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有給休暇中の転職やアルバイトは法律NG?雇用保険が関係するって本当?

転職が決まった時は、有給休暇を使い切った日を退職日として、その後新しい職場へ移るケースが多いようです。しかし、有給休暇中は意外と暇なもの…。それだけに「前倒しして働きたい」と考えたり、転職先から「できるだけ早く働いてほしい」と言われることもあるかもしれません。本記事では「有給消化中に働いてもよいのか?」ということについて解説します。

2つの企業に在籍する「二重就労」に注意!

 

 

有給消化中に転職先で働く事は法律上では禁止されていないため可能と言えますが、在職中の企業と転職先企業どちらの就業規則も細かく確認する必要があります。

もし、有給消化中に転職先で働く場合は、就業規則において「二重就労の禁止」の規定がないかを確認するようにしましょう。

「二重就労」とはその言葉のとおり、1つの企業に雇用されている時に他の職場で働く、もしくは副業することをいいます。

在職中は、当然この規定を守らなければなりません。

違反したときの処罰は企業ごとに違いはありますが、減給されたり、悪質なケースの場合ですと懲戒免職を処されることもあるようです。

 

有給消化中はまだ雇用契約が継続している

 

有給消化をしている最中は、まだ雇用されている状態です。その時の雇用主側の就業規則を破ってしまうと、大きなトラブルに発展するケースもあります。

良く調べもせずに、自分の判断で有給消化中に転職先で働いたことがバレてしまうと、新しい職場に迷惑をかけてしまう可能性も大いにあります。

そんな軽率なことでは、転職早々悪いイメージを与えることは必至。最悪、内定を取り消されることもありえます。

慎重な対応をするように、気をつけてください。

 

立つ鳥跡を濁さず。きちんと辞めてから新たな職場で働く

 

辞める会社の規則といえども雇用契約を交わしている以上、契約期間中はその企業の社員です。守るべきことは守らなくてはなりません。

また、新たな雇用先においても、大事な契約を甘く見る性格と思われてしまってはマイナスです。

正式に退職日を過ぎてから、新たな職場で働くようにしましょう。

 

 

「二重就労」は法律に触れる違反行為?

 

 

先に「二重就労」が規約にある場合、減給などの処分を受けることがあるという、罰則について触れました。

しかし、これは企業ごとが独自で決めたものであって、法律上の規制や処罰は一切ありません。

ただし、労働基準法第92条などで謳われているように、会社は一定の範囲内において就業規則により社内ルールを定めることが認められています。

就業規則において「二重就労」などが禁じられている場合は、そこに所属する労働者は当然ルールに従わなければなりません。

 

裁判沙汰になることもある

 

もし重大な就業規則違反をすると企業内での処分だけではなく、裁判沙汰に発展することもありえます。

法律上の規制がないからといって就業規則を破ってしまうと、想定外のトラブルに発展することもありますので注意が必要です。

 

転職先の就業規則の確認もする

 

先に、前職の就業規則を確認する必要性を説明しました。

もし前職は「二重就労しても問題なし」という場合でも、他に調べなければならないこともあります。

次は、その点について説明します。

 

1)転職先の就業規則も確認する

 

転職先が「二重就労」を禁じている場合も、有給消化中に働くことは出来ません。

一般的に二重就労を許可していない企業が多いようです。

もし退職する職場が「二重就労」を認めており、転職先から早めに働いてほしいとの相談をされた場合には、その企業が「二重就労」を許可しているか確認してください。

もし「二重就労」を認めていないのでしたら、まだ有給消化中であることを報告した上で転職先の判断を仰ぐようにしましょう。

 

2)慎重に行動すること

 

結論として「二重就労」をする場合は、前職・転職先の両方に了解を得ることができてはじめて、有給消化中に働くことが可能となります。

もし、前職と転職先のどちらかから「二重就労」を却下された場合は、有給消化中に働くことは絶対に止めましょう。

有給休暇中の短い間でも、「多分大丈夫だろう」というような軽いノリで動かないように気をつけてください。

 

転職先から入社を催促されたら?

 

転職先から、入社希望日より早く入社してほしいと促されることもあるかもしれません。

その場合、自分が有給消化中であることを正直に伝えましょう。

検討する場合でも現職と転職先企業の就業規則は必ず確認します。

 

 

有給消化中のアルバイトはバレない?

