところでゲームが支えになれるような、そういう存在にしていきたいと考えています。

 

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『ストリートファイター6』チームの魅力とは

 

株式会社カプコン ゲームプランナー 薮下 剛史

 

―『ストリートファイター6』チームの魅力や雰囲気について教えてください。

 

薮下様:チームの魅力は、風通しが非常に良いところだと思います。チームメンバーは100人くらいの規模で、その中でプランナーは10数名ほどいますが、それぞれ一つの大きな機能を一人で担当する「担当制」に近い形をとっています。
若手であってもその機能に関しては自分が一番詳しいという状態になりますし、責任を持って最後まで作り切れる点は魅力です。

 

チームの雰囲気も良くて、最新のゲームの話だったり、昨日観た映画の話だったりなど雑談が結構多いです。そういう何気ない会話から新しいアイデアが生まれることもありますし、何より人間関係がフラットなので、何か困った時にすぐ相談できる空気があります。

 

プランナーの男女比で言うと、今は男性が半数を占めています。年齢層は幅広く、新人からベテランまでいますが、みんな「面白いものを作りたい」っていう一点で繋がっているのでキャリアや年齢の壁を感じることはほとんどないですね。

 

また、僕たちは対面でのコミュニケーションを大切にしています。もちろんオンラインでも仕事はできますが、隣に座って画面を見ながら「ここ、もうちょっとこう動かしたいんですよね」って身振り手振りで話すスピード感が業務をスムーズにする有効手段の一つです。
「プランナーだから資料だけ作っていればいい」ではなく、泥臭く色んなセクションの人のところへ足を運んで、みんなでワイワイ言いながらブラッシュアップしていく。そのライブ感というか、チームで一体となって作っている感覚がストリートファイター6チームの1番の魅力かもしれません。

 

―チームのなかで輝いている方はどのような特徴がありますか?

 

薮下様:プランナーという職種は自分1人で完結する仕事ではなく、常に他セクションの方々へ協力をお願いし、物事を前へ推進していく役割です。そのため、自ら積極的に発信し、周囲のプロフェッショナルたちを巻き込んでいける人は自然と存在感が増して輝いて見えますね。

 

あとは当たり前かもしれないですが、みんなを巻き込んで「楽しそうに作っている」っていうのは結構大事で、そういう人の周りには自然と人が集まって、どんどん話が進んでいきます。そうやって輪の中心でワイワイやっていける人は見ていてすごく目立ちます。

 

―そういったチームの中でゲーム制作に携わるうえで、ゲームプランナーとして求められるスキルは何ですか?

 

薮下様:アクションの構築やUI設計といった専門的なスキルは人それぞれですが、全般に共通して求められる最も根本的なスキルは、やはりコミュニケーション能力です。

 

ただ、ここでいうコミュニケーションとは単なるお喋りではなく「自分がやりたいこと、あるいはチームとしてやるべきことを、正しく言語化して周囲に届ける力」です。多人数での開発において、意図が正確に伝わらなければどんなに優れた企画も形になりません。
周囲に正しく意図を伝え、日々発生する課題を対話で解決しながら進めていく力がプランナーにとっての重要スキルだと思います。

 

―薮下様自身も「伝える」という部分で、難しさや壁を感じた経験はありますか?

 

薮下様:挫折というほどではないですが、「あぁ、やっちゃったな」という経験はありますね。チームの規模が大きくなると、どうしても情報の伝達漏れが発生して認識の齟齬が生まれてしまうことがあります。

 

また、技術的な制約やスケジュールの都合で当初思い描いていた形が実現できず、機能を削らざるを得なかったり、仕様を大幅に変更したりしなければならない局面もあります。そんな時は、自分の力不足を痛感しました。

 

しかし、そこで「これがダメならこうしてみよう」と知恵を絞り問題を解決していくことも私たちの仕事です。うまくいかなかった経験も、次やる時に「あのやり方はダメだったからこうしよう」と事前にわかるようになります。失敗をポジティブに捉えて、自分の経験として消化していくようにしています。

 

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株式会社カプコンを目指す人へのメッセージ

 

株式会社カプコン ゲームプランナー 薮下 剛史

 

薮下様:この会社は色々なバックグラウンドやキャリアを持つ方がいて、色々なやり方を良しとする会社です。面白いゲームを作るという方向性が揃っていて、チームとしてコミュニケーションを取りながら楽しくゲームを作れる方なら楽しく働けると思っています。

 

結局、最後は「人」が大事で、どんなに優秀な方でも向いている方向が違ったりチームプレーができなかったりすると、一緒に足並みを揃えて進んでいけないですよね。「面白いゲームを作る」という気持ちさえ同じ方向を向いていれば大丈夫だと思って気楽に来てほしいです。

 

―本日はインタビューをお受けいただきありがとうございました!

 

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この記事の執筆者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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