 

 

「二重就労」には、副業やアルバイト・パートなども該当します。

アルバイト勤務の可否についてもやはり企業の就業規則によって可否が決まるため注意が必要です。

特に気をつけたいのが、アルバイトを雇う企業は「二重就労」について別段問題視していないことです。

それだけに「数日間の短期のバイトなら」「給与が手渡しならばれないのでは」と働いてしまうと、思わぬトラブルを招きかねません。

単発のアルバイトであっても給与には申告が必要です。

転職先の会社で年末調整を行うタイミングで別途確定申告が必要だと発覚する場合もあります。

特に「雇用保険」に加入する必要があるアルバイト先で働いた場合は二重で加入することになり、後ほど面倒なことになります。

 

「雇用保険の二重加入」については後述しますので、詳しくはそちらを参考にしてください。

 

 

有給消化中に転職先で働く際の一番の注意点「雇用保険」

 

 

「二重就労」の問題もクリアになり、有給消化中に転職先で働くことになったとしても、まだ注意すべきことがあります。

それは「雇用保険」です。

 

雇用保険の基本情報を分かりやすく解説

 

雇用保険は社会保険のひとつです。

会社に保険料を納めるかわりに、定年、倒産、自己都合等により離職した際に手当が支給されます。

受給条件はハローワーク(公共職業安定所)で失業認定を受ける、離職の日以前の2年間に一定以上の賃金が支払われている事です。

失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大といった目的があります。

 

雇用保険に関する手続きは在職中の企業や転職先が行います。

「加入したくない」という理由で免除されるものではなく、一定の条件に該当しない限り加入は義務なので、知らずに副業を始めてしまうと大きなリスクがあるという事です。

2022年10月からは社会保険適用拡大となり、法改正も行われています。(参考:厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト

 

雇用保険は二重加入することはできない

 

雇用保険は、二重で加入することはできません。

もし、そのことを把握せず有給消化中に転職先で働き始めると雇用契約が被ってしまい、二重加入問題が発生します。

これを解決するためには有給消化中に転職先で働くに先立って、前職側で「雇用保険の資格喪失手続き」をする必要があります。

もし、雇用保険に加入していない状態のまま仕事をしてトラブルが発生したとしても、当然その保証を受けることはできなくなります。

転職先で働く際は、必ず前職側で雇用保険の資格喪失手続きをしましょう。

 

その他手続きは?

社会保険適用拡大に伴い、健康保険は原則としてどちらか一方を選択するようになりました。

年金を前もって1年分先払いしていた時などは、途中で厚生年金に切り替えた場合は重複分が発生してしまうので、年金事務所から送付される「国民年金保険料還付請求書」に基づいて還付の手続きを行いましょう。

なお労災保険などは二重加入しても問題ありません。

 

 

【結論】有給消化中は無理して働かない方が無難

 

 

「二重就労」や「雇用保険」の問題がすべてクリアになれば、有給消化中でも働くことができるようになります。

これは転職でもアルバイトでも同じです。

ただし、有給消化中の「二重就労」には手間暇がかかり、場合によってはトラブルが発生する恐れがあります。

それだけに、自らの希望で働くことは避けるほうがよいかもしれません。

新しい職場で働くまでの数日~数十日の間は、自分を高める時間に充てたり、英気を養うなどして万全の態勢を整えておきましょう。

 

 

まとめ

 

 

もし、前職と転職先共に「二重就労」をしても問題なく、有給休暇の消化中に転職先で働くことになったとします。その場合は、必ず前職にも働き始める日付を伝えるようにしてください。少しでも不透明な部分を作ってしまうと、先に説明した雇用保険の問題等のトラブルの原因になります。

 

また、反対に転職先で働き始めたのにも関わらず、前職の職場に出向く場合は、そのことを転職先にも伝えておきましょう。

特に、何度も通う必要があるのでしたら、どのような理由や用事で行くのかということも含めて報告するようにしましょう。

もし、転職先に「辞める会社へ頻繁に出入りしている」ということが耳に入ってしまうと、あまり良い印象は持たれません。

入社前にそういった噂が広まってしまうと、実際に働きはじめた時に働きづらくなる恐れもあります。

忘れ物を取りに行く程度ならともかくとして、引き継ぎなどで定期的に行くことがあるようでしたら、そのことをちゃんと転職先に伝えるようにしてください。

 

まずはキャリアの相談をしてみる

 

この記事の監修者

西内信

IT系ベンチャー企業にて法人営業を経験し、そこで培った経験を生かし総合人材会社へ転職。その後ギークリーを創業しました。今までにご相談に応じた転職者は3500名以上に上ります。転職者のご不安や疑問点など一緒に解決しながら、最適な未来が描けるようなサポートをさせて頂きます。

